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ウインカーの点滅が異常に速い30代男性→実は球切れではなかった…見落としていた“意外な原因”

  • 2026.4.30

 

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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

こんにちは。元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

ウインカーの点滅が急に速くなると、「電球が切れたのでは?」と不安になりますよね。実はこの症状、“球切れではない原因”で起きることも増えています。しかも放置してしまうと、故障よりも別のリスクにつながる可能性も。

今回は、整備の現場で実際に対応した事例をもとに、意外な原因と見落とされがちな注意点を解説します。

点検依頼で分かった「全部点いているのにおかしい」違和感

車検前点検で国産車を入庫された、30代男性のお客様のケースです。普段からご自身で簡単なカスタムもされる方で、その日もこんなご相談を受けました。

「ウインカーがやたら速くて。球切れかと思ったんですけど、全部点いてるんですよね」

実際に確認すると、確かに前後ともに正常に点灯していますが、点滅スピードだけが明らかに速い、いわゆる“ハイフラ”の状態でした。

「バルブをLEDに替えたんですけど、それが原因ですかね?」

この一言で、原因はほぼ特定できました。

LED化で起きる“正常なのに異常扱い”の仕組み

今回の原因は、LEDバルブへの交換による消費電力の変化です。従来のハロゲン球に比べて、LEDは消費電力が小さく、配線に流れる電流も少なくなります。つまり、電装系への負荷という意味では“むしろ軽くなる”のが基本です。

ではなぜハイフラが起きるのかというと、車両側の仕組みに理由があります。ウインカーの点滅は、一定の電流が流れることを前提に制御されています。もともとは「電球が切れて電流が減った場合に、ドライバーに異常を知らせる」ため、あえて点滅速度を速くする仕組み(ハイフラ)が採用されています。

LEDに交換すると、正常でも電流が少なくなるため、車両側が「球切れ」と誤認識してしまうのです。この状態自体がすぐに故障につながるわけではありません。実際、ハイフラを放置したことでコンピューターが壊れるといったケースは基本的に考えにくく、リレー搭載車であれば、リレー自体も数千円程度で交換可能な部品です。

しかし問題は“別の部分”にあります。

放置のリスクは「故障」ではなく「安全性と法令」

今回のお客様にもお伝えしたのは、「このままだと車検に通りません」という点でした。

ウインカーの点滅速度は保安基準で定められており、ハイフラ状態は不適合となります。つまり、

  • 車検NGになる
  • 整備不良として指摘される可能性がある

といったリスクがあります。

さらに見逃せないのが、安全面です。通常より速い点滅は、周囲のドライバーや歩行者に誤解を与える可能性があり、判断の遅れや事故リスクにつながりかねません。

今回のケースでは、抵抗追加またはICリレー交換(数千円程度)で解決可能でした。つまり、金額的なリスクは大きくないものの、“対応を後回しにすることで不利益が積み重なるタイプ”のトラブルと言えます。

【どうすればよかったのか】

  • LEDバルブ交換時に適合確認を行う
  • ハイフラが出た時点でそのままにしない
  • 必要に応じて抵抗や専用リレーを併用する

【予防策】

  • 車種対応のLED製品を選ぶ
  • 交換後は必ず点滅速度を確認
  • 不安があれば整備士に相談

「点いているから大丈夫」と思いがちなウインカーですが、実は“正しく点滅しているか”が重要です。今回のお客様も、対応後に「これで安心して車検に出せます」とホッとされた様子でした。小さなカスタムでも、車との相性を理解することが大切です。

見た目や利便性だけでなく、安全性とルールも意識したカーライフを心がけたいですね。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り、約8年間整備に従事。メーカーで現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


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