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アラン・ドロンとジュリエット・グレコが“すれ違う恋”――忘れ去られた名匠ギィ・ジル幻の傑作『海辺の恋』特別映像が解禁

  • 2026.4.9

フランス映画の記憶の底に沈んでいた一作が、特別映像の解禁とともに再び光を放ち始めた。4月18日公開の映画『海辺の恋』は、恋や別れをめぐる感情を、驚くほど静かに、そして美しく描き出す作品である。モノクロとカラーが交錯する映像は、まるで過去の記憶をたどるような感触を観る者に残す。

映像のなかで印象的なのが、アラン・ドロンとジュリエット・グレコによる、架空の映画のワンシーンだ。直接的な説明は一切ないが、その存在が恋のすれ違いや不在の感覚を象徴し、作品世界に豊かな奥行きを与えている。

本作を手がけたギィ・ジルは、生前ほとんど知られることのなかった監督である。ヌーヴェルヴァーグと同時代を生きながら、その輪の中心に入ることはなかった。しかし自伝的要素を色濃く反映した『海辺の恋』は、若者たちの揺れる感情を、過剰な演出を排してすくい上げた稀有な作品だった。

夏の海辺で始まる恋は、やがて距離と時間によって試される。手紙だけがつなぐ関係、交錯する三人の想い、そして確実に訪れる別れ。そのすべてが、波打ち際に残っては消えていく足跡のように描かれる。遠距離恋愛や、失われていく時間の痛みは、現代を生きる私たちにも強く響く。消えゆくものの美しさを真正面から見つめたこの映画は、今なお新鮮な余韻を残し続けている。

https://youtu.be/BydlO_SjMpM?si=7A_mzR39VL_xutjF

【海辺の恋】 ※ロカルノ国際映画祭・批評家賞受賞作品
監督・脚本:ギィ・ジル 撮影:ジャン=マルク・リペール 音楽:ジャン=ピエール・サロ 録音:ジャン=ジャック・カンピニョン 編集:ナウン・セラ
出演:ダニエル・ムースマン、ジュヌヴィエーヴ・テニエ、ギィ・ジル、ジュリエット・グレコ、アラン・ドロン、ジャン=クロード・ブリアリ、ジャン=ピエール・レオ
原題:L’Amour à la mer 日本語字幕:上條葉月 提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション
配給:クレプスキュール フィルム
コピーライト: ©1965 Films Galilée
【1964年/フランス/フランス語/モノクロ・カラー/73分/DCP】

2026年4月18日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

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