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「珍しい苗字を絶やしちゃダメだ」跡取りの男の子を産まなくては──そんな25年前の私に、今伝えたいこと

  • 2026.3.13

皆さんは、「こうあるべき」と自分に強い思い込みを課してしまった経験はありませんか。誰かに言われたわけではないのに、なぜかそうしなければならないと感じてしまうと、知らず知らずのうちに人は追い込まれてしまうものですよね。今回は、筆者の友人S子が結婚を機に胸に抱えてしまった思い込みと、今だからこそ気づくことができた周りの悩める方々に伝えたいエピソードをご紹介します。

画像: 「珍しい苗字を絶やしちゃダメだ」跡取りの男の子を産まなくては──そんな25年前の私に、今伝えたいこと

きっかけは結婚後に珍しい苗字になったこと

S子は現在60代の主婦です。若い頃、珍しい苗字の家に嫁ぎました。親戚も多く、代々続く家という雰囲気がありましたが、義父母から跡取りについて何か言われたことは一度もなく、とてもよくしてもらった記憶しかないほど良好な関係を築いていました。

しかし、その温かさに触れるたび、いつしかS子の胸の中には、「この希少な苗字を絶やしてはいけない。家を継ぐ男の子が必要なのではないか」という思いが強く芽生えていました。

誰かに責められたわけでもないのに、「息子を産まなくては」と自分自身に重圧をかけていたのです。当時はそれが当然のように感じられ、疑うことすらしませんでした。

授かったのは女の子

やがてS子は二人の娘を授かりました。元気に育つ姿を見ながらも、心のどこかで義父母には「男の子ではなくて申し訳ない」という気持ちが消えませんでした。今思えば、その感情は誰のものでもなく、自分が勝手に作り出した不安に過ぎませんでした。

そんなことを考えているうちに、娘たちは20代になり、それぞれの道を歩んでいます。自立し、思いやりを持ち、家族を大切にしてくれる人へと成長しました。その姿を見ていると、性別にこだわっていた過去の自分がとても小さく思えてきました。

過去の自分に伝えたいメッセージ

「男の子でなくても、この家はちゃんと続いていくよ」とS子は、娘たちと笑い合うたびに、若い頃の自分にそう声をかけたくなります。家を継ぐという形は時代とともに変化し、幸せの形も一つではありません。大切なのは家族が互いを尊重し合い、支え合うことなのだと、今気づくことができたからこそ言えること。

そしてS子は「あなたたちは何も背負うことなく、自分の人生を自由に選んでほしい」と娘たちがかつての自分のように苦しまないよう伝えています。家という形以上に、娘たちが自分らしく生きることこそが、家族の本当の願いだと気づいたからです。

誰かに押しつけられた価値観だけでなく、自分で自分を縛ってしまう思い込みにも注意が必要です。未来は想像以上にあたたかく広がっているかもしれません。そう気づけたことが、何よりの宝物なのだと感じたエピソードでした。

【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。

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