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プチプラおしゃれ動画が人気の【Otomatoさん】先輩の急死をきっかけに教師を早期退職、ユーチューバーに

  • 2026.3.5

プチプラおしゃれ動画が人気の【Otomatoさん】先輩の急死をきっかけに教師を早期退職、ユーチューバーに

高校教師から、プチプラをおしゃれに着こなすユーチューバーに転身! 自由を手に入れ、動画制作・配信という世界で自己表現するOtomatoさんに、50代でギアチェンジしたきっかけや、今の暮らしについて伺いました。

Profile
Otomatoさん ユーチューバー、インスタグラマー

おとまと●高知県出身、東京都在住。60歳。
高知県と東京都で高校の英語教師を通算25年間勤める。
2020年に早期退職し、ユーチューブチャンネル「Otomato Beauty」を開設。企画から配信までひとりで行うコンテンツクリエーターとして活動中。
インスタグラムでも発信。現在は夫と2人暮らし。

人生には限りがある。“今やらなければ”

「皆さん、こんにちは。いかがお過ごしですか」―上品な語り口で始まる、Otomatoさんのユーチューブチャンネル。ユニクロ、GU、H&Mなどプチプラのアイテムで、「高見え」するファッションコーディネートを発信し、50、60代の女性を中心に支持を集めている。現在のチャンネル登録者数は約4万5000人。今や人気ユーチューバーとして活動するオトマトさんだが、6年前までは高校の英語教師だった。

「教師の仕事は楽しく、生徒たちの成長を見られる喜びもあり、やりがいもありました。ただ、とても忙しかったんです。50代の頃は学年主任も任され、朝から晩まで働き、自由な時間がない状態でした」

そんなとき、悲しい知らせが届く。

「以前、都立高校で一緒に働いていた先輩が、退職直前に急に亡くなったのです。ご自身がリタイアされた後の日々をすごく楽しみにされていたのに。どんなに無念だったか。身近な先輩の死はショックで、命の儚さを痛感しました」

人はいつ死ぬかわからない。やりたいことは今やらなければと、54歳で早期退職を決意する。

「ひとり娘も独立し、夫と私、双方の両親も見送りましたから、もう頑張らなくてもいいかなと。夫と娘に退職すると伝えたら驚いていましたけど、『いいんじゃない』と言ってくれました」

教師時代のOtomatoさん

「卒業生を送る会で、全担任がオリエンタルラジオのパーフェクト ヒューマンを踊り、生徒たちから喝采を浴びました」(中央の赤毛がオトマトさん)

卒業式に生徒と。スーツ姿のオトマトさん。「式には礼服が教師としての身だしなみ。教え子たちの中には、私のユーチューブを見てくれている子も。嬉しいけど恥ずかしい!」

リタイア後にやってみたいことの一つがユーチューブだった。

「教師時代から休日にカフェ巡りをして、その様子をインスタグラムにアップしていたんです。それが楽しくて、退職したらユーチューブに挑戦しようと。趣味の延長でできるし、収入を得られる可能性もある。元手はほぼかからずノーリスク。教師なので人前で話すことには慣れていますし、私にもできるかなと」

退職したのは、コロナ過が始まった2020年の3月。外出自粛期間中に、動画制作の指南をするユーチューブチャンネルを見ながら方法を学んだという。

「もともと電子機器類が好きなので、デジタルカメラやピンマイクなどを使い、撮影から編集、配信まで独学し、全部ひとりで行っています。最初の頃は、家でエクササイズをしている動画や、英語の授業、グルメ、メイクなどいろんな内容を配信していました。5時間かけて頑張って作ったのに、再生回数がたった36回とか(笑)。そんなときもありました」

それでもめげずに試行錯誤しながら配信を続けるうちに、 「メイクの方法など視聴者に役立つ情報を提供すると再生回数がのびる」と手応えを感じる。

「ただメイクは私の専門外で、あまりネタがない。私が好きなのはファッション。教師時代は装いにも制限があったけれど、今は自由に楽しめる。それでファッション系の動画を配信するようになったのです」

そして、GUのコーディネートを紹介した動画がバズった。

「GUって若者向けでしょ。当時、私の年代のユーチューバーで、GUファッションに手を出す人はあまりいなかったんです」

こうして、プチプラの服や小物などを用いた「高見え」する着こなしと、その装いで街歩きやカフェを巡る、おしゃれな暮らし、というオトマトさんチャンネルのスタイルが確立する。

成果や収入より楽しく、がモットー

「最初の頃は週3回のペースで配信。動画制作だけでなく、服のコーディネートを考えたりカフェを調査したり、一日の大半をユーチューブに費やしていました。半年ぐらいで収益も得られるようになり、翌年には登録者数が2万人を超えました」

そうした数字は励みになるけれど、逆の作用も。

「再生回数が少なかったり、同年代の方のファッション系チャンネルの登録者数と比べたりして、落ち込むことも。やがて学びました。数字に一喜一憂しない、人と比べない、と。そもそも好きで始めたのだから、収入を得る仕事として成果を求めるのではなく、趣味として楽しもうと決めたらラクになりました」

今は動画配信は週1回ほど、加えて毎週金曜日に自宅でライブ配信をしている。

「ゆったりとマイペースでやっています」

ユーチューバーにギアチェンジして6年。オトマトさんの日常は大きく変わり、世界が広がったと話す。

「今日もこうして取材を受けていますし(笑)。洋服や化粧品のイベントに呼んでいただいたり、撮影でご一緒したモデルさんとお友達になったり。私のユーチューブやインスタグラムを見て連絡をくださった方と、一緒にカフェやお店を巡ることもあります」

その様子もユーチューブで配信。60代になっても、こんなにおしゃれに、楽しい暮らしができることを体現している。

「私の動画を見て、明るく前向きになってもらえたら、という思いで作っています。『私もカフェにひとりで行ってみよう』『自分の時間を大切にしようと思った』といったコメントを読むと嬉しいですね」

Otomatoの名の由来は? 「故郷、高知のフルーツトマトが大好物。トマトに敬称の『お』をつけて、『おトマト』です(笑)」

“ギャップ”がプチプラの魅力

正しい情報を届けることがオトマトさんのポリシーだ。

「企業から、この商品を紹介してほしいという広告案件の声がかかるのですが、私は化粧品でも何でも自分が使ってみて効果を感じたものしか発信しません。商品PRをすると収入は上がるけれど。ウソはつけない(笑)」

だからこそ視聴者の信頼を得ているのだろう。

「ただ、もう登録者数をのばすのは難しいかなと感じています。シニアのプチプラファッションも、今は本当におしゃれな方がたくさん配信されているので。それに、着回し術などを提案するには服の数も必要。いくらプチプラでも、どんどん消費することに最近疑問を感じていて。できるだけ長く着られる服を選び、大事に着ていきたいんです」

ブランドものに心動かされることはないのだろうか?

「高くて買えない、というのが前提ですが(笑)。私はバブル世代ですから昔はハイブランドのものも持っていました。たしかに品質もよく、デザインも洗練されている。ブランドの10万円のコートは、誰が着ても格上げしてくれます。でも、そこに“ギャップ萌え”がないんです。私の今日のハーフジャケットは2900円。こんなに安いのに、こんなふうにかっこよく着れる、そこに楽しさがあるし、動画を見てくださる皆さんの役に立っているのだと思います」

元英語教師。「今後は英語のチャンネルを開設したい」と新たな挑戦を口にする。

「今配信しているファッションのことなどを英語で伝える。でも英語で話すのはハードルが高いんですよ。留学経験もない私の英会話力で大丈夫かなとか、『都立高校の英語教師ってこのレベル?』と思われたら困るなとか、考えちゃって。生徒には『間違いなんて気にせず、どんどん話せばいいのよ』と言ってたのに(笑)。もっと気楽に挑みましょう、と自分にハッパをかけているところです」

2900円でも、着こなし方でこんなに素敵に!

今日のコーデ。ジャケット(ラックラック) 、ジーンズ(プラステ)、セーター(GU) 、バッグ(eザッカマニア)、スニーカー(ニューバランス) 「膝に負担がかからないよう靴だけはいいものをチョイス」

YouTube、インスタは企画から編集までも自分で

1本の動画は長いもので30分以上。どんな内容にするか企画を立て、ファッションコーデを考え、自らモデルとなり、解説をし、ときには撮影交渉もして店や街でカメラを回す。その画像を編集して配信。すべて自分で行う。

自身のチャンネルをチェック。元教師だけあって、動画での流暢な語りも好評。脚本は作っていないそう。「そのほうが自然に話せますから」

「横浜ソロ活」など、自撮りも多いオトマトさんの相棒はDJIポケット。「歩いて自撮りしても画面がブレない。動画も写真もこのカメラで」

アラカンの着こなし、 健康、ダイエット などを発信

コーディネートを紹介するときは、ブランド名や、発売中のものは価格も表示。できるだけ視聴者に役立つ情報を発信している。

撮影/廣江雅美 取材・文/村瀬素子

※この記事は「ゆうゆう」2026年3月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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