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「至急」の文字に奪われた、息子の卒園式。会場の外で電話対応する母が逃した『一生に一度の瞬間』

  • 2026.3.8

これは筆者の知人の体験談です。彼女は、息子の卒園式の日を心から楽しみにしていました。仕事が忙しい中でなんとか休みを取って、息子の晴れ舞台に立ち会おうと決めていました。しかし、式の直前に届いた仕事の連絡が、思いもよらない結果を招くことになります。その後悔と学びのエピソードをご紹介します。

画像: 「至急」の文字に奪われた、息子の卒園式。会場の外で電話対応する母が逃した『一生に一度の瞬間』

思い出を大切にしたい

息子が幼稚園の卒園を迎える3月、私はその日をとても楽しみにしていました。仕事が立て込んでいたけれど、この瞬間だけは絶対に外せないと決めて、なんとか休みを取りました。息子の卒園式は、息子の成長を実感できる大事なイベントで、心から楽しみにしていました。私は「今日は思い出をしっかり心に焼き付ける」と意気込み、会場に向かいました。

仕事からの急な連絡、気がつけば……

式が始まる直前、スマホが震えました。「至急」と書かれた取引先からのトラブル連絡です。最初は「確認だけ」と思ったものの、返信した瞬間、頭はすぐに仕事のことに支配され、式の進行が頭に入らなくなってしまいました。次の連絡が気になり、音が鳴らないかと常にスマホに目がいき、結局私はいたたまれなさを感じながらも途中で席を立ち、外で電話対応を始めてしまったのです。

目の前の大事な瞬間を逃して

電話を終えて会場に戻った時には、息子の「将来の夢」の発表が終わっていました。心から楽しみにしていたその瞬間を見逃してしまったことが、私の胸に重く残りました。会場の拍手の余韻だけが残る中、私は何事もなかったかのように席に座り直しました。当時は「まあ、仕方ない」と自分に言い聞かせ、心の中で「家族を支えるために働いているんだ」と正当化することで、込み上げる申し訳なさを必死に抑え込んでいたのだと思います。

後悔と学び

時が経つにつれて、後悔の気持ちがどんどん増していきました。仕事は後からでも取り返せるかもしれませんが、あの瞬間は二度と戻ってこないのです。写真には残るけれど、心の中に肝心な場面が欠けていることに気づいた私は、形だけ出席しても思い出にならないことを痛感しました。あの時、私は何よりも大切な「今」を見逃してしまったのです。

自分にできる仕組み作り

その後、私は大切なイベントの日には、事前に社内でしっかりと共有し、その時間は他の誰かに任せる仕組みを作るようにしました。緊急連絡の経路も決め、通知を最小限にすることで、仕事の心配が頭をよぎらないようにしています。こうして心が引っ張られることなく、「今ここ」に集中できる環境を作りました。家族との大切な思い出は、意識して守るものだと強く感じた出来事でした。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。

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