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「もう、大きくなったのね」私を捨てた母との再会。だが、母が渡した封筒と一言をうけ絶縁を決意【短編小説】

  • 2026.2.28

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

十数年ぶりの母からの手紙

幼い頃、母は不倫相手のもとへ走り、私と父を捨てました。親権すら拒んだ母。最後に見た冷たい背中を、今も鮮明に覚えています。

それから十数年、私は父と二人三脚で懸命に歩み、現在は自立して一人暮らし。

そんなある日、実家の父から連絡がありました。

母から一通の手紙が届いたとのこと。

「無理して中身を見る必要はないぞ」という父の言葉に、不安と好奇心が混ざり合います。開封すると、そこには「会いたい」という一言だけ。

過去に何があろうと、一度は顔を見て話したい。そんな淡い期待を抱き、私は後日、指定された喫茶店へと向かいました。

母の歪んだ償い

駅前の静かな喫茶店。現れた母は記憶よりも小さく、どこか裕福そうな佇まい。

「あんなに小さかった子が、もうこんなに大きくなったのね」

懐かしげな笑顔に、心が少しだけ緩みかけたのも束の間。形式的な世間話が一段落した頃、母はバッグから一つの封筒を取り出しました。

「これは何?」

「少ないけど、中にお金が入っているの。私もね、あなたには悪いことをしたと思っているから。今じゃちょっとは余裕があるのよ。好きなように使ってちょうだい」

その一言に、私の中の「娘」としての心が音を立てて崩れました。彼女にとって、私が母を求めて泣き明かした夜も、父が苦労して私を育てた歳月も、この一枚の封筒で帳消しにしようというのでしょうか。

「……お母さん、自分が許されたいだけでしょ」

私は思い切って詰め寄りました。母は言葉を失い、ただ黙り込むばかり。

その姿を見て、母なりに後悔や自責の念はあったのだと感じました。

けれど、私が本当に欲しかったのは免罪符代わりのお金ではなく、心の底からの謝罪だったはず。

「お金を渡して楽になりたいのは、お母さんだけでしょ。……さようなら」

私は封筒を置いたまま、迷わず席を立ちました。追いかけてくる声はありません。

店を出た瞬間に感じたのは、深い悲しみではなく、清々しいほどの決別。失った過去に固執するのはもう終わり。

これからは私の力で、本当の幸せを築いていく。そう心に誓った昼下がりでした。

 

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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