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「魔が差しただけなんだ!」浮気相手の歯ブラシを発見した夜。洗面所で下した静かなる決断とは

  • 2026.3.20

見知らぬ甘い匂い

「ただいま」

誰もいない静かな部屋。

しかし、ドアを閉めた直後、鼻先をかすめたのは、私が決して選ばない甘ったるいフローラルの香りでした。

「……何これ」

胸のざわつきを抑えながら洗面所へ向かい、ふと鏡裏の収納棚を開けました。

シャンプーの詰め替えパックの後ろに隠れるように、見慣れないピンク色の歯ブラシがひっそりと置かれていました。

苦しい言い訳と、冷え切った心

「ちょっといい?私のじゃない歯ブラシが隠してあったんだけど、誰の?」

夜遅く帰宅した彼にそれを突き出すと、彼は一瞬息を呑み、あからさまに動揺し始めました。

「あー…それね。こないだ妹が遊びに来た時に置いていったやつだ、うん」

「あなたの妹、先月地方に転勤になったばかりじゃない。どうやって来るのよ」

「……ごめんなさい」

逃げ場を失った彼は、私が仕事で出張している隙に、他の女性を部屋に入れていたことをあっけなく認めました。

「信じられない。私がいない間に、ここで何してたわけ?」

「本当に魔が差したんだ!絶対に二度とこんなことしないから、許してくれ!」

土下座する勢いで謝り倒す彼を見下ろしながら、私の中にあるのは悲哀ではなく、ただ冷たく燃える怒りでした。

私が安らぐべきこの場所に、見知らぬ女を踏み込ませた事実が、どうしても我慢ならなかったのです。

未練の残骸を断ち切る

その日の夜更け。

彼がベッドで寝息を立て始めたのを見計らい、私はそっと布団を抜け出して洗面所へ向かいました。

鏡の裏に置かれたままの、あのピンクの歯ブラシ。

それを見た瞬間、再び腸が煮えくり返るような怒りがこみ上げてきました。

「まだ取っておくなんて……次も使う気満々だったってことね」

「ふざけないで」

私はペダル式のゴミ箱を強く踏み開け、その忌まわしい歯ブラシを一番底めがけて力いっぱい叩き込みました。

そして、ゴミ袋の口を二度と開けられないほどきつく結び上げました。

部屋に漂っていた不快な匂いも、見えない女の気配も、まるごとこの袋の中に閉じ込めて、完全に捨て去りたかったのです。

「これでよし」

鏡に映った自分の表情は、憑き物が落ちたように晴れやかでした。

翌朝、洗面所に立った彼が歯ブラシの消失に気づいた様子はありませんでした。

彼とこの先どう付き合っていくかはまだ分かりません。けれど今は、あのゴミ袋と一緒に、腹立たしい女の記憶も不快感もすべて手放してしまいたい。

ひとまず、自分の心とこの大切なパーソナルスペースは、私自身の手で守り抜くことができた。そう思っています。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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