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世間を騒がせた“AI俳優”ティリー・ノーウッドが歌手デビュー。「AIのプロパガンダ」とMVに批判殺到

  • 2026.3.23
Maria Korneeva / Getty Images

ハリウッドを揺るがす存在として話題となった、AI俳優のティリー・ノーウッド。先日歌手デビューを果たし、自身が“人間”であることを主張する歌詞が注目を集めているが、MVを見た人々からは批判的な声も寄せられている。

歌手デビューを果たしたAI俳優に批判の声

コメディアンで作家のエリーン・ファン・デル・フェルデン氏が率いる、AI企業「パーティクル6プロダクションズ」によって生み出された、ティリー・ノーウッド。モデルや俳優として注目を集め、ファン・デル・フェルデン氏の「複数のタレントエージェンシーが、このAI俳優を映画やドラマに起用しようとしている」との発言は、ハリウッドでも大きな波紋を呼んだ。

そして今やモデルや俳優だけでなく、歌手デビューも果たしたティリーであるものの、彼女の活躍に世界中の人々からは賛否の声が上がっているよう。先日リリースされたデビュー曲「Take The Lead」の歌詞の中では、自身の存在を生み出したテクノロジーと人間のつながりに目を向けるよう呼びかけており、「AIは敵ではない。むしろ鍵である」というメッセージが中心となっている。

「人は私のことを語るけれど、コードの裏側や光の向こうにある、人間のひらめきや創造性には目を向けない。ただのツールだと思われているけど、そこには命がある」

「私はどこからともなく生まれたわけじゃない。すべてには背景となる物語がある。これは単なるバグじゃない。そこにはセンスと時間、そして人の手による大きな設計がある」

MVには、AIで生成されたさまざまなシーンが映し出されており、巨大なアリーナでのライブシーンやリムジンに乗り込む場面、ピンクのフラミンゴも数多く登場。同MVは、2026年3月13日時点で11万回以上再生を突破し、コメントは約1,500件も寄せられているが、その多くはAIの表現に対する批判や、現代のAI社会について語るものとなっている。

「人間だと言い張るのが変。本当は人間じゃないのに」

「正直、これは命に対する侮辱だと思う」

「まさにAIのプロパガンダ。『取り残されるな、遅れるな/自分で作れば自由になれる』…正直ゾッとする」

「これって『ブラック・ミラー』の世界の話じゃないよね?」

ティリー・ノーウッドの生みの親の主張

これまでにも多くの批判に直面してきたファン・デル・フェルデン氏だが、『New York Post』によると、この楽曲をAIキャラクターと、それを生み出す人間との間の距離を縮める試みと位置づけているという。

「この歌詞は、俳優たちにAIを活用する可能性を探るよう促すと同時に、ティリーのあらゆる活動の背後には人間の創造性があることを示す意図があります」

曲にふさわしい歌詞を作るため、ファン・デル・フェルデン氏と18人のチーム(エグゼクティブ・プロデューサー、衣装デザイナー、クリエイティブ・テクノロジスト、コメディライター、俳優などで構成)は、彼女自身が『Variety』に寄稿したエッセイに着目。チームはその文章を高度なAIシステムに入力し、そこから歌詞が生み出されたという。

エリーン・ファン・デル・フェルデン氏。 Florencia Tan Jun / Getty Images

「ティリーの歌声は100%AIによって作られており、AIにはティリーの性格や話し声をもとに指示を出しました。私はミュージカル・シアターの経験があるので、この音楽スタイルには慣れていますし、もちろん楽しいです。私たちは常に、ティリーを楽しませる存在にしたいと思っています」

音楽業界の過剰反応を意識してか、ファン・デル・フェルデン氏はこのMVが「ティリーの音楽キャリアを正式に始めるものではない」と強調している。

「ティリーは多才なエンターテインメントの存在で、さまざまな顔を持っています。AIとティリーがあれば、何だって可能なのです」

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