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【50代の奈良旅】悠久の古都を味わう「紫翠ラグジュアリーコレクションホテル奈良」&名庭「吉城園」&奈良博「お水取り」展

  • 2026.2.28

こんにちは、奈良在住の編集者・ふなつあさこです。東大寺・二月堂で行われる旧暦2月の法要「修二会(しゅにえ)」、通称「お水取り」の本行(3月1日・日〜14日・土)が近づくと、いよいよ春がすぐそこまで来ている気がします。

今回は、そんな東大寺からもほど近い、旧奈良県知事公舎をリノベーションした「紫翠(しすい) ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」と、隣接する名庭「吉城園(よしきえん)」に伺ってきました。

お水取りというと二月堂に掲げられる「お松明(たいまつ)」が知られていますが、実はそれはあくまでも法要のワンシーンに過ぎません。お水取りという法要そのものの魅力に迫る奈良国立博物館の特別陳列「お水取り」もご紹介します!

伝統と現代のあわいにたゆたう「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」

近鉄奈良駅から奈良公園散策を楽しみ、地下道を左手へ。東大寺・戒壇院(かいだんいん)方面へ抜けるルートを進んで、「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」(以下、紫翠)へ。

そのメイン棟は、奈良県知事の公舎だった場所。1951年11月、昭和天皇がサンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約の批准書に署名した「御認証の間」も保存されています。

チェックインを済ませて、宿泊棟へ。

今回ご用意いただいたのは、デラックスツインルーム。正倉院宝物の鏡をモチーフにしたテーブルや春日大社の灯籠を思わせる照明など、奈良らしさを取り入れたしつらい。

天然温泉の内風呂付きのお部屋でした♡ 「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」の全43室のうち、23室に温泉風呂か温泉露天風呂が。

温泉って、やっぱり普通のお湯とは違いますよね。

アメニティのスキンケアコスメは、奈良発のヘルス&ビューティブランド「THERA(テラ)」のもの。日本古来の発酵・醸造の知恵が活かされています。

シルクロードに想いを馳せるガストロノミージャーニー

夕食は、メイン棟にあるレストラン「翠葉」へ。

奈良県知事公舎の客間を、大正時代の趣を残して修復・再生した空間。その窓外には庭園が広がり、四季の移ろいを楽しめます。

奈良の食文化をモダンに昇華させたディナーコース「時河(ときか)」は、お水取りに参籠(さんろう)するお坊さんたちの朝食にも供される奈良の伝統食「茶粥」にインスパイアされたひと皿からスタート。

日本で牛乳を飲むようになったのは、実は奈良時代!

そんな由緒のある奈良の伝統食「飛鳥鍋」が、フレンチスタイルのトゥルト(ポットパイ)に。

メインは、鎌倉時代末期以来の奈良のブランド牛「大和牛」のステーキ。ふわっと甘みのある肉汁が広がります。

添えられているのは、奈良の伝統野菜に認定されている里芋「味間芋」のあんかけ。ねっとりとコクのある味わいです。

旬の食材が使われるため、メニューは季節に応じて変わりますが、いつ訪れても奈良らしさを取り入れた「翠葉」ならではの味わいに出合えます。

紫翠では、蔵をリノベーションした鮨&バー「正倉(しょうそう)」でも食事を楽しめます。

レストラン「翠葉」、鮨&バー「正倉」は、ランチ・ディナーいずれも宿泊客以外の利用も可能です。

ウェルネスな和モーニング&名庭「吉城園」で朝活

朝食もレストラン「翠葉」で。ごはんは白米も選べますが、私は茶粥をチョイス。ほどよいボリュームでゆったり体が目覚めていくよう。

紫翠に隣接する、吉城園へ。大正8年に建てられた主棟の一室で、奈良の特産品である墨を磨(す)るアクティビティを体験。

ゆっくりと墨を磨っていくと指先の感触がなめらかになっていき、ほんのりと甘く懐かしい香りが漂ってきます。不思議と落ち着いた気分になり、ちょっと一筆書きたくなりますが、お見せできるような字ではないので、白紙にてごめんください。

心を調えて、吉城園を散策。ちなみに、吉城園は無料で一般公開されています。

古くは興福寺の子院「摩尼珠院(まにしゅいん)」があったとされる地にあり、現在の建物や庭園は大正時代の実業家・正法院寛之(しょうぼういんひろゆき)氏の所有時に整えられたのだそう。

池を中心とする回遊式庭園の小さな丘の上には東屋(あずまや)があり、奈良のシンボル・若草山周辺を見渡せます。

「池の庭」の奥を上がっていくと、離れ茶室を中心とする「苔の庭」が広がっています。

茶室では、私の母校・奈良女子大学の箏曲部によるお箏(こと)のミニコンサートなどが行われることもあるそうですよ。

東大寺、興福寺、春日大社、奈良公園と周辺は“奈良といえば”の観光スポットが目白押し。奈良観光のティータイムには、紫翠の敷地内にある築200年超の旧興福寺子院「世尊院(せそんいん)」を生かした茶寮「世世(ぜぜ)」がおすすめ。

3/1(日)からは、THERAも手がける漢方養生指導士・植物療法士の橋本真季さんが監修する年間企画「陰陽五行アフタヌーンティー」の第一章として春のメニュー「木(もく)の気」の提供がスタートします(5月31日・日まで)。

春の香りを纏ったお椀や、酸味と緑をテーマにした手毬寿司など5種のセイボリーと、ハーブチョコや大和茶のフィナンシェなどの甘味5種を、季節に合わせたハーブティー「五行YOJO茶」をはじめとする8種類の飲み物(フリーフロー)とともに楽しめます。

2027年2月28日(日)まで、夏には「火」、秋には「金」、冬には「水」のメニューが供される予定だそう!

約1300年続く祈り「お水取り」の世界に奈良博で触れる

紫翠からもほど近い奈良国立博物館では、恒例の特別陳列「お水取り」が開催中です(3月15日・日まで)。

東大寺に限らず、奈良の主要寺院では旧暦の2月に「修二会(しゅにえ)」が行われています。お水取りとは、東大寺・二月堂で行われる修二会の通称で、本行は毎年3月1日から14日に行われています。

「二月堂縁起」(室町時代・天文14年〈1545〉)奈良・東大寺、上巻・第三段(部分)

お水取りが始まったのは、天平勝宝(てんぴょうしょうほう)4年(752)のこと。それから現在に至るまで、一度も絶えることなく勤め続けられており「不退(ふたい)の行法(ぎょうぼう)」とも呼ばれます。

お水取りというと「お松明」が有名です。ニュースなどでよく流れるので、見覚えのある方も多いのでは。

お松明は12日行われているイメージが強いようですが、3月1日から14日まで毎晩上がります。12日は上がる松明が1本多いんですが、とにかく大混雑なので予定が許せば別の日をおすすめします。

ただし! お松明は夜の行のために二月堂に上がるお坊さんたちの足もとを照らす明かりに過ぎません。

「十一面観音像」(鎌倉時代・13世紀)奈良・東大寺

メインはあくまでも、その後に行われる法要です。しかも法要は夜だけではないんです。1日に6度、二月堂に祀られている絶対秘仏の十一面観音さまをご本尊として「悔過(けか)」作法が行われています。

お水取りに参籠(≒参加)するお坊さんたちは、「練行衆(れんぎょうしゅう)」と呼ばれます。練行衆の方々が身につける装束や法要に使われる道具など、なかなか目にする機会のない品々も展示されています。

小観音厨子模造

知らず知らず犯してしまう罪を人々に代わり懺悔(さんげ)し、世の安泰や人々が豊かに暮らせるよう、練行衆の方々は、文字通り身を投げ打つようにして十一面観音さまに祈りを捧げます。

私がお水取りのことを初めて知ったのは学生時代ですが「私の知らない間にも、ずっと私たちのために祈り続けてくれていた人たちが奈良にいたんだ!」と、ものすごい衝撃と感動を覚えました。

ぜひぜひ、その神秘に包まれた法要の魅力に触れてみてください!

名品展「珠玉の仏教美術」より、中央:重要文化財「釈迦三尊像」鎌倉時代・14世紀、左右:「十八羅漢図」鎌倉〜南北朝時代・14世紀)ともに岡山・頼久寺(らいきゅうじ)

同じ会場では名品展「珠玉の仏教美術」も開催中(3月15日・日まで)。奈良国立博物館が収蔵・保管する名品も併せて鑑賞できます。

特別陳列「お水取り」会期中に、奈良国立博物館と東大寺ミュージアム、両会場の展覧会を鑑賞すると、限定の特製散華(さんげ)をプレゼントしているそう! 左は、二月堂のご本尊・観音菩薩の光背デザイン、右は新作の華厳経デザインです。

どちらかの会場受付でもう一方の観覧証明書を提示すると、2デザインのうちいずれかをいただけます。

東大寺ミュージアムもお近くですので、せっかくならハシゴしてください〜!

この記事を書いた人

編集者 ふなつあさこ

ふなつあさこ

生まれも育ちも東京ながら、幼少の頃より関西(とくに奈良)に憧れ、奈良女子大学に進学。卒業後、宝島社にて編集職に就き『LOVE! 京都』はじめ関西ブランドのムックなどを手がける。2022年、結婚を機に奈良へ“Nターン”。現在はフリーランスの編集者として奈良と東京を行き来しながら働きつつ、ほんのり梵妻業もこなす日々。

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