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ごく普通の一家が長男の中学受験にチャレンジ! 塾や成績の問題からメンタルサポートまで、激動の3年間を赤裸々に綴る!【書評】

  • 2026.4.8

【漫画】本編を読む

目標に向かって諦めずに努力する姿の切実さ、合否発表直前の緊張感、そして喜びと悲しみ。受験生とその家族が合格を掴み取るために積み重ねる時間は壮大なドラマといっていい。『中学受験に挑戦したら、想像以上に壮絶でした』(うえだしろこ:著、西村創:監修・解説/KADOKAWA)は、著者・うえだしろこ氏が経験した、中学受験に臨む長男と彼をサポートする家族の3年間を綴ったコミックエッセイである。

漫画家のうえだ氏とサラリーマンの夫、そしてふたりの男の子がいるうえだ家。長男が区立小学校に入学して間もないころ、うえだ氏はその小学校の生徒の8割が中学受験をしていることを知る。もともと中学受験は考えていなかったうえだ氏だったが、義母から中学受験を勧められたり、ママ友がすでに中学受験対策を始めている姿や、高校受験で苦労している姿を目の当たりにしたことで、夫に相談して中学受験については長男の意思を尊重することにした。そして時が流れて長男が小学3年生になったある日、とあるきっかけで彼が行きたい中学校を見つけたことで、うえだ家の中学受験への挑戦が始まる。

本書を読んでいて驚くのは情報量の多さだ。中学受験に挑戦するといっても、ただ子どもが勉強するだけでは合格は掴めない。どの塾へ通わせるか、行くタイミングはいつか、費用は、子どもへの負担は、といった問題を保護者がひとつひとつ解決していき、さらに学年が上がるごとに変わる状況に対処していかねばならないのだ。それらに対してうえだ家がどう乗り越えていったのかがとても詳細に書かれているのである。もしぼんやりとでも中学受験を考えている人には、第一歩として参考になるはずである。

受験、特に中学受験をテーマにした作品のなかには、子どもの成績が思うように上がらないことによる親の葛藤や苦しみ、そしてそれに伴う暴走を中心に描かれたものもあるが、本書のうえだ家は「つらかったらいつでもやめていい」というスタンスが貫かれている。本人の意思を第一に、できる限りのサポートをしてあげるという姿勢は受験に臨む家族のひとつの理想形ではないかと感じた。中学受験で悩んでいる人、これから中学受験を始めようとしている人に、絶対に見失ってはいけないことを教えてくれるだろう。

文=西改

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