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このゲームに正解はない 避難所で実際に起きたことが次々と…医療ケアは?盲導犬は?

  • 2026.3.23

多様な視点から考える避難所運営のあり方を見つめます。
函館市内の病院で行われた防災に関する講座には、医師や看護師など、約30人が参加しました。チームに分かれ、熱心に意見を交わしています。

参加者が行っているのは『Doはぐ』というボードゲームです。
カードを避難者に見立てて、どのように避難所を運営していくのかが話し合われています。

【特集】“じぶんごと”防災

連載「じぶんごとニュース」

最初のケースは、「しらかばさん」。
「女性93歳・男性92歳・男性66歳、車で避難してきた父は認知症で病院で処方された薬が少ない」という課題が設定されています。

避難所を運営する当事者として次々に発生する課題をチームで解決していくことで、災害が起きた時の避難所運営に生かしていこうというものです。

カードには、これまでの災害で実際に起きた事例をもとに、避難所を訪れる人の要望や避難所で起こる不測の事態などが記載されていて、どれだけスムーズに運営できるかが鍵となります。

現場で起きるリアルな悩みが次々…

Sitakke

例えば「すずらんさん」のケースでは、夫婦とも全盲の鍼灸師と長男の3人家族が登場します。

夫は盲導犬を連れ、妻は白杖を使っています。

「盲導犬、あ…。盲導犬、どうしますか、盲導犬」
「1階のまだ空いてる部屋は…」

参加者からは戸惑いや相談の声が上がります。

しだいに増えていく避難者たち。
受け入れている最中には、トラブルも起こります。

「配膳や掃除の役割を女性ばかりに押し付けられて困っています」

参加者は「そんなつもりはなかった、役割分担を決めましょう…」と、その場での調整に追われます。

さらに、メディアからの対応も迫られます。
ゲーム上のBHBテレビから「避難所の様子を全国に生中継したいのですが、どなたかにインタビューしてもいいでしょうか?」という依頼が…。

「ええっ!?今はだめだと思う」
「でも取材を受けた方が物資が来る、そういうのもある」

意見が分かれる場面もありました。

訪れる避難者の人数が増えれば増えるほど発生する不測の事態にどう対応すべきか、参加者たちは次々と判断に迫られます。

医療ケアが必要な子と避難

Sitakke

今回のゲームの参加者はふだん医療の現場に立っています。
そういった視点から、障害のある人や妊娠している人などの「要配慮者」をどう扱うべきかの議論が交わされていました。

参加した看護師は「障害児・生活介護施設の看護師だけど、よその人もいることがわからないし、ちょっと声出したりとかしたら、そういう皆さん疲れているところには連れていけない」と、現場を知るからこその懸念を口にします。

障がい者生活支援センターの相談員は「例えば身体障害・目が見えない・盲導犬連れている人だとか、実際こういった集団で生活する場所、暮らす場所は合っているのかは、きっと、みんなが考えなきゃならない」と指摘します。

今回の講座には、「18トリソミー症候群」という遺伝子疾患がある自分の子どもと一緒に参加した女性もいました。
お子さんは普段からほぼ寝たきりで、食事も栄養を鼻からチューブで取っている状態です。

こうした「医療的ケア児」と呼ばれる人が避難所で生活する難しさを、女性は改めて感じていました。

「なかなかやっぱり避難所に行くことは難しいかなと思う」

さらにこう続けます。

「医療ケアは衛生面が大事だから、洗ったりすることも大事になってくる。電源と水の確保が大事だと思って、飲料水もふだんから2週間分くらいは用意していたけど、もうちょっと倍ぐらいは、長期間で生活できるぐらいの準備が必要だなと」。

正解がない問いに向き合う

Sitakke

ほかにもゲームではさまざまなケースが想定されています。

例えば「はくちょうさん」42歳。
妻と父親の3人で避難してきた想定です。

妻は新型コロナウイルスかインフルエンザの疑い。
マスクをしておらず、マスクを欲しがっています。

避難所は学校の体育館で、校舎も使えるという設定です。

考えられる対応としては、空いている教室で過ごしてもらう、車で来たなら準備が整うまで車内で待機、あまりにも混雑している場合は帰宅してもらうなどがありますが、正解はありません。
状況に応じて、臨機応変の対応が求められます。

続いて、このようなケースも提示されました。

Sitakke

「近所のモリモリ食品から非常食20人分を提供してもらいました。ただし人数分そろっていません。不足しています。どうしたらいいでしょうか」

考えられる対応としては、みんなで等分する、子どもや高齢者などに優先して提供する、混乱を避けるため全く提供しないなどの対応が挙げられます。

これらはいずれの場合も実際にあったケースをもとにしているということです。
さらに実際の避難所ではこれらの課題がひとつずつではなく、同時に起こることもありえます。

災害時、多様性に配慮した避難所を実現させるためにも、事前にできる限りの情報を共有し、みんなで準備しておくことが求められています。

【特集】“じぶんごと”防災

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年3月10日)の情報に基づきます。

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