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「またやってるよ」歯磨き粉のキャップを閉めない彼。我慢出来なかった私が取った行動とは【短編小説】

  • 2026.4.5

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

彼の直らない習慣

朝、洗面所に向かうたびに私の溜息は止まりません。

鏡の横に置かれた歯磨き粉のチューブが、今日も無惨な姿になっていたからです。

同棲している彼は、とにかく大雑把。

歯磨き粉を後ろから絞り出すという概念がないらしく、いつも真ん中を力任せに握り潰して使います。

それだけならまだしも、一番許せないのが「キャップを閉めない」こと。出し口の周りでカピカピに固まったペーストを見るたび、私のストレスは限界まで溜まっていました。

「ねえ、また開けっぱなしだよ。ちゃんと閉めてって言ってるじゃない」

そう注意しても、彼は「ごめんごめん、次から気をつけるよ」と軽い返事をするだけ。

その「次」が訪れたことは、これまで一度もありませんでした。

そんなある日、私は自分へのご褒美に、ずっと欲しかった一本三千円もする高級な歯磨き粉を買いました。

美白効果が高く、ミントの香りも上品で、使うたびに気分が上がる大切なアイテムです。

しかし、翌朝。

洗面台にあったのは、彼の強力な握力によってグニャリと変形し、キャップも外されたまま放置された私のお気に入りの姿でした。

中身が少し乾燥して変色しているのを見た瞬間、私の中で何かがぷつりと切れました。

私の決断

「もう、言葉で言っても無駄なんだわ」

私はその足で近所のドラッグストアへ向かいました。そして、ワゴンセールで売られていた一番安い、大容量の歯磨き粉を一つ手に取りました。

帰宅した私は、洗面台に二つの歯磨き粉を並べました。そして、彼が帰宅した瞬間に宣言したのです。

「今日から、あなた専用の歯磨き粉はこれ。好きなだけ真ん中から潰していいし、キャップも一生閉めなくていいよ。その代わり、私の高級なやつには二度と、一ミリも触らないで。もし触ったら、本気で怒るからね」

私のあまりに冷ややかな声に、彼は圧倒されたようで「わ、分かった……」と小さく頷きました。

それ以来、私たちの洗面所には二つのチューブが並んでいます。彼の方は相変わらずボロボロの姿ですが、私の方は美しい形を保ったまま。

小さなことかもしれませんが、これだけで私の朝の平穏は守られました。価値観の違う相手と暮らすには、歩み寄るよりも「徹底的に分ける」ことが正解な場合もあるようです。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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