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『ノラネコぐんだん こんにちは』で楽しく学ぶ“はじめてのあいさつ”。わが子がしゃべり始めたら読ませたい!【書評】

  • 2026.3.6
ノラネコぐんだん こんにちは 工藤ノリコ/白泉社
ノラネコぐんだん こんにちは 工藤ノリコ/白泉社

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「おはよう」「いってきます」など、日常のさまざまなシチュエーションで登場するあいさつ。社会生活を営むための基本として、小さな頃からしっかりと習慣づけたいですよね。

では、分かりやすく伝えるにはどうしたらいいでしょうか。そこでぜひ取り入れたいのが、“ワルだくみ”をする8匹のノラネコたちでおなじみのシリーズの最新刊『ノラネコぐんだん こんにちは』(工藤ノリコ/白泉社)です。

「いってきます」と言われたら「いってらっしゃい」と返そう

さまざまなシチュエーションで登場し、あいさつを交わすノラネコたち。うれしいのは、あいさつが“対”で出てくるところです。

序盤に描かれているのは、ノラネコたちが「いってきます」とあいさつをしながら、船を漕いで漁に出かける場面。隣のページには、「いってらっしゃい」と、ノラネコたちを笑顔で送り出すマーミーちゃんとパッポヒの姿が。さらに次の見開きでは、大量の魚を抱えて「ただいま」と帰ってきたノラネコと、「おかえりなさい」とお迎えするマーミーちゃんたちが描かれていました。

出かける時には「いってきます」と言い、見送る人は「いってらっしゃい」と言う。おでかけから帰ったら「ただいま」とあいさつをして、迎える人は「おかえりなさい」と言う——。あいさつは相手がいて初めて成り立つもの。本作があれば、あいさつは相手に投げかける言葉であり、自分が投げかけられたら応えるという基本の使い方を、同時に教えられるのではないでしょうか。

「はんせいしています」は、ぐんだんらしいあいさつ!?

ぐんだんらしい展開も待ち受けています。あるページに登場するのは、木になっているりんごを棒でつついて落とすノラネコたち。順調にりんごを落とすのですが、そのうちのひとつが仲間の頭のうえに落ち、ケガをさせてしまいました。ノラネコは「ごめんなさい」「おだいじに」とお詫びをします。するとそこへ、ワンワン農場のワンワンちゃんがやってきて!?

ノラネコたちは正座になり、りんごを棒で落としたことを「はんせいしています」と謝ります。「まったく、いつもどおりの食いしんぼうなんだから…」と、親子で笑いながらツッコみたくなるシーンですね。

ワルだくみの後はきちんと反省して誠意を見せるのが彼らの憎めないところ。本シリーズのファンも存分に楽しめそうな場面だと感じました。

ノラネコと一緒にあいさつを学び、親子のコミュニケーションも活発に

本作に出てくる言葉はすべて「あいさつ」です。ただし、単なる言葉の羅列ではないことに気づきました。あいさつから始まり、あいさつでオチがつく——。あいさつだけでお話が成立し、そんなショートストーリーが幾つも積み重なって、一冊の絵本に仕上がっているのです。

あいさつをすれば、相手と関わろうとする気持ちを示すことができるし、お詫びや感謝の気持ちを伝えることも、相手を気遣うこともできる。あいさつが、まわりの人たちと気持ちのいい関わりを持つことができる、いわば最強のコミュニケーションツールであることに、あらためて気づかされました。

あとがきには作者の工藤ノリコさんが子どもたちに贈る言葉が掲載されています。

引用----

「あなたやわたしや、それぞれちがうたくさんのひとびとが、いっしょに生きていくために、どんなことがだいじかな。」

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そんな問いに、大人である私たちも考えさせられます。工藤さんはこう答えます。

引用----

「わたしは、げんきにあいさつすることが、だいじなことだとおもいます。」

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ノラネコぐんだんと一緒に楽しく挨拶を学ぼう

いっしょに読んだ息子も「おもしろかった! シンプルで分かりやすい」と、本作を物語として受け止めているようでした。ノラネコぐんだんの物語に没頭しながら楽しくあいさつを学べるのが、本作の大きな魅力だと感じています。

まだ幼いわが子がたどたどしい言葉で(時には言い間違えをしながら…)あいさつをする姿は本当に愛おしいですよね。読後は実生活でも積極的にあいさつを交わすことで、親子のコミュニケーションも活発になるのではないでしょうか。

文=吉田あき

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