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子どもに暴言を吐きお金をせびる母。働かず女遊びばかりの父。救いようのない毒親の姿を通して、親と子、そして結婚について教えてくれること【書評】

  • 2026.3.23

【漫画】本編を読む

結婚はもちろん、最終的に本人たちが決断してするものだが、そこには必ず両家の家族や親族との「関わり」が生まれる。例えば嫁と義母との確執をテーマにした作品が多いのは、その「関わり」が、互いに結婚する前と後で想像していたものと違うことが多いからなのだろう。結婚生活の存続すら危うくなることもある。『毒親育ちの結婚』(高嶋あがさ/竹書房)は、問題だらけの両親に育てられた姉弟の苦悩と葛藤を描いたコミックだ。

主人公・望は漫画家で、生活の足しにとアルバイトもしている独身アラフォー女性。友人と出かけるだけなのに「男遊びばかり」と学生時代になじられ、社会人になった今はお金をせびってくる母親と、家庭を顧みず女遊びばかりの父親がいるゴミ屋敷の実家で育った。そんな両親を見ているため夢も希望も持てず生きてきたある日、同じ屋根の下で育った弟が結婚するという。彼は結婚相手とその両親に母親を会わせたくないため、望が顔合わせに出席し、出産後に病院に行くなど、人前に出せない母親の代わりを仕方なく務めていた。

本作の特徴のひとつは、望の視点と、望の義妹(弟の妻)の視点で描かれることだ。義妹の家庭環境は全く逆で、厳格な両親に育てられているために、夫の父親のボロボロの靴や手入れをしてない歯を見て幻滅し、挙句の果てにこの結婚は失敗だったのではないかという不安を持ってしまう。望の視点と義妹の視点で見る毒親ぶりにはフィクションとはいえゾッとした。

本人同士の問題と言っても、両親や親族とはなんらかの関わりは必ず持たなければならないのが結婚だ。親側、そしてもちろん子ども側も、互いにどんな関わり方がベターなのかを考えさせてくれる。そして子どもの未来を閉ざす存在は絶対に親と名乗ってはいけないということを教えてくれる作品だ。

文=nobuo

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