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「子や孫に会えない患者のために」97歳女性を看取った看護師が決意した“もうひとつのケアの道”とは【作者に聞く】

  • 2026.4.8

幼少期から絵を描くことが好きで、現在は漫画家として活動しているアヤ(@aokitaji)さん。看護師・看護学生向けの総合WEBメディア「ナース専科」では、看護師たちの実体験をもとにした漫画を連載している。今回は、その中から「私が看護師カメラマンになったきっかけ」を紹介する。患者と家族の間にある“会えない時間”をどう埋めるか。看護の現場で生まれた気づきが、思いがけない新たな働き方につながっていく。

97歳の患者との出会いが残したもの

物語の主人公は、ある夏の日に97歳の女性患者・Aさんを受け持つことになる。Aさんは、孫の成人式を祝って撮った写真をうれしそうに見せながら、「着物の着付けをしてあげたの」と誇らしげに話してくれた。ただ、その笑顔の裏には、簡単には埋められない距離もあった。家族は遠方に住んでおり、頻繁に面会に来られる状況ではなかったのである。

会えない家族に“今”を届けたい

それから半年ほどが過ぎ、Aさんは帰らぬ人となる。だが、主人公の中にはAさんの笑顔が強く残り続けていた。そして、「患者とその家族の間の空白を埋める看護がしたい」という思いが芽生えていく。その気持ちはやがて、看護師として働きながら利用者の写真を撮る“看護師カメラマン”という活動へとつながっていく。病状や経過だけでは伝わらない、その人らしい表情や日常の一瞬を写真で残すことが、家族にとって大きな意味を持つと気づいたからだ。

数字や説明だけでは伝えきれない「今どう過ごしているか」

看護師とカメラマンという働き方について、アヤさんは「とても素敵なお仕事だと思います」と語る。さらに、「ご家族にとって今どのように過ごしているかは、実は病気の進行状況や現状よりも1番気になることなのかもしれないと、この漫画を描きながら思いました」とも話しており、数字や説明では伝わらない“暮らしの気配”を届けることの大切さがにじむ。

施設に入所すると、家族が頻繁に会いに行くのが難しくなることも少なくない。だからこそ、写真という形で近況を伝えることには大きな意味がある。本作は、看護の可能性がケアの枠を越えて広がっていくことを感じさせるエピソードだ。

取材協力:アヤ(@aokitajimaru)

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