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「おい」と呼ぶだけの王様だった父が、母の入院で一変!「リモコンすら取らなかったのに」退院の日、なんと

  • 2026.3.28

筆者の家族の話です。
家では王様のようだった父が、母の入院をきっかけに変わりました。
父が母に差し出した一杯のお茶が、家の空気を少しだけ動かしたのです。

画像: 「おい」と呼ぶだけの王様だった父が、母の入院で一変!「リモコンすら取らなかったのに」退院の日、なんと

父は王様

父は、家では王様のような存在でした。
目の前のリモコンさえ自分では取らず「おい」と声をかければ母が動く。
それが当たり前の光景でした。
家事はすべて母が担い、父は座ったまま新聞を広げるだけ。
私にとっても、それが長年変わらない実家の風景でした。

母の入院

ある日、母が急病で入院することになりました。
父ひとりでは暮らせないと判断し、私は実家から会社に通う生活を始めます。
しかし私の仕事はシフト制で、時間は不規則。
仕事の疲れを抱えながら、食事の準備や洗濯、生活の段取りを整える日々が続きました。
正直に言えば、家事をやってもらって当然としてきた父への不安と、自分の負担の重さに心が折れそうになる夜もありました。

作り置きを温めてもらうだけでも不安がありましたし、着替えやお風呂の準備も、自分でできるのか半信半疑。
帰宅すると、テーブルには手をつけられていないままの作り置きが残っていた日もありました。
そのたびに、思わず小さく息を吐きます。

そんなある日、帰宅すると、食べ終わった後の皿が流しに置かれていました。
さらに雨の日には、取り込まれた洗濯物がきちんと畳まれていたのです。
端が少しズレたタオルの山を見て、父が慣れない手つきで家事に向き合ってくれたのだと胸が熱くなりました。
言葉にすることはありませんが、流しに置かれた皿や畳まれた洗濯物が、父の変化を静かに教えてくれていました。

お茶を差し出したのは

そして、母は無事に退院。
荷物の整理をしていた時、ふと気配を感じて振り向きました。
私の横に座っていた母に、父がお茶を差し出していたのです。

「熱いから気をつけろよ」
ぶっきらぼうな声でしたが、その手つきはどこかぎこちなく、そしてやさしく見えました。
以前の父なら、母に頼んでいたはずの場面です。

「ありがとう」
母は少し目を丸くして、でもうれしそうにお茶を受け取り、口に含むと、ホッと一息つきました。

少しの変化

母の入院は、家族にとって大きな出来事でした。
それ以来、父が「おい」と呼ぶ声は、少し減りました。
私もまた、父が「できない」のではなく「やり方を知らなかっただけなのだ」と気づくことができました。

あの時間があったからこそ、父が自分で動く姿を見ることができたのだと思います。
王様だった父が母にお茶を差し出したあの日から、わが家の形は、ほんの少しだけ変わりました。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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