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「ただの風邪」と思ったら“はしか”だった…見分けるポイントは「目」にあり?  “受診時のNG行為”とは

  • 2026.3.30
はしかと風邪の違いは?(画像はイメージ)
はしかと風邪の違いは?(画像はイメージ)

全国ではしかに感染する人が相次いでおり、自治体が注意を呼び掛けています。はしかは感染力が極めて強いため、注意が必要です。

ところで、はしかと風邪には共通点があるといわれており、「風邪だと思っていたら、実ははしかだった」というケースもあります。はしかと風邪は何が違うのでしょうか。はしかを疑った方がよい症状や、医療機関を受診する際の注意点などについて、豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック(東京都江東区)院長で認定内科医、糖尿病専門医の澤口達也さんに聞きました。

目の症状に要注意

Q.そもそも、はしかに感染する原因について、教えてください。感染力はインフルエンザの10倍以上という情報もありますが、本当なのでしょうか。また、海外渡航歴がない人でも感染するケースが増えているようですが、どのような原因が考えられますか。

澤口さん「はしかは、麻疹ウイルスに感染することで起こる急性の全身感染症です。感染経路は空気感染、飛沫(ひまつ)感染、接触感染で、特に空気感染する点が大きな特徴です。厚生労働省も、免疫がない人が感染するとほぼ100%発症するほど感染力が非常に強い感染症だとしています。さらに、発疹が出てからではなく、発症前から周囲にうつす可能性があるため、気付かないうちに感染が広がりやすい病気です。

『インフルエンザの10倍以上の感染力』という表現は、厳密には単純比較しにくい面はありますが、大筋では“かなり強い”と理解してよいと思います。1人の感染者が免疫のない集団に何人感染させるかを示す数値である『基本再生産数』は、麻疹で12~18、インフルエンザは約1〜2であり、極めて強力です。飛沫感染や接触感染だけでなく、ウイルスが空気中を漂う『空気感染』を起こすため、同じ空間にいるだけでも感染するリスクがあります。

また、海外渡航歴がない人の感染が増える背景としては、まず海外で感染した人が国内に持ち込み、その後、家族内、医療機関、職場、学校、不特定多数が集まる施設などで二次感染が起こることが挙げられます。

厚生労働省は2023年以降、国外での流行に伴って輸入症例が増えている一方、海外渡航歴のない症例も報告されているとしています。2026年の感染症週報でも、国内感染例が見られること、さらにイベントや多人数が集まる環境をきっかけとした感染拡大が懸念されることが示されています。

加えて、麻疹は手洗いやマスクだけでは十分に防げないため、感染者が1人出ると周囲へ広がりやすいのも問題です。地域によってはワクチン接種率が十分でない層や、接種歴が不明な成人層が残っており、そこに輸入症例が入ることで国内感染が起きやすくなります」

Q.風邪とはしかの症状の違いについて、教えてください。ネット上では「風邪とはしかは似ている症状もある」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。

澤口さん「はしかは、初期には発熱やせき、鼻水、目の充血など、いわゆる風邪に似た症状で始まるため、最初は見分けにくいことがあります。ただし、はしかはその後、いったん出た熱が少し下がった後に、39度以上の高熱が出る『二峰性発熱』と同時に全身に赤い発疹が出てくるのが大きな特徴です。

つまり、単なる風邪のように軽く経過するのではなく、高熱と全身の発疹を伴って悪化していく点が重要です。

さらにはしかでは『結膜充血が強い』『目やにが出る』『まぶしさを感じる』といった結膜炎症状が目立つことがあります。また、口の中の頬の粘膜に『コプリック斑』という白い小さな斑点が出ることがあり、これははしかを疑う重要な手がかりです」

Q.では、どのような症状が出たときにはしかを疑った方がよいのでしょうか。

澤口さん「はしかを疑うべきなのは、まず発熱、せき、鼻水、目の充血といった症状があり、その数日後に39度以上の高熱や発疹が出てきた場合です。特に、風邪だと思っていたのに、熱が下がらず、むしろ強い発熱と発疹がそろってくるときは要注意です。

加えて、口の中のコプリック斑、強い倦怠(けんたい)感、結膜充血がある場合、医師ははしかの可能性をより疑います。

最近は海外渡航歴がなくても国内感染例が報告されているため、『海外に行っていないからはしかではない』とは言い切れません。『周囲で患者報告がある地域にいた』『空港、商業施設、医療機関、イベント会場など人の多い場所にいた』といった接触状況も判断材料になります。

ワクチン接種歴があっても、1回しか接種しておらず免疫が不十分な場合や時間経過とともに免疫が落ちている場合があります。こうした人がはしかに感染した場合、症状が軽めに出ることがあります。これを修飾麻疹と言います。

こうしたことから発疹や発熱、感冒様症状がそろわなくても、流行状況や接触歴によっては、はしかを疑う必要があります」

受診時にやってはいけないことは?

Q.もしはしかの疑いがある場合、すぐに医療機関を受診した方がよいのでしょうか。受診時の注意点や、放置した場合のリスクも含めて教えてください。

澤口さん「麻疹が疑われる場合は、受診自体は早めに検討すべきです。ただし、ここでやってはいけないのは、連絡せずにいきなり医療機関へ行くことです。厚生労働省は、発熱や発疹など、はしかを疑う症状がある場合、まず医療機関へ電話で『はしかの疑いがある』と伝え、受診の要否や受診方法の指示を受けるよう案内しています。

受診が可能だった場合、移動時はマスクを着用し、可能な限り公共交通機関を避けることが大切です。これは、待合室や移動中に他の人へ感染を広げるリスクが高いためです。

放置するリスクは、本人の重症化と周囲への感染拡大の両方です。はしかは肺炎や中耳炎を合併しやすく、約1000人に1人で脳炎、先進国でも約1000人に1人が死亡するとされる感染症です。さらに、ごくまれではありますが、数年後に『亜急性硬化性全脳炎(SSPE)』という重い神経合併症を起こすこともあります。

従って、はしかは『少し強い風邪』と軽く考えてはいけません。高熱や発疹、せき、鼻水、結膜充血がそろった場合や、流行地域、患者との接触の可能性がある場合は、早めに電話で医療機関に相談することが重要です。早期に疑って行動することが、本人を守るだけでなく、家庭内や地域での感染拡大を防ぐことにもつながります」

Q.はしかの感染をできるだけ防ぐにはどのような対策が有効なのでしょうか。

澤口さん「はしかの感染を防ぐための対策についてお答えします 。最も有効かつ、ほぼ唯一と言える確実な対策は『ワクチン接種』です。

先述のように、はしかのウイルスは空気感染するため、一般的な手洗いやうがい、不織布マスクの着用だけでは完全に防ぐことができません。ご自身の母子手帳などを確認し、ワクチンを『2回』接種していない場合や、ご自身の接種記録が不明な場合は、医療機関で抗体検査を受けるか、ワクチンの追加接種をご検討いただくことが最大の防御となります」

オトナンサー編集部

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