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最期の時間を家族と一緒に。父娘で母の介護中、弱った母に父がかけた意外な一言とは?【著者インタビュー】

  • 2026.3.25

【漫画】本編を読む

母親の余命がわずかと知った瞬間から看取りまでを描いたキクチさんのコミックエッセイ『20代、親を看取る。』(KADOKAWA)。そしてその2年後、今度は一緒に母を看取った父が自宅で倒れ、緊急搬送されてしまう。なんとか一命は取り留めたものの、倒れた原因は不明。ICU(集中治療室)に即入院することが決まり、キクチさんはまたもやさまざまな対応に追われることとなる。介護の申請から延命治療の有無まで対応するのは自分ひとりだけ。そんな顛末をまとめた『父が全裸で倒れてた。』(KADOKAWA)が2026年2月に刊行された。

誰もがいずれは経験することになる親との別れ。この2冊には親の不調と付き合うことへのメンタルの変化から、普段離れて暮らす親に変事があった時の対応方法まで多岐にわたる事柄が描かれている。看取りや介護の中で大変だったことや役に立ったこと。そして、キクチさんにとって困難を漫画にしていくことにどういう意味があったのか話を伺った。

――セカンドオピニオン先で、お母さまの状態について説明がしっかり受けられたことで、病院ではなく、ご自宅で家族の時間を過ごそうと決められましたね。訪問看護師や訪問介護士といった方々の助けを借りながら、お父さまと2人でお母さまの介護をされていたわけですが、介護をしている中で見えてきたお父さまの意外な一面はありましたか?

キクチさん(以下、キクチ):母の弱ってしまった姿を見て父が「かわいい、かわいい」とずっと言っていたことですね。アネゴ肌というかしっかりした母だったので、そんな母が人に頼る姿を見て、少女みたいでとてもかわいいって。夫婦仲はよくないと思っていたのですが、父は心の底では母を愛していたんだなというか。そんな感情をまだ持っていたんだと驚きました。

――本作を読んで、お父さまとお母さまはすごく仲のいいご夫婦だったのだろうと思っていました。

キクチ:父がすごくお酒が好きで、酔うと手に負えないところがあるんです。母がそれに呆れて、一緒に過ごす時間は少なかったと思いますし、ケンカや言い争いもしていました。ただ不思議なのが、私の受験の時とか、何かあるとすごく一致団結するんですよね。家族旅行も楽しく行っていましたし、プライベートは仲悪いのに家族としての運営は円滑というか。父も「お互い干渉しない3人家族だけど、大事な時は絶対一致団結するのが俺らのいいとこだよな」みたいに言っていて。「そんなに普段のことを棚に上げていいんだろうか」と思いながらそれを聞いていましたね(笑)。

――キクチさんとお父さまとの仲はどうでしたか? なんとなく娘と父ってあまり会話する機会もないので、お母さまのご病気をきっかけに深く話すことが増えたりしたのかなと思ったのですが。

キクチ:それがずっと仲がいいんですよ。結構驚かれるのですが、私が高校生の時に2人で海に行ったこともあります。仕事の相談もするし、以前から割となんでも話す間柄でした。

取材・文=原智香

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