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関節の痛みと冷えって関係あるの?整形外科院長前田先生にお伺いしました

  • 2026.3.2

寒さで指の関節の痛みが増した、と感じられている方も多いでしょう。
動かすたびに痛むような場合、周りにはなかなか伝わらなくてもご本人にとってはとてもつらいものです。
冷えと痛みの関係とは?加齢のせい?受診は必要?
まえだ整形外科リウマチクリニック院長の前田俊恒先生による解説です。

寒くなると関節の痛みが増すのはどうして?

「冬になると膝が痛む」「指がこわばって動かしづらい」「腰や肩が重だるくなる」
寒い季節になると、こうした関節や筋肉の不調を感じる方は少なくありません。
実は、寒さと関節の痛みには医学的な理由があります。単なる冷えや年齢のせいと放置してしまうと、症状が慢性化したり、病気が進行したりしてしまうこともあります。
寒くなると私たちの体は体温を逃さないように血管を収縮させます。
すると血流が低下し、筋肉や関節の周囲に十分な酸素や栄養が届きにくくなります。
その結果、
・筋肉が硬くなる
・老廃物がたまりやすくなる
・関節の動きが悪くなる
といった変化が起こり、こわばりや痛みを感じやすくなります。
さらに寒さは筋肉の緊張を強めるため、普段より少しの動きでも関節や腰に負担がかかりやすくなります。
これが、冬になると膝・腰・肩・指などに痛みが出やすくなる大きな理由です。

関節が痛むのはただの加齢?放っておいてもいい?

「年齢のせいだから仕方ない」と我慢してしまう方は非常に多いですが、注意が必要です。
確かに加齢とともに関節の軟骨(クッション)はすり減りやすくなります。
しかし、その背景に変形性関節症などの病気が隠れているケースも少なくありません。
次のような症状がある場合は要注意です。
・痛みが長く(数週間以上)続く
・動かすと強く痛む
・関節が腫れる、熱をもつ
・正座や階段がつらくなった
こうした症状は、単なる「年齢のせい」ではなく、治療によって進行を抑えられることもあります。
早めに医療機関に相談することが将来の関節機能を守ることにつながります。

痛いときは冷やす?それとも温める?

痛みがあるときに迷いやすいのが「冷やすか温めるか」です。
基本的に、寒さで悪化する慢性的な関節痛やこわばり、筋肉の張りには「温める」ほうが効果的です。
温めることで血流を改善し、筋肉がゆるみ、痛みが和らぎやすくなります。
入浴、蒸しタオル、カイロ、温湿布などを活用するとよいでしょう。
一方、
・腫れが強い
・熱をもってズキズキする
・ぶつけた、またはひねった直後
といった急性期では、一時的に冷やすほうがよいこともあります。
目安として、
「腫れて熱っぽい→冷やす」
「冷えとこわばり→温める」
と覚えておくと判断しやすくなります。

痛みがしびれに変わってきた・・・これは良くなっている?

「ズキズキした痛みが減って、代わりにしびれる感じになったから治ってきたのかな?」と思う方もいますが、実はそうとは限りません。
腰や首まわりの神経が圧迫されると、
・痛みがしびれに変化する
・ピリピリ、ジンジンする感覚が出る
・足や腕に違和感が広がる
といった症状が現れることがあります。
これは神経トラブルのサインである可能性もあるため、しびれが続く場合や広がる場合は早めに医療機関を受診することが大切です。

受診したほうがよいサインとは?

次のような症状がある場合は、自己判断せず医療機関に相談しましょう。
・安静にしても痛みが強い
・しびれや力の入りにくさがある
・関節の腫れや熱感が強い
・夜間痛で目が覚める
・痛みがどんどん悪化している
「いつもの冷えによる痛みとは違う」と感じたときは、早めの受診が安心です。

寒いとぎっくり腰になりやすいって本当?

寒い時期は筋肉が硬くなり、柔軟性が低下します。
そのため、少しの動作でも筋肉や靭帯を傷めやすくなり、冬はぎっくり腰が起こりやすい季節といわれています。
朝の洗顔、重い物を持つ動作、くしゃみなどがきっかけになることも珍しくありません。
もしぎっくり腰になってしまったら、
・無理に動かさない
・楽な姿勢で安静にする
・打撲や捻挫の急性期以外は温める
を基本とし、数日経っても改善しない場合は受診をおすすめします。

関節に良い栄養やサプリメントはある?

関節や筋肉の健康には、日頃からのバランスの良い食事が基本です。
特に大切なのは、
・タンパク質(筋肉の材料)
・カルシウム(骨の健康)
・ビタミンD(骨の吸収を助ける)
などをバランスよく摂ることです。
ただし、特定のサプリメントだけで痛みが治るわけではありません。
あくまで体づくりの補助として考え、基本は食事・運動・治療・生活習慣改善の組み合わせが重要です。

寒い季節の関節トラブルを防ぐセルフケア

日常生活で意識するだけでも、痛みの予防につながります。
・体を冷やさない(首・腰・膝を温める)
・入浴で体をしっかり温める
・軽い体操やストレッチを習慣にする
・同じ姿勢を長時間続けない
・無理のない範囲で体を動かす
「温めて動かす」が冬の関節ケアの基本です。

まとめ

寒さによる関節痛や腰痛は多くの人が経験しますが、単なる冷えだけでなく、関節の病気や神経トラブルが隠れていることもあります。
・温めて血流を改善する
・無理をせず適度に動く
・続く痛み・しびれ・腫れは早めに相談
これらを意識して、正しいセルフケアと早めの対応で、寒い季節も快適に過ごしましょう。

執筆者


前田俊恒(まえだ としひさ)先生
医師・医学博士(整形外科医)

日本整形外科学会 整形外科専門医・日本リウマチ学会 リウマチ専門医・日本リハビリテーション医学会 リハビリテーション科専門医
神戸大学医学部卒業。神戸大学病院(整形外科)入局後、神戸大学大学院医学研究科(整形外科学)修了。
米国スタンフォード大学医学部免疫リウマチ科に客員講師として留学、帰国後は神戸大学医学部附属病院整形外科助教を経て、まえだ整形外科リウマチクリニックの院長に就任。
患者さんの健康を守り、より動ける体を取り戻し、毎日健やかに過ごせるようサポートしていく。

まえだ整形外科リウマチクリニック
https://maedaseikei.jp/

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