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「走っているときは普通なのに」信号待ちで車が“ガクガク”…プロが警告する、放置すると「10万円超の出費」になるサイン

  • 2026.4.28
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

こんにちは。元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

信号待ちで突然エンジンがガクガクと揺れ、「このまま止まるのでは」と不安になった経験はありませんか?こうした症状は大きな故障を疑いがちですが、実は“ちょっとした原因”で起きていることも少なくありません。しかし、そのまま放置してしまうと、思わぬ高額修理へ発展するケースも。今回は実際にあった事例をもとに、その原因と対処法を分かりやすく解説します。

信号待ちで突然の振動「これ、壊れてますよね?」

「最近、信号待ちで車がガクガクするんです。エンジン、もうダメですかね?」

来店されたのは30代の男性。少し不安そうな表情でそう切り出しました。話を聞くと、症状は数週間前から。特にエアコンをつけているときに振動が強くなるとのことでした。

「でも、走っているときは普通なんですよ。だから様子見してたんですけど」

この“様子見”が、実はよくある落とし穴です。点検してみると、エンジン本体に異常はなく、故障コードも記録されていません。原因として浮かび上がったのが、スロットルボディ内部の汚れです。一見すると大きな問題ではないように思えますが、これが振動の引き金になっていました。

小さな汚れが大きな振動に変わり、悪化していく仕組み

スロットルボディは、エンジンに入る空気の量を調整する重要な部品です。しかし長く乗っていると、内部にカーボン汚れが蓄積していきます。この汚れが増えると、空気の通り道が狭くなり、アイドリング時の空気量が少なくなります。すると、回転数を保とうとしてコンピューター(ECU)が細かく調整を繰り返しますが、これが追いつかなくなると「ガクガク」とした振動が発生します。さらにエアコンをONにすると、エンジンにかかる負荷が増えるため、症状がより顕著に現れるのです。

問題はここからです。この状態を放置すると、振動がエンジンマウント(エンジンを支えるゴム部品)に負担をかけ続けます。本来であれば、初期段階でスロットル清掃を行えば1〜2万円程度で済む作業。しかし放置した結果、マウントの劣化や亀裂が進行すると、交換が必要になり、修理費用は数万円から場合によっては10万円を超えることもあります。

違和感を抱いたときがベストタイミング

今回のお客様も、「もっと早く来ていればよかったですね」とおっしゃっていました。幸い、このケースではマウントまではダメージが進んでおらず、スロットル清掃のみで症状は改善しました。

では、こうした事態を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。まず大切なのは、「アイドリングの違和感は初期サイン」と認識することです。止まりそうになるほどでなくても、「いつもより振動が大きい」「回転数が不安定」と感じた時点で、一度点検を受けるのが理想です。

また、定期的なメンテナンスも有効です。スロットルボディは消耗品ではありませんが、汚れは確実に蓄積していきます。車検や定期点検のタイミングで清掃を検討することで、トラブルを未然に防ぐことができます。さらに、エアコン使用時に症状が強く出る場合は、より注意が必要です。負荷がかかった状態で不調が出るのは、バランスが崩れ始めているサインとも言えます。

「まだ走れるから大丈夫」と思ってしまいがちですが、その“まだ”のうちに対処することが、結果的に大きな出費を防ぐことにつながります。小さな違和感こそ、車からの大切なサイン。見逃さず、早めの対応を心がけたいところです。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン自動車整備士・二級ジーゼル自動車整備士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り約8年間整備、メーカーで現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。 年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


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