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キングカズ【三浦知良さん・59歳】体力回復のための食事メニューは”発酵食品”がカギだった

  • 2026.3.12

キングカズ【三浦知良さん・59歳】体力回復のための食事メニューは”発酵食品”がカギだった

長年、日本サッカー界を牽引してきた三浦知良選手。60歳目前となった今もなお、自身の「成長」を信じて疑わないと語ります。多くの人がキャリアの終わりを意識する年齢で、なぜ挑戦を続けられるのか。その力の源に迫ります。

Profile
キングカズ・三浦知良さん プロサッカー選手

みうら・かずよし●1967年、静岡県生まれ。
15歳で単身ブラジルに渡り、プロサッカー選手の道を歩み始める。
帰国後はJリーグで初代MVPに輝くなど、日本サッカー界を代表する存在として活躍。
イタリアなど海外でもプレーを重ね、現在は福島ユナイテッドFCに在籍。
国内最年長の現役プロサッカー選手であり、Jリーグ発足当時からプレーを続ける唯一の現役選手でもある。

試合に出たいという強い思いが常にあふれ出ているんです

日本サッカー界の伝説、キングカズこと三浦知良選手が、Jリーグのピッチに帰ってきた。昨年末、J3・福島ユナイテッドFCへの加入が発表されたとき、彼の年齢は58歳。多くの人にとって、仕事をリタイアし、これからの生き方を見つめ直す年齢だろう。18歳でプロ契約を結んでから約40年。過酷な勝負の世界で走り続ける彼に、「引退」の二文字がよぎったことはなかったのだろうか。そう問うと、引退を考えたことなどないかのような、迷いのない言葉が返ってきた。

「プレーをしていて反省することは多いけれど、それでも『今日は少しうまくなったんじゃないか』と実感を得られる瞬間があるんです。僕はサッカーがうまくなりたいし、まだうまくなれると自分を信じている。その思いと、試合に出たいという情熱は、18歳でプロになってから今日まで、枯れることはなかった。というより、常にあふれ出ている気がします」

肉体の衰えを補うために取り入れた日本古来の食の力

とはいえ、肉体的な衰えを感じないわけではない。「体力の低下は仕方がない。受け入れないとね」と笑いながら、三浦選手は続ける。

「それを補うために、どうやって疲れを抜き、回復させるかを、いつも考えているんです」

三浦選手が取り入れている疲労回復の秘訣。それは、驚くほど身近なものだった。

「若い頃はあまり意識していませんでしたが、今は食事による体のケアが本当に大切だと感じていて。ハードな練習後、体を回復させるためにとっているのが、発酵食品なんです。食事は専属シェフと栄養士の方が連携して作ってくださるのですが、ほぼすべてのメニューに発酵食品を使っていると聞いています。僕自身、発酵の力を信じていますし、実際、疲労回復にもつながっていると感じています」

ストイックに節制する一方で、ほんの少し自分を甘やかす瞬間もある。

「甘いもの、大好きなんです(笑)。和菓子も好きですし、もちろん洋菓子も。いちごのショートケーキやモンブランのような、子どもの頃から食べていたケーキがやっぱり好きですね。以前は体づくりのために甘いものを我慢していましたが、そんな僕を見かねてか、シェフが『糀甘酒』や『米糀ミルク』を使ったケーキを作ってくれるようになって。これが本当においしいんですよ。栄養はもちろん大切ですが、食べる喜びがなければ心は元気になれないじゃないですか。信頼するシェフが作ってくれたおいしいもので、気持ちも前向きになれる。食で自分を高めていくことも、トレーニングの一環だと思っています」

腰も痛くなりますし、階段を上るのもキツイんですよ(笑)

ひたむきにボールを追う姿からは想像もつかないが、グラウンドを離れれば、彼もまた還暦を目前に控えた、一人の人間だ。

「すごく体力があるように思われるかもしれませんが、僕も皆さんと同じように、家で荷物を運んだりしていると腰が痛くなりますし、階段を上るのもめちゃくちゃキツイ(笑)。サッカーだったらいくらでも動けるのにね。家族と買い物に行ったときなんか、『ここで待ってるから』って、ベンチに座って待っていたりしますから」

なぜ、ピッチの上ではあれほど動けるのに、日常では体に痛みを感じるのか。その疑問に、三浦選手はユニークな比喩で答えてくれた。

「僕の体は、レース専用にチューンナップされたレーシングカーのようなものなのかもしれません。サーキットを全速力で走るためにつくられているから、街中をゆっくり走ったり、止まったりを繰り返すと、かえって調子が悪くなってしまうんですよ(笑)」

不安なときこそ立て直すための「逃げ道」を

体だけでなく、ときに心が揺らぐこともある。特にケガが続いた昨シーズンは、気持ちが落ち込みそうになったという。

「でも、次の日には『今日も行くぞ!』って。ケガでサッカーができなくても、僕は歩ける。じゃあ、今できることは何だろうって、体幹トレーニングのメニューを考えたり、ケガをした部分に負担のない練習をしたり。すぐに気持ちを切り替えて、できることを探していましたね」

その切り替えの速さを支えているのが、意識的につくっている「逃げ道」だ。

「サッカーだけじゃなく、生活の中に自分の楽しみ、逃げ道を必ずつくっています。家で映画を観たり、友達とカフェに行ったり。自分を立て直すための、小さな居場所ですね。そういう時間があることで、自然と気持ちがリセットされる気がします」

痛みもあれば、体力的な衰えもある。それでも三浦選手の周りには、年齢を感じさせないみずみずしい空気が流れている。その正体は、彼の「老い」に対する考え方にあった。

「情熱がなくなったら、一気に老けるんだろうな、と思います。年齢を重ねれば、容姿や体のあちこちにガタが来るのは当然です。でも前向きな人って、いいオーラが出ている気がするんですよね。仕事に情熱を注ぎ、汗をかいて体を鍛えている人は、目に光があって、姿勢もピシッとしている。やっぱり若々しく見えると思うんです。そういうことを一切やめてしまってだらけた生活になると、それが老いにつながるんじゃないかな」

子どもの頃から変わらないただ一つの思い

年齢による限界という常識を覆し、挑戦を続けるその姿は、多くの人にとって希望の星だ。彼自身が思う、その力の源とは……?

「特別なことなんてないんです。小学生の頃にやっていた練習を、今もやり続けていますから。僕がやっているのは、基本の繰り返し。それが一番大事だと、僕は思っています」

そのシンプルな繰り返しを支えているのは、子どもの頃から変わらない、ただ一つの思いだ。

「ずっとサッカーをやり続けたい。うまくなりたい。その情熱だけは、これからも変わりません」

キングカズのフィジカルを支える発酵食レシピ

食事量に限りがある中で、体に負担をかけずにおいしく栄養のある食事を食べてほしい。そう考えた中島シェフがたどりついたのが、「発酵の力」。料理やスイーツに『米糀ミルク』や『糀甘酒』を使うなど、発酵食品を生かした食事で三浦選手の健康を支えています。

マルコメのイベントで、フィジカルケアと発酵食について話す、三浦さんと専属シェフの中島政行さん。

さつまいも入りガトーインビジブル

材料

●ガトーインビジブル
米糀ミルク……90g
さつまいも……200g
卵……2個
てん菜糖……35g
米粉……90g
ベーキングパウダー……4g
米油……10g

●りんごソース
りんご……1個(約230g)
てん菜糖……50g
白ワイン……37.5g
レモン汁……10g

●大豆肉のプラリネ
大豆のお肉 ミンチタイプ(レトルト)……80g
糀みつ……20g

●甘酒ソース
糀甘酒……100g
てん菜糖……5g

撮影/広岡雅樹 取材・文/恩田貴子

※この記事は「ゆうゆう」2026年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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