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70歳以上は歩道を走っていい?青切符スタート目前、実は意外と知られていない“自転車ルールの例外”

  • 2026.3.27
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

自転車は「歩道を走ってもいい」と思っていませんか?日常的に利用していると、車道よりも安全そうな歩道を選んでしまう場面も少なくありません。

しかし、道路交通法では自転車は原則として「車道通行」が基本です。2026年4月から導入される「青切符制度」によって、これまで見過ごされがちだった歩道での走行やマナー違反も、反則金の対象として取り締まりが強化される可能性があります。

では、どのような場合に歩道を走ることが認められ、どこからが違反となるのでしょうか。本記事では、弁護士・寺林智栄さんの解説をもとに、知っておきたいルールを整理します。

2026年4月からの「青切符」導入で何が変わる?歩道走行の取締りについて

---2026年4月から導入される「青切符制度」では、自転車の歩道走行の取締りはどのように変わるのでしょうか?

寺林智栄さん:

「2026年4月からの青切符制度では、自転車の歩道走行についても取締りが強化されます。前提として、道路交通法上、自転車は原則『車道通行』が基本であり、歩道走行が許されるのは例外的な場合に限られます。例えば、『自転車通行可』の標識がある場合や、運転者が13歳未満または70歳以上である場合、あるいは車道の通行が危険と認められる場合などです。

もっとも、これらの条件に該当して歩道を通行できる場合であっても、無制限に走行してよいわけではありません。歩道では『徐行義務』と『歩行者優先』が課されており、歩行者の通行を妨げるような速度で走行したり、ベルを鳴らして進路を譲らせたりする行為は違反となる可能性があります。特に、十分に減速せずに歩行者のすぐそばを通過する、歩行者がいるのにスピードを落とさないといったケースは、典型的な取締り対象です。

青切符制度では、こうした『通行区分違反』や『徐行義務違反』などに対して反則金が科されることが予定されています。具体的な金額は違反類型ごとに定められますが、数千円程度(例えば数千円規模)の反則金が想定されています。これにより、従来は注意や指導にとどまることも多かった歩道走行のマナー違反が、より明確に法的責任を伴う形で取り締まられる点が大きなポイントです。」

歩道を走れる場合でも要注意!「徐行義務」と「歩行者優先」のルール

---歩道通行が認められている場合であっても、自転車側にはどのような注意が必要なのでしょうか?

寺林智栄さん:

「自転車で歩道を走行できる場合であっても、利用者には厳格な注意義務が課されています。前提として、道路交通法では歩道はあくまで歩行者のための空間であり、自転車は『例外的に通行させてもらっている立場』であることを強く意識する必要があります。

まず重要なのが『徐行義務』です。徐行とは、すぐに停止できる速度で進むことを意味し、一般的には人の歩く速度に近いレベルが求められます。歩行者のすぐ横をスピードを出して通過するような走行は、徐行義務違反と判断される可能性が高くなります。

次に『歩行者優先』の原則です。歩行者が前方にいる場合には、進路を譲ってもらうのを待つのではなく、自転車側が減速・停止して安全を確保するのが基本です。特に高齢者や子どもがいる場合には、予測しにくい動きをすることもあるため、十分な距離を保つことが重要です。

また、歩行者の通行を妨げるおそれがある場合には『一時停止』する義務もあります。無理に追い越したり、隙間を縫って進行したりする行為は避けるべきです。

さらに、ベルで進路を譲らせる行為は原則として認められていないため、安易に使用しないことも大切なポイントです。」

自転車レーンに駐車車両がある場合、どう対応すべき?

---自転車専用レーンが駐車車両などで塞がれている場合、そのまま歩道に上がって通行しても問題ないのでしょうか?

寺林智栄さん:

「自転車専用レーンが駐車車両で塞がれている場合でも、基本はあくまで車道通行が原則です。道路交通法上、自転車は軽車両として位置づけられており、たとěレーンが使えない状況でも、直ちに歩道へ移ることが当然に認められるわけではありません。

まず取るべき対応は、周囲の交通状況を十分に確認したうえで、安全に車道側へ進路変更することです。後方からの自動車の有無や速度をよく確認し、無理のないタイミングで障害物を避けて通行することが求められます。この際、急な進路変更やふらつきは事故の原因となるため、できるだけ早めに状況を把握して余裕をもって回避することが重要です。

一方で、交通量が多く危険が大きい場合などには、『やむを得ない場合』として歩道通行が許容される余地もあります。ただしこの場合でも、歩道に入った時点で『徐行義務』と『歩行者優先』が課されるため、スピードを大きく落とし、歩行者の通行を妨げないよう細心の注意を払う必要があります。

注意すべきポイントは、『レーンが塞がれている=自由に歩道を走れる」というわけではない点です。あくまで例外的な措置として慎重に判断し、可能な限り車道で安全に回避することが原則となります。青切符制度の下では、こうした判断を誤り歩道で不適切な走行をすれば、反則金の対象となる可能性もあるため、状況に応じた冷静な対応が求められます。」

自転車利用者として安全とルールを守るために

歩道はあくまで歩行者のための空間であり、自転車は例外的に通行が認められているにすぎません。たとえ歩道を走れる条件に当てはまる場合でも、「徐行と「歩行者優先」が前提となります。

青切符制度の導入によって、これまで曖昧だった歩道での走行ルールも、より明確に取り締まりの対象となっていきます。スピードを落とさずに走る、歩行者のそばをすり抜けるといった行為は、違反と判断される可能性があります。

日常の移動の中で、「どこを走るべきか」「どのように走るべきか」を意識することが大切です。基本ルールを押さえたうえで、安全な走行を心がけましょう。


監修者:寺林智栄

2007年弁護士登録。札幌弁護士会。てらばやし法律事務所。2013年頃よりネット上で法律記事的の執筆・監修を開始。Yahoo!トピックスで複数回1位獲得。読む方にとってわかりやすい解説を心がけています。


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