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『花緑青が明ける日に』萩原利久&入野自由、ベルリンで深まった“兄弟”の絆「いい出会いだった」

  • 2026.3.7

日本画家の四宮義俊による長編アニメーション監督デビュー作『花緑青が明ける日に』の公開記念舞台挨拶が3月7日に新宿バルト9で行われ、萩原利久、古川琴音、⼊野⾃由、四宮監督が出席した。

【写真を見る】萩原利久と古川琴音が共同で⼿掛けた花⽕のイラストがお披露目となった

『花緑青が明ける日に』の公開記念舞台挨拶が行われた
『花緑青が明ける日に』の公開記念舞台挨拶が行われた

日本画家としての活動を軸に、新海誠監督や片渕須直監督など名だたる監督のアニメーション作品に参加し、CMやミュージックビデオなどジャンルを超えて様々な創作活動を行ってきた四宮義俊が自身のオリジナル脚本で描く本作。創業330年の花火工場を舞台に、再開発による立ち退き期限が迫るなか、幻の花火<シュハリ>とそこで育った若者たちの未来をめぐる2日間の物語をつづる。四宮監督は、「キャストの皆さんが勢揃いでこの日を迎えられたこと、すごくうれしいです」と晴れやかな笑顔を見せた。

ステージでは、萩原と古川が共同で⼿掛けた花⽕のイラストがお披露目された。描いたのは1年以上前のことだそうで、制限時間以内に急ぎながらゲームのようにして描いたものだという。

【写真を見る】萩原利久と古川琴音が共同で⼿掛けた花⽕のイラストがお披露目となった
【写真を見る】萩原利久と古川琴音が共同で⼿掛けた花⽕のイラストがお披露目となった

2人とも「額に入れて、こういったところでお披露目するとは聞いていなかった…」と大照れとなり、会場も大笑い。四宮監督が「意外とガチ。本気が伝わっていい」と称えると、古川は「勢いは大事にした」、萩原も「大胆にやっていた」とご満悦の表情を浮かべた。続いて入野が「花火の下の方の表現が、<シュハリ>のよう」と劇中の花火と重なると感想を述べ、萩原は「狙いです」と古川とうなずき合い、さらに観客の笑いを誘っていた。

萩原と古川は、本作で声優に初挑戦した。蒸発した父に代わり、幻の花火<シュハリ>を完成させようと独りで奮闘する敬太郎役を演じた萩原は、俳優と声優では「もっと近いものなのかなと思っていた」と語る。

声優初挑戦の感想を語った萩原利久
声優初挑戦の感想を語った萩原利久

「でもやってみたら、録り方も違うし、台本の書かれ方も違う。普段実写(で芝居)をやる時に、いかに身体全部を使って表現しているのかがわかった。声だけになった時に、改めて感じ直しました。どちらもやったからこそ、いろいろな表現の仕方を見つけられるんじゃないかと思った」と双方にいい影響があるはずだと想いを巡らせつつ、「すごく楽しかったですし、ステキな経験をさせていただいた」と充実感をにじませていた。

古川琴音も充実感を口にした
古川琴音も充実感を口にした

地元に戻ってくるカオル役を演じた古川は、「やってみておもしろいなと思ったのは、実写ではできない動きを体験できること」とにっこり。「たとえば、屋根から降りて猛スピードで敬太郎を追いかけていくところなど、お芝居でやろうとしても身体では無理だと思う。そういったことを、絵を見ながら演じられるのは新感覚でおもしろかった」と刺激的な時間になったと打ち明けていた。

入野自由は、萩原利久と古川琴音の演技を称えた
入野自由は、萩原利久と古川琴音の演技を称えた

人気声優の入野は、敬太郎の兄で市役所に勤める千太郎役を演じている。「2人の声を聴きながら収録ができた」という入野は、「2人が先陣を切って、この作品のなかのリアリティとはどんなものなのかを作ってくださっていた。2人ともキャラクターという感じではなく、そこにいる人、生きている人という手触りや匂いを感じた」と萩原と古川の演技を絶賛。

公開を迎えて、感無量の面持ちを見せた四宮義俊監督
公開を迎えて、感無量の面持ちを見せた四宮義俊監督

四宮監督は「アニメは絵なので、嘘でできあがっている。でも、その裏側には本当に生きている人がいると感じてもらわないといけない。萩原さんと古川さんのような、個性がはっきりしている声を置かせてもらおうと思った」と萩原と古川を声優に抜てきした理由を吐露し、「アフレコは早い段階でできたので、その後に描く絵はお2人の顔に似ていくような感覚があった。主役のお2人は、ベストな配役」だと力強く語る。加えて、「入野さんのポジションは、しっかり重しとして押さえてくれる人じゃないと務まらない。長い経験値があるので、入野さんにしっかりと押さえていただこうと思った」と信頼感を口にしていた。

第76回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に正式出品されるなど、世界的な注目を集めている本作。四宮監督と萩原、入野は現地入りを果たしていた。萩原と入野が、ベルリンでグッと距離が縮まったことを明かす場面もあった。

丁々発止のやり取りに、会場も大笑い!
丁々発止のやり取りに、会場も大笑い!

ベルリンで初対面を果たし、ご飯を一緒に食べたり、レッドカーペットを歩いたという2人だが、入野が「飾らない、そのままの人。第一印象で声を聴いた時にも、『敬太郎がいる』という感じだった。すごく話しやすい空気があって、グイグイいっちゃいました」と萩原の人柄を紹介しながら振り返ると、萩原は「うれしいです」と喜びつつ、「たくさんお話ししてくれる。レッドカーペットに行くまでの車のなかも、2人だった。ずっとしゃべり続けてくださった」と感謝。入野は「東京で会うよりも、ベルリンで会った方が距離が縮まった」、萩原も「いい出会いだったかもしれない」と続くなど、兄弟役を演じた2人が丁々発止のやり取りを広げて会場を盛り上げていた。最後には観客がオリジナルうちわを掲げ、“ハナロクカラー”に染まった空間でフォトセッション。四宮監督は「主人公3人の気持ちは、どこか皆さんが体験したことに引っかかってくれるものなんじゃないかと思いながら作っていました」と本作に込めた想いを語り、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝

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