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「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」で5組のアーティストと、境界を越える「刑務所アート」の参画・展示が決定!チケット予約受付開始

  • 2026.2.28

2026年4月27日(月)に開館する「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」は、2026年2月27日より公式サイトにてチケット予約を開始した。また、ミュージアムのコンセプト「美しき監獄からの問いかけ」を具現化する核心部のひとつである、展示エリア「C棟」の情報を初公開。かつての医務所を改装した空間で、5組のアーティストと、刑務所の内と外をつなぐプロジェクトチームが放つ、唯一無二のアート体験を提供する。

ミュージアムゲート(イメージ)
ミュージアムゲート(イメージ)

2月27日より、公式サイトにてチケットの予約受付を開始。また、開館30日前の3月28日(土)より、公式サイトにて、奈良監獄にゆかりのある30組が日替わりで登場する特別企画「美しき監獄と30人」をスタート。プロジェクトに関わってきたアートディレクターやアーティスト、工事関係者、そしてこの場所を長年見守っている近隣の人々など、総勢30組の多彩なメンバーが、それぞれの視点から奈良監獄の魅力を一問一答形式で語る。なお、公式Instagramでも毎日連動して投稿される。

重要文化財「旧奈良監獄」とは

旧奈良監獄は、不平等条約解消と司法の近代化を目指し、国の一大プロジェクトとして1908年(明治41年)に建設。設計者は、数多くの裁判所や監獄の建設に関与した山下啓次郎(けいじろう)さん。明治政府が国の威信をかけて取り組んだ監獄の近代化によって建てられた、秀麗なレンガ建築には、明治政府の不平等条約解消への悲願と建築技術が集結されている。ハヴィランド・システムと呼ばれた建築が取り入れられた施設棟は、看守所を全体の中心に複数の棟が放射状に伸びており、今⽇にいたる⽇本の「近代監獄」を象徴する建物だ。1946年(昭和21年)には「奈良少年刑務所」と改名し、社会復帰と更生教育を重視する矯正施設として貢献。100年以上にわたりその役割を全うした旧奈良監獄は、歴史的価値が高く意匠的にも優れた近代建築であるとして、2017年(平成29年)に重要文化財に指定されている。

重要文化財「旧奈良監獄」
重要文化財「旧奈良監獄」
重要文化財「旧奈良監獄」
重要文化財「旧奈良監獄」

世界的クリエイターが監修、アートディレクションを担当

明治政府によって計画された五大監獄のうち、唯一全貌が残る貴重な建築物。 この歴史的建造物の保存を担うとともに、その建築美や歴史的価値を未来へと継承していくための拠点となることを目指している「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」。コンセプトは「美しき監獄からの問いかけ」で、訪れる人が自らと対話し、生き方をも見つめ直すきっかけとなる、唯一無二の体験を提供する。

今回、監獄というテーマを深く掘り下げる施設の設立にあたり、世界で活躍するクリエイターに参画を依頼。「旅を楽しくする」をテーマにした星野リゾートとクリエイター、それぞれの専門性を活かした表現により、この場所がもつ本質的な価値を伝える、革新的なミュージアムが誕生する。

■アートディレクター:佐藤 卓/TSDO

東京藝術大学デザイン科卒業、同大学院修了。「ロッテ キシリトールガム」「明治おいしい牛乳」のパッケージデザインをはじめ、ポスターなどのグラフィック、商品や施設のブランディング、企業のCIを中心に活動。NHK Eテレ「デザインあ」「デザインあneo」の総合指導、21_21 DESIGN SIGHT ディレクター兼館長を務め、展覧会も多数企画・開催。京都芸術大学学長を務める。毎日デザイン賞、芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章ほか受賞。

佐藤 卓さん
佐藤 卓さん

■Museography Supervisor:Adrien Gardere(アドリアン ガルデール)

トロントのアガ・カーンミュージアム(設計:槇 文彦さん)や、ルーヴル美術館ランス別館(設計:SANAA)、ロンドンのロイヤル・アカデミー(設計:デヴィッド・チッパーフィールドさん)など、世界13カ所以上の美術館の常設展示デザインを手がける。

アドリアン ガルデールさん
アドリアン ガルデールさん

(C)yuz museum shanghai_estate Giacometti_Photo byTony Wu

注目のミュージアム展示内容は…?

奈良監獄ミュージアムでは、単なる歴史展示にとどまらず、来館者が自ら思考を深める契機を提供。明治の近代化を象徴する美しい建築を手がかりに、監獄の歴史を紐解き、現代の刑務所を題材として、「規律」と「人間性」の均衡をいかに保っているかを描き出す。展示を通して立ち上がる問いは、来館者一人ひとりを、自らの生き方や価値観といった日常の奥にある内面との出合いへと導き、印象深い体験をもたらしてくれる。

■■保存エリア

放射状に伸びる5つの舎房のうち、唯一、活用を伴う改修を行わず、遺構として残されている「第三寮」。その貴重な建物を見学できるのが「保存エリア」だ。天窓から自然光が降り注ぐ内部空間や、ヴォールト天井が美しい独居房など、当時の面影をとどめた姿が今に伝えられている。

■■展示エリア

A棟、B棟、C棟の3つの棟で構成され、それぞれに独自のテーマを設定。来館者は各棟を巡りながら、多角的な視点で自身の「問い」を深めていく特別な体験ができる。

【A棟「歴史と建築」】

奈良監獄の成り立ちや建築的特徴を紐解きながら、日本の行刑の歴史と変遷を体系的に紹介。来館者は赤レンガに刻まれた記憶に思いを馳せ、近代化を目指した当時の時代背景への理解を深めることができる。

【画像】展示エリア A棟「歴史と建築」(イメージ)
【画像】展示エリア A棟「歴史と建築」(イメージ)

【B棟「規律とくらし」】

規律、食事、衛生など、さまざまな視点から、受刑者の暮らし、そして、刑務所というひとつの社会を紹介。規律に縛られた刑務所の生活を知り、想像し、客観的に見つめることで、自分自身の生き方に通じる「問い」に迫るエリアとなっている。

展示エリア B棟「規律とくらし」(イメージ)
展示エリア B棟「規律とくらし」(イメージ)

【C棟「監獄とアート」】

旧奈良監獄の医務所だったC棟は、当時の質感を活かしつつ、洗練された現代のギャラリーに改装。ここでは、5組のアーティストが刑務所の現実に向き合って制作した作品と、刑務所の内と外をつなぐアート・プロジェクトから生まれた作品が、2つの柱として展示される。

C棟「監獄とアート」(イメージ)
C棟「監獄とアート」(イメージ)

【C棟「監獄とアート」】ではアーティストとのコラボ作品を展示

C棟の空間を満たすのは「罪と罰」「時間と記憶」「孤独と言葉」といった普遍的なテーマ。作品の数々は、社会が抱える課題を私たちがどう引き受けるのかを静かに問いかけ、来館者の世界の見方をアップデートするきっかけを提供してくれる。

■アーティストによる作品群

■西尾美也(NISHIO Yoshinari)《声を縫う》

現代美術家。奈良県生まれ。作者はこれまで、衣服や装いにまつわる営みやコミュニケーションを題材に、人や社会の関わりを作品にしてきた。今回は、奈良少年刑務所にいた若年受刑者たちが書いた詩を、200人を超える人々とともに刺しゅうをして紡ぎ出した作品を展示。

西尾美也さん
西尾美也さん

■キュンチョメ(KYUN-CHOME)《海の中に祈りを溶かす》

ホンマエリさんとナブチさんによる2人組のアートユニット。都会から離れた自然環境に身を置きながら、普段人間の目にとまらないさまざまな生命に焦点を当てた作品を発表してきた2人が、奈良監獄の建物の中に、時や場所を超えた祈りの空間を作り出す。

キュンチョメ
キュンチョメ

■三田村 光土里(MITAMURA Midori)《過ぎてゆく部屋》

現代美術家。まるで「役者不在のセット」のように、足を踏み入れたら誰もが主人公になる作品を制作してきた作家。今回は奈良監獄に保管された古い写真を調査し、自身の記憶と重ね合わせるように、匿名的で普遍的なノスタルジーを喚起するインスタレーションを制作。

三田村 光土里さん
三田村 光土里さん

■風間サチコ(KAZAMA Sachiko)《秩序とNEW僕等と》

現代美術家。巨大な木版画で近代文明や人間社会にひそむ不条理を描いてきた作者が、奈良監獄から奈良少年刑務所までの歴史を、日本の近代化と少年の更生という2つの物語に重ね合わせた。なかなか目に触れることのできない版木も特別に展示。

風間サチコさん
風間サチコさん

■花輪和一(HANAWA Kazuichi)《刑務所の中》《刑務所の前》

マンガ家。日本中世の伝承やお伽話を題材に、怪奇幻想世界をリアルに、ときにユーモラスに描く作者が、自身の受刑体験を元にした『刑務所の中』と、その後に描いた『刑務所の前』の原画を紹介。

花輪和一さん
花輪和一さん

■刑務所の内と外をつなぐアート・プロジェクト

■Prison Arts Connections (プリズン・アーツ・コネクションズ/略称:PAC)

刑務所と関わる人たちによる芸術表現活動を媒介し、刑務所の内と外、被害と加害を越えた対話と回復、創造の契機を生み出し続けることを目的に、2023年に設立されたアート・プロジェクトのNPO。その活動のなかから抽出された、刑務所という環境で生み出された芸術表現の数々を展示。

Prison Arts Connections
Prison Arts Connections

■C棟 キュレーション(アーティスト選出+展示アドバイス)

■楠見 清(KUSUMI Kiyoshi)

美術編集者/評論家。「美術手帖」編集長を経て、現在、東京都立大学教授。著書に『ロックの美術館』『無言板アート入門』ほか。展覧会企画に「KRAZY!」共同キュレーター(2008年バンクーバー美術館、カナダ)、「天と地の出合う場所 Where Heaven meets Earth」ディレクター(2014年文化庁海外メディア芸術祭等参加事業、SETI2014、サンパウロ、ブラジル)、東京ビエンナーレ2020/2021「ソーシャル・ダイブ」ディレクター、「TOKYO ARTE POP」キュレーター(2023年イタリア文化会館、東京)ほか。

楠見 清さん
楠見 清さん

ホッとひと息つき、余韻に浸るカフェ&ショップも

カフェでは、明治時代の洋食文化を反映したオリジナルのカレーパンやチーズケーキ、ご当地ソーダなどを提供。ショップでは、オリジナルグッズをはじめ、全国の刑務所で作られた刑務所作業製品のギャラリーを併設し、販売される。

カフェメニュー(イメージ)
カフェメニュー(イメージ)

同敷地内にはラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」も誕生

独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供する、星野リゾートの代表的なブランドでもある「星のや」の9施設目となる「星のや奈良監獄」が2026年6月25日(木)に開業する。旧奈良監獄の同敷地内に佇む同施設のコンセプトは「明けの重要文化財」で、赤レンガの壁や旧監獄を象徴する放射状の舎房が特徴。これらの建物は、歴史的な意匠を残しつつ、現代的な感性を取り入れた新たなデザインを組み込み、ラグジュアリーホテルへと生まれ変わる。

星のや奈良監獄
星のや奈良監獄

星野リゾートが手がける一大プロジェクト。新施設「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」の今後の展開に注目したい。

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