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日焼け止めだけでは足りない?紫外線ダメージにビタミンCが必要な理由

  • 2026.3.20

紫外線対策といえば日焼け止めが常識ですが、近年の研究では紫外線による「光老化」は、肌老化の原因のひとつとして大きく関与すると考えられています。

紫外線は完全には遮断できず、侵入した光によって発生する活性酸素は真皮にまで影響し、シミだけでなくハリ低下によるたるみや小ジワの進行にも関わります。

ビタミンC研究に携わり、自身も被験者として研究に参加した経験を持つ、近畿大学非常勤講師・農学博士の大貫宏一郎氏監修のもと、ビタミンCの役割や日焼け止めだけでは補いきれない理由について解説します。

紫外線による肌老化「光老化」とは

紫外線は日焼けだけでなく、肌老化にも関わることが知られています。紫外線による老化現象は「光老化」と呼ばれ、シミやシワ、たるみの原因になります。

紫外線が引き起こす光老化

紫外線にさらされることで皮膚がダメージを受け、シミやシワ、たるみなどの老化現象が進む状態は「光老化」と呼ばれます。

紫外線による刺激をきっかけに発生する活性酸素や炎症などが関与すると考えられ、日常的に紫外線を浴びることで、気づかないうちに肌ダメージが蓄積していく可能性があります。

紫外線UVAとUVBの違い

紫外線には主にUVAとUVBがあります。UVAは波長が長く真皮まで到達することが知られており、UVBは肌表面で炎症を起こし赤くなる日焼けの原因になります。

UVAによるダメージは、真皮にコラーゲンやエラスチンが存在するため、ハリ低下や小ジワなどの肌老化に関与すると考えられています。

このように紫外線による肌ダメージは、活性酸素の発生、メラニン生成、炎症反応など複数のメカニズムが関係していると考えられています。

紫外線ダメージにはやっぱりビタミンCが効果的?

紫外線による肌ダメージの対策として、ビタミンCの働きが注目されています。光老化との関係から、ビタミンCの役割を紹介します。

光老化とビタミンCの関係

光老化はビタミンCのみで完全に予防や回復をするわけではないですが、一定の役割があるという研究がいくつか出されています。

ビタミンCは予防と回復、どちらに効く?

ビタミンCは予防と回復の両方に働くと言われています。

シミやそばかす、くすみの原因となる「メラニン」は、チロシナーゼという酵素の働きによって作られます。ビタミンCには、このチロシナーゼの働きを抑える作用があるとされています。

さらにビタミンCには、すでに生成されたメラニンを還元(酸化とは逆の反応)する働きもあります。メラニンの色を薄くする方向に働くため、シミの予防だけでなく、できてしまったメラニンへのケアにも関与すると考えられています。

また、紫外線ダメージはメラニン生成だけでなく、活性酸素の発生による酸化ストレスの影響もあります。

UVAによる真皮ダメージにビタミンCは効く?

UVAは波長が長く、肌の奥にある真皮まで到達する紫外線です。真皮にはコラーゲンやエラスチンが存在するため、UVAによるダメージはシワやたるみなどの肌老化に関与すると考えられています。

このような紫外線による酸化ダメージの対策としてビタミンCが注目されています。ビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、紫外線によって発生する活性酸素を除去する働きがあります。

活性酸素は炎症や細胞ダメージの原因となるため、抗酸化作用は紫外線による肌ダメージの抑制につながると考えられています。

またビタミンCはコラーゲン合成に必須の栄養素でもあり、紫外線ダメージを受けた皮膚の修復や肌のハリを保つ働きにも関与します。

このように紫外線による肌ダメージは、メラニン生成、活性酸素の発生、炎症反応など複数のメカニズムが関係していると考えられています。

紫外線の影響 主な結果 関与するもの メラニン生成 シミ・そばかす チロシナーゼ 活性酸素(酸化ストレス) シワ・たるみ・シミ コラーゲン分解、メラニン生成促進 炎症反応 赤み・色素沈着 UVBダメージ

朝のビタミンCは日焼けする?のウソ

「ビタミンCを朝に摂ると日焼けしやすくなる」という話を聞いたことがあるかもしれません。

しかし、一般的な食事やスキンケアでビタミンCを取り入れることが、紫外線による日焼けを直接促進するという科学的根拠は確認されていません。

この誤解の背景には、ビタミンCが含まれるレモン、グレープフルーツなどに入るソラレンという成分によるものと考えられます。ソラレンは光感受性物質で紫外線の影響を高める可能性がありますが、ビタミンCとは異なる物質で、日焼けするのは全くの誤解です。

緊張やストレス時は「ビタミンC」を摂るといい理由

次:ビタミンCはいつ摂る・塗ると効果的?

ビタミンCはいつ摂る・塗ると効果的?

紫外線対策としてビタミンCを取り入れる場合、摂取するタイミングやスキンケアの順番が気になる人もいるかでしょう。内側からの摂取と外側からのスキンケアでは、取り入れ方のポイントが異なります。

食事やサプリメントは日常的に摂取する

ビタミンCは水溶性ビタミンで体内に蓄積しにくい特徴があります。摂取後に比較的早く体外へ排出されるため、1度に大量に摂るよりも日常的に摂取することが推奨されています。

食事やサプリメントで継続的に取り入れることが、体内のビタミンCを保つ方法です。

ビタミンC美容液は朝のスキンケアで使用

ビタミンC配合の美容液は、朝のスキンケアで使用して大丈夫です。朝に塗ることで日焼けしやすくなるという科学的根拠はありません。

洗顔後、化粧水で肌を整えたあとに美容液を使用し、十分になじませてから日焼け止めを重ねましょう。

ビタミンCは1回どれくらい・1日何回摂取が目安?

ビタミンCは水溶性ビタミンで体内に蓄積されにくく、摂取しても時間とともに体外へ排出される特徴があります。そのため、1度に大量に摂るよりも複数回に分けて摂取する方法がすすめられています。

健康維持を目的とする場合、1日の摂取量は100〜200mg程度が目安とされています。野菜や果物を日常的に摂取することで比較的補いやすい量です。

一方で、抗酸化作用や美容目的で摂取する場合は、500〜1000mg程度が目安とされることもあります。

ただし、ビタミンCは一度に多く摂取しても吸収率が低下する傾向があるため、食事と合わせて複数回に分けて取り入れる方法が望ましいとされています。

参考文献:厚生労働省5. 2. 9.ビタミン C(PDF)

ビタミンCの吸収率は?

研究では、30〜180mg程度のビタミンCは約70〜90%が吸収される一方、1,000mg以上の高用量では吸収率が50%以下になる可能性があることが報告されています。

摂取量が増えるほど吸収率は下がりますが、吸収される総量自体は増えるとされています。

参考文献
Levine M et al.Vitamin C pharmacokinetics in healthy volunteers.PNAS, 1996.

ビタミンC摂りすぎるとどうなる?

ビタミンCは水溶性ビタミンで、余剰分は尿として排出されるため、通常の食事やサプリメントの範囲であれば過剰摂取による健康被害は起こりにくいとされています。

ただし、一度に大量のビタミンCを摂取した場合、体質によっては下痢や腹痛などの消化器症状が起こることがあります。また、代謝産物であるシュウ酸の増加により、尿路結石のリスクが指摘されることもあります。

サプリメントを利用する場合は、製品の摂取目安量を参考にしながら、過剰摂取にならないよう注意することが大切です。

紫外線対策は日焼け止めだけでは不十分

紫外線対策では日焼け止めが基本ですが、それだけで紫外線ダメージを完全に防ぐことは難しいです。

日焼け止めのSPF値は人工光源など限られた条件で測定された指標であり、実際の屋外環境を完全に再現しているわけではありません。

直射日光の中で長時間活動したり、水に入ったりする状況では、日焼け止めの効果が低下する可能性があります。

紫外線対策では日焼け止めの使用に加えて、次のような対策を組み合わせることが重要とされています。

・肌を覆う衣類を着用する
・帽子や日傘を利用する
・日陰を活用する

汗や水によって日焼け止めが流れる可能性もあるため、こまめな塗り直しも必要です。紫外線対策は1つの方法に頼るのではなく、複数の対策を組み合わせることで効果を高めることができます。

ビタミンC以外も摂ると効果的?

紫外線による肌ダメージの対策では、ビタミンCだけでなく複数の抗酸化物質をバランスよく取り入れることが効果的です。

光老化に有効な成分

成分 主な働き 特徴 ビタミンC 抗酸化作用、メラニン生成抑制、コラーゲン合成 紫外線による活性酸素を抑える ビタミンE 抗酸化作用 脂溶性で細胞膜の酸化を防ぐ カロテノイド 抗酸化作用 βカロテンやリコピンなど ポリフェノール 抗酸化作用 紫外線による酸化ストレスに関与 ナイアシンアミド メラニン輸送抑制 美白成分として化粧品に使用

ビタミンCは水溶性の物質で体内を循環しやすい一方、体外へ排出されやすい特徴があります。

ビタミンEは脂溶性ビタミンで、脂肪組織などに溶け込む形で体内にとどまりやすい性質があります。

また、カロテノイドやポリフェノールなどにも抗酸化作用が知られています。

水溶性のビタミンC、脂溶性のビタミンE、カロテノイドやポリフェノールなど、それぞれ性質の異なる抗酸化物質をバランスよく摂取することで、紫外線ダメージへの対策につながると考えられています。

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監修者プロフィール

株式会社ユーザーライフサイエンス 取締役会長 大貫 宏一郎先生

京都大学にて博士号を取得し、製薬会社、医学部、管理栄養養成大学などで研究者・教育者を経て、現在は、食品機能学研究に従事。食品機能学とは、食品の効果を研究する学問。メタボ等の内科学、認知機能やメンタル等の脳神経科学を中心としつつ幅広い研究を実施。食品だけでなくアロマや健康商材全般にも関与。

保有資格・所属学会
・日本香辛料研究会 役員
・上級個人情報保護士
・第二種電気工事士
・ブラジリアン柔術 青帯

<Edit:編集部>

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