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会社の持株会って加入すべき? 従業員持株制度のメリットとデメリット

  • 2026.3.9

今回のお悩み「会社の持株会って加入すべき?」

転職先の会社で、従業員持株制度があるようですが、これまでの勤め先ではそのような制度が無かったので加入後にどれくらいのメリットがありそうかいまいちイメージが持てません。毎月の手取りを減らしてまで加入するメリットってあるのでしょうか?(30代/事務)

従業員持株制度は「持株会」とも言われ、企業が従業員の資産形成を支援するものです。勤務する企業に持株会の制度があれば加入することができ、1,000円単位で設定した金額を給与や賞与から天引きし、自動的に自社株を買い付けることができます。また自社株を従業員が持つことで、企業側は経営が安定するといった効果も期待できます。

持株会に加入するメリットはいくつかあり、月額1,000円単位で積立額を設定することができ、少額から株を購入することができます。そして企業によっては、積立額の5~10%程度の奨励金が上乗せされることがあり、より有利に自社株を持つことができます。そして株主として配当金を受け取ることもできます。

また、給与やボーナスから自動的に天引きされるため、投資の手間が省けるとともに、「ドルコスト平均法」により、株価が高いときは購入量が少なく、安いときには多く買うことができ、これを長期間続けることで平均取得価格が抑えられるなどの、値下がりリスクを軽減させる効果も期待できます。

他にも勤務先の企業の株主になることで、企業業績や決算発表などを気にするようになり、仕事へのモチベーションにUPにもつながることも考えられます。

■転職するときは上場会社か未上場会社かによって選択肢が変わる

転職や退職時には、持株会を退会することになります。会社の持株会の事務局(総務、人事、福利厚生担当部署など)に退職を伝え、書類を受け取り、手続きをしましょう。その際、所有している持株は、証券口座へ移管するか、売却をして現金化するかのいずれかを選択します。

ただし、上場会社か未上場会社かによってその選択肢が異なります。上場会社の場合は、証券会社の一般口座(NISA口座は不可)への移管もしくは売却が選べますが、上場していない未上場会社の持株は、証券口座へ移管することができないため、退職時に持株会または会社へ株式を売却して現金化して清算するのが一般的です。

また、未上場株式は、市場価格がないため買い取り基準がどのような規約になっているのか確認しておくとよいでしょう。

そして株式を証券口座へ移管する場合は、単元株(100株など)の単位で移管しますので、移管を希望する場合は、あらかじめ証券口座の一般口座を開設しておきましょう。ただし、持株が単元未満株の場合は、移管することができず現金化されます。

■退職以外で持株を売却する時は?

途中で持株を売却したい場合は、上場株式と未上場株式とで扱いが異なります。上場株式の場合は、証券口座へ株式を移管した後、口座から売却手続きを行います。

未上場会社の場合は、持株会へ買い取り請求をするのが一般的ですが、会社側に株式譲渡承認請求を行う場合や、そもそも退職まで引き出すことができないこともありますので、持株会事務局へ問い合わせをしましょう。

どちらの方法でも、換金に手間と時間がかかるため、まとまったお金が必要なときは早めに手続きをするようにしましょう。また、持株を売却した際に出た利益に対して、20.315%~20.42%の税金がかかり、確定申告が必要になる場合があります。

■もちろん、メリットばかりではない……あくまでも株式投資であることの意識を

持株会はメリットばかりではありません。あくまでも株式投資ですので、リスク性のある金融商品であることには変わりありません。例えば、勤務先の倒産や株価が下落した場合は、元本が減るリスクがある点に注意が必要です。また、転職や退職時のタイミングによっては、プラスになっていることもあれば、当然マイナスになっていることもあります。

他にも、一般的な株式投資では、単位株を保有していると株主優待が受けられることがありますが、持株会で単元株になったとしても、株主優待を受けることはできません。そして一般的な株式投資には配当がもらえますが、持株会の場合は配当金が出たとしても、手元に現金が入金されるのではなく、そのまま自社株の買い付けに充てられることがほとんどです。

また、現金化に2カ月程度かかることがあり、必要なときにすぐに手元のお金を用意できない点もデメリットと言えるでしょう。

持株会は強制ではなく任意ですので、するしないは自分自身で決めることができます。右も左もわからずに、とりあえず始めてみたものの、もっと別の投資方法があったのではないかと後悔することもあるかも知れません。

持株会をやったほうがよいケースとして、奨励金が積立額に対して10%を超えて上乗せされるなど条件が良い場合や、勤務先の企業自体の将来性を感じたり、業績が安定しているなど投資対象として魅力的であるならポートフォリオ(資産構成)に加えても良いと考えられるでしょう。

一方で、給与と持株が同じ会社にあることによる業績悪化のリスクや、奨励金以上に株価が下落してしまうリスクもあります。

他にも、そもそもいざという時に出せるまとまったお金がない、生活資金が足りない、奨励金がない、会社の業績が思わしくないなど、不安要素が企業側や個人にいくつもあるなら、まずは預貯金をある程度持ってから、無理のない範囲でできるNISAやiDeCoなどへ資金を振った資産形成方法もあるでしょう。

そして、流動性が低い(換金するために時間がかかる)こともあるので、長期間使わないお金としてじっくりと育てるつもりで投資をする必要があるでしょう。

持株会は積み立てることで、ある程度のリスクは分散されますが、あくまでも株式投資です。資産のバランスや将来のライフイベントなどを考えて分散投資を行うようにしましょう。

令和のマネーハック142

持株会は少額から株式投資ができるが、未上場株式の場合は売却に制約がある場合も……あくまでも株式投資であることを忘れず、資産のバランスを考えよう。

専門家に聞きたいお金の悩みを教えてください!

(文:丸山晴美、イラスト:itabamoe)

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