1. トップ
  2. おでかけ
  3. 「津軽海峡マグロ女子会」を立ち上げた女性「青森・函館エリアを訪れた皆さんが小さな町や村まで来てもらえるよう頑張ります!」

「津軽海峡マグロ女子会」を立ち上げた女性「青森・函館エリアを訪れた皆さんが小さな町や村まで来てもらえるよう頑張ります!」

  • 2026.2.19

今年の初め、東京・豊洲市場の初競りで青森県大間産のマグロに5億1030万円という史上最高値が付いたことを、ご記憶の方も多いと思います。実は、このマグロゆかりの女性グループがあることは、ご存知でしょうか?今回は、コチラの女性グループ、通称「マグ女」の皆さんのお話です。

島康子さん 画像提供:島康子さん
島康子さん 画像提供:島康子さん

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

東京から東北新幹線、在来線、路線バスを乗り継いで、およそ半日。青森県大間町は、下北半島にある本州最北端のまちです。天候が良ければ、およそ17キロ先の海を挟んだ対岸に、北海道・函館のまちが見えて、夏の夜には、イカ釣り漁船が灯す「いさり火」が津軽海峡に輝きます。

マグ女といがめんずの皆さん 画像提供:島康子さん
マグ女といがめんずの皆さん 画像提供:島康子さん

この大間にお住まいの島康子さんは、地元出身の60歳。青森・函館エリアの元気な女性が集まって結成された津軽海峡マグロ女子会、通称「マグ女」の青森側とりまとめ役を務めています。島さんは、進学・就職で上京後、1998年、家業の青森ひばの製材工場を継ぐために、ご主人と一緒に、ふるさと・大間に戻りました。仕事に追われていた東京の暮らしに比べれば、大間はのんびりとした生活。島さんは、何か面白いことはないか、探し始めます。

ちょうどその頃、大間が朝ドラ「私の青空」の舞台となりました。伊東四朗さんが演じた伝説のマグロ漁師が、フェリーで旅立つヒロインの娘を、大漁旗と共に岸壁で見送ったシーンは、朝ドラ屈指の名場面と評判を呼びます。

「そういえば私も小さい頃、フェリーに手を振ってたなぁ。私も大漁旗、振りたい!」

はたふりウェルカム 画像提供:島康子さん
はたふりウェルカム 画像提供:島康子さん

やる気に火が点いた島さんは、すぐに「まちおこしゲリラあおぞら組」を立ち上げます。そして、漁師さんから大漁旗をかき集めて、大間と函館を結ぶフェリーの入港に合わせ、「はたふりウェルカム」と称して、「よぐ来たの~!」と叫びながら旗をブンブン振ると、乗客の皆さんが喜んでくれました。

その嬉しさを励みに、ドラマの後も、あおぞら組のメンバーは大漁旗を振り続けます。企画したローマの休日ならぬ「オーマの休日」と銘打ったまち歩きツアーも話題を呼び、フェリーが廃止の危機に陥った際は、メンバーが先頭に立って、何とか繋ぎ留めました。そんな取り組みが、島さんに新たな出会いを呼び込むことになるのです。

出逢ったのは海の向こう側、北海道・松前の老舗温泉旅館の女将、工藤夏子さん。工藤さんもまちおこしに取り組んでいたことから、島さんはすぐに意気投合。2016年3月の北海道新幹線開業に向けて、何か一緒にやろうと動き出します。大間と松前の共通点、それは「マグロ」でした。

実は津軽海峡のマグロは、大間産だけでなく、松前産のものもあるんですね。そんな折、ひと足早く新幹線が通る北陸・加賀温泉郷の女将さんたちが、「レディーカガ」を結成して話題になります。

「あっちがレディーカガなら、こっちはマグロ女子、マグ女だ!!」

活動10周年を迎えたマグ女の皆さん 画像提供:島康子さん
活動10周年を迎えたマグ女の皆さん 画像提供:島康子さん

そんな意気込みの下、2014年のひなまつりに、島さんを青森側のとりまとめ役、工藤さんを北海道側のとりまとめ役に、「津軽海峡マグロ女子会」が結成されました。死ぬまでずっと泳ぎ続ける津軽海峡のマグロのように、次から次へとチャレンジし続ける元気な女性グループ、「マグ女」にはそんな思いを込めたといいます。

その名の通り、休む暇もなく取り組み続けたのは、北海道新幹線開業に合わせて開催する「マグ女のセイカン♡博覧会」。新幹線をきっかけに青森や北海道を訪れた人たちに、隅々まで巡ってもらえるよう、マグ女のプロデュースでいろいろな仕掛けを作っていこうというものです。

忙しい日々のなかで迎えた2016年3月の北海道新幹線開業。マグ女に協力してくれる男性たち、通称「いがめんず」のサポートもあって、開業を祝って青森・竜飛崎で打ち上げた花火が、北海道・白神岬から見えるか、実験するイベントに取り組みました。

島さんたちが白神岬から息を呑んで見守るなか、5、4、3、2、1…と数秒の沈黙のあと、パーッと、海の向こうに大輪の花が咲いたのが見えました。

『これで行ける!人と人を繋げれば、たとえ海があっても道は出来るんだ!』

北海道新幹線開業時の観光キャンペーンで駅弁を開発したときのマグ女の皆さん 画像提供:島康子さん
北海道新幹線開業時の観光キャンペーンで駅弁を開発したときのマグ女の皆さん 画像提供:島康子さん

そう確信したあの春から、今年で10年。青森・函館エリアを会場とした「マグ女のセイカン♡博覧会」は、ほぼ毎年開催され、今シーズン初めて、真冬の開催に挑戦しました。

「マグロは回遊魚です。青森・函館エリアを訪れた皆さんが、もっと小さな町や村まで回遊してもらえるように、婆ちゃんになって腰曲がっても、頑張っていきます!」

島さんのふるさとへの思いと共に、「マグ女」はまだまだ泳ぎ続けます。

元記事で読む
の記事をもっとみる