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大人こそ「遊ぶこと」で幸せの増大とストレス軽減が促される

  • 2026.2.24
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

「最後に、思いきり遊んだのはいつですか?」

子どものころは当たり前だった“遊び”が、大人になるにつれて静かに姿を消していきます。

私たちは、想像力やふざけ合いの時間を、勤労や忙しさと引き換えにしてきました。

しかし近年の研究は、意外な事実を示しています。

大人にとっても「遊び」は、幸福感を高め、ストレスを軽減し、人生の満足度を底上げする重要な要素だというのです。

ニュージーランドの家族を対象にした研究では、自由度の高い、いわゆる「構造化されていない遊び」を日常に取り入れることで、大人のストレスが軽減し、家族とのつながりが強まることが報告されています。

遊びは子どもの専売特許ではありません。むしろ、忙しさに追われる大人こそ、必要としている可能性があるのです。

目次

  • 大人の遊びは「おもちゃ」ではなく「姿勢」
  • 遊びは「人とのつながり」を再構築する

大人の遊びは「おもちゃ」ではなく「姿勢」

「大人の遊び」と聞くと、ゲームやスポーツを思い浮かべるかもしれません。

しかし研究が強調しているのは、遊びの“形”ではなく“向き合い方”です。

大人の遊びは、必ずしもおもちゃや遊具を使うことではありません。

音楽を楽しむこと、ユーモアを交えた会話、即興的なアイデア出し、ただ純粋に「楽しいからやる」という行動も含まれます。

重要なのは、好奇心、開放性、そして結果に縛られない姿勢です。

「役に立つかどうか」ではなく、「面白いかどうか」で動く時間です。

研究によれば、遊びに積極的な大人はストレスに対処する力が高く、ポジティブな感情をより多く経験し、困難に直面したときの回復力も高い傾向があります。

また、人生全体への満足度も高いことが報告されています。

さらに近年の研究では、遊び心と高齢期の認知的健康の間に、神経生物学的な関連がある可能性も示唆されています。

遊びは単なる気晴らしではなく、心身の機能を支える基盤になり得るのです。

遊びは、プレッシャーや成果主義から一時的に離れ、心を「リセット」する空間をつくります。

その結果、感情のバランスが整い、長期的な生活の質の維持にもつながると考えられています。

遊びは「人とのつながり」を再構築する

遊びの効果は個人の内面にとどまりません。

社会的な場面での遊び心は、感情知能の高さとも関連しています。感情を読み取り、調整する力が高く、他者とのやり取りがより共感的で前向きになる傾向があるのです。

観察研究では、遊び心のある大人は、より相互的で、協力的で、温かい交流を行うことが示されています。

結果として、社会的なつながりや帰属感(集団やコミュニティに自分が属している感覚)が強まります。

さらに興味深いのは、遊びが「年齢の壁」を越える力を持つ点です。

大人と子どもが一緒に遊ぶとき、年齢や立場の違いは薄れ、共有された楽しさが中心になります。

世代間の遊び体験は、関係性を強化し、ウェルビーイングを支え、年齢に基づく固定観念を減らす可能性があると研究は示唆しています。

遊びは、世代をつなぐ共通言語になるのです。

また、都市デザインの研究では、日常空間に遊びの要素をさりげなく組み込むことの重要性も指摘されています。

大きな段差や曲がりくねった小道、音の出る遊具などが、大人にも自然な身体活動や探索行動を促します。

しかし現状では、公共空間の多くが子ども向けに設計されており、大人の遊びはまだ例外的な存在です。

社会規範もまた、大人が遊ぶことを「恥ずかしいもの」とみなす場合があります。

遊びが当たり前でない社会では、遊びは消えてしまいます。

逆に、遊び心が自然に存在する環境では、人々はより参加しやすくなります。

大人こそ、遊べ!

遊びは長いあいだ、子どものもの、あるいは特別な余暇のものと考えられてきました。

しかし証拠は、遊び心が成人期を通じて重要であり続けることを示しています。

それはストレス対処、感情の安定、社会的つながり、さらには認知的健康にまで関わる可能性があります。

「忙しいから遊べない」のではなく、「忙しいからこそ遊ぶ」発想が必要なのかもしれません。

もし遊びを大人の生活の正当な一部として再定義できたなら。

私たちの幸福感の設計図は、少しだけ書き換わる可能性があります。

参考文献

Play Can Make Adults Feel Happier And Less Stressed, Research Shows
https://www.sciencealert.com/play-can-make-adults-feel-happier-and-less-stressed-research-shows

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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