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【二十四節気ガイド】清明とは?意味・由来、七十二候と時候の挨拶

  • 2026.4.5
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日本古来の自然のリズム、二十四節気と、5日でめぐる日本の季節、七十二候をはじめ、旧暦の日付や雑節のお知らせです。

【卯月の和の暦】
清明 せいめい|二十四節気──4月5日~19日
玄鳥至 つばめきたる|第13候──4月5日~9日
鴻雁北 こうがんかえる|第14候──4月10日~14日
虹始見 にじはじめてあらわる|第15候──4月15日〜19日
春の土用入り はるのどよういり|雑節──4月17日

和暦コラム「燕」──和暦研究家 高月美樹

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清明 せいめい|二十四節気

[清明]──4月5日~19日
【旧暦】
──2月18日~3月3日

清明」とは?日本各地で可憐な花を愛でる季節

万物が春の陽光を受け、清らかで生き生きとした様子を表す言葉に「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」があります。「清明」はこの言葉を略したもので、晩春の季語です。

この時期に東南から吹く風を「清明風」と呼びます。冷たい北風から、心地よい風に変わり、本格的な春の訪れを知らせます。この風に吹かれて桜が咲き、燕が到来します。

沖縄では、先祖供養の「清明祭(シーミー)」が賑やかに行われます。中国伝来の行事で、沖縄ではもっとも盛大です。親戚が集まり門中墓にお参りし、重箱料理や、酒、花を供えた後、墓庭で盛大に会食が行われ、泡盛を飲み、三線(さんしん)を弾き、歌い踊って過ごします。先祖が祀られているところで、子孫が仲睦まじくにぎやかに過ごすことで、祖先孝行になると考えられています。

和の暦の「春」は初春→仲春→晩春と3段階で進みます。清明と穀雨の時季は「晩春」。本格的に春が訪れるころです。*記事の最後の暦図もご参照ください。

[晩春──4月5日~5月4日

[時候の挨拶]
この時季によく使われる挨拶文です。

春風のみぎり しゅんぷうのみぎり
春爛漫の候
はるらんまんのこう
麗春
のみぎり れいしゅんのみぎり

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玄鳥至 つばめきたる|第13候

玄鳥至──4月5日~9日
【旧暦】
──2月18日~22日

本格的な春の到来

七十二候では、この日から「玄鳥至(つばめきたる)」になります。

南から燕が海を渡ってきて巣作りをするころ。本格的な春の到来で、農作業が始まる時季でもあります。

「玄鳥(げんちょう)」とは黒い鳥のことで、燕の異名。東南アジアで越冬し、清々しい季節に日本へ戻ってくる──その燕の巣作りのように住まいを整えるのにも適した時季といわれています。



[卯月の季語]

護花鈴ごかれい
桜花爛漫のころ、小鳥が花を散らせてしまうことを惜しみ、鳥を追い払おうと梢につないだ鈴を指します。中国にも赤い絹糸で作った綱に鈴をたくさんつけ、鳥を払ったという故事があり、花を描いた絵画の画題とされることもあります。

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鴻雁北 こうがんかえる|第14候

鴻雁北──4月10日~14日
【旧暦】
──2月23日~27日

雁などの渡り鳥が北へと帰る

七十二候では、この日から「鴻雁北(こうがんかえる)」になります。

鴨より大きく白鳥よりも小さい雁(がん)などの「冬鳥」は、秋に日本に渡ってきて冬を越し、春には子育てのためにシベリアなど北の国に戻ります。

春先に見られる北国の曇り空をさす「鳥曇(とりぐもり)」、鳥の群れの羽ばたく音を風の音にたとえた「鳥風」という言葉も、春の季語です。



[卯月の季語]
告天子(こうてんし)
日本では河原や畑で広く見られる鳥、ヒバリの別名。春に繁殖期を迎えると雄がさえずり声を響かせながら、空高く舞い上がります。その声の美しさから、中国では鳥の鳴き声を競う「鳴き合わせ」 に使われ、広く愛されています。

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虹始見 にじはじめてあらわる|第15候

虹始見──4月15日~19日
【旧暦】
──2月28日~3月3

春の雨上がり、空に虹がかかる

七十二候では、この日から「虹始見(にじはじめてあらわる)」になります。

晩春に静かにやわらかく降る春雨は、草木の芽を膨らませ花を咲かせます。雨上がりに虹が空にかかるようになるのが、この時季です。いまから夏にかけて、夕立の後などに虹が見られるようになります。



[卯月の季語]
面影草(おもかげぐさ
晩春に野山を黄金色に染める山吹は、『万葉集』など多くの和歌にも詠まれてきました。その古名「面影草」は、思い合いながらも別れることになった恋人たちがお互いの面影を鏡に映し、それを埋めたところ、山吹が生えたという伝説にちなんでいます。

Andrew Sproule / Getty Images

和暦コラム|燕

いつかの春、近所にある小さな個人スーパーが建替え工事に入りました。このスーパーマーケットの入り口には毎年にぎやかになる燕の巣があって、ともすると迷い込んだ子燕が店内をぐるぐると飛んで、お客さんの笑いを誘ったりしていたのですが、その年はどうするのか。はるばる海を越えてやってきた燕はがっかりするだろうなと気になったことがありました。

燕は気温に関係なく、日照時間の長さを感知して渡りを開始するため、年によるずれが少ないといわれています。七十二候でも春の「玄鳥(つばめ)至る」と秋の「玄鳥帰る」が、対になった季節のめやすとして取り入れています。

ところで、燕は毎年、どうやって元の巣へ戻ってくることができるのでしょうか。東南アジアやオーストラリアから数千キロもの飛行を続ける燕たちは、集団ではなく、それぞれに渡りのときを判断し、一羽ずつ、海面すれすれに飛んでくるのだそうです。想像もつかない数の燕が、単独で、海の上を走るように飛んでいるのですね。渡りの時の平均時速は50〜60キロだそうですから、それだけでもかなりのスピードですが、天敵から逃れるときなどは時速200キロという驚異的な翼の持ち主です。まさに、めにもとまらぬ速さ、です。

燕の飛行には、太陽が重要な役割を果たしています。毎年ほぼ同じ季節に飛び立つので、昼間の太陽の位置から自分の目的地の方向を見定め、陸に近づくと見覚えのある山や川の地形を確認しながら、元の巣へ辿り着くのだそうです。つがいの場合も単独行動で、オスが2〜3日早く到着し、メスは後から到着します。オスは先に古巣の無事を確認し、メスを待っているというわけです。

元の巣がある場合は1日か2日で素早く修復し、すぐに産卵の準備に入りますが、古巣がなくなったり、他のつがいに占有されていた場合には、オスは必ず巣があった場所の近くでメスの到着を待ち、力を合わせて新たに作り直すことになります。燕の巣作りには、枯れ草と湿った土が必要です。近頃はアスファルトの道路やコンクリートで河川の護岸が固められ、泥や枯れ草も集めにくくなっているため、古巣を補修して使うケースが多いのだそうです。

何度もいうようですが、日本の春は、雨がつきもの。雨が降る度に、草木が喜んでいるかのようです。「穀雨」ともいうように、この雨は順当に苗を育て、燕たちにほどよく湿った泥を提供してもいるのだなあ、と思いながら、春の雨を楽しんでいます。

暦生活「和暦コラム by 高月美樹」より

Courtesy Image / Hearst Owned

二十四節気とは

太陽が1年でひとまわりする道を「黄道」といいます。

二十四節気は、太陽が真東から昇り、真西に沈む「春分」を起点に、黄道を24等分したもの。

1年を約15日ごとに区切り、「立春」をスタートに、「雨水」「啓蟄」「穀雨」など、刻々と変化する自然を漢字2文字で表現しています。

春夏秋冬の区切りを意識させてくれる言葉として、時候の挨拶や手紙の書き出しにも使われます。

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七十二候とは

二十四節気をさらに3つに分け、約5日ごとに名前をつけたもの。

七十二候は、もともと古代中国で生まれたものといわれています。やがて日本に渡り、江戸時代の暦学者が、日本の気候に合わせて改訂しました。

気候は地域やその年によって違いますが、四季の風情を楽しむ目安になってくれることでしょう。

監修・協力

高月美樹
たかつきみき●和暦研究家。婦人画報付録のダイアリーの暦全般と月の満ち欠けを監修。旧暦手帳『和暦日々是好日』を毎年制作・発行し、日本古来の知恵や美意識を生かした暮らしを提案。 LUNAWORKS主宰。

桂 裕子
かつらゆうこ●
茶道裏千家正教授。季語と季節の銘を監修。東京・大田区にて茶道教室を主宰。小学館『にっぽんの図鑑』でも「ちゃのゆのこころ」部分などを監修。TVCM監修、ベラルーシをはじめ国外数カ国での茶道講習、紹介も行う。

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