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「開始5分で面白い」「テレ東の本気を感じる」冒頭で虜になる“群を抜く完成度”…「釘付けになった」称賛殺到の名ドラマ

  • 2026.2.19

物語が本格的に動き出す前から「これはきっと面白い」と確信させてくれるドラマがあります。派手な展開や印象的なセリフがあるというわけではないのに、作品全体に流れる空気感や温度で、視聴者の感覚を静かに掴んでくるタイプのドラマです。

その代表例が、ドラマ『東京怪奇酒』です。怪談と酒、一人きりの東京の夜。一見ちぐはぐに思える要素が、不思議な調和を保ちながら物語を紡いでいきます。大きな事件が起こるわけではないのに、気づけば画面から目が離せなくなる感覚を味わうことができるでしょう。

本作は放送当時、爆発的な話題作というより、口コミや配信を通じて支持を広げていった人気作です。夜に一人で観ると、より作品の魅力が深く染み込んでくるタイプのドラマです。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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撮影に応じる杉野遥亮(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『東京怪奇酒』(テレビ東京系)
  • 放送期間:2021年2月19日〜3月26日
  • 出演:杉野遥亮(本人役)

ホラー作品がとにかく苦手な俳優・杉野遥亮のもとに、まさかの海外ホラー映画主演の話が舞い込みます。そんな中、彼がパーソナリティを務めるラジオ番組『杉野遥亮の今度は長ズボン』に、漫画家・清野とおるがゲストとして登場することに。そこで語られたのは、不思議な体験を呼び込むという“怪奇酒”の存在でした。「怖がりな人ほど相性がいい」という言葉に背中を押され、半信半疑のまま杉野はその怪奇酒を試すことになります。

怪奇酒とは、実際に心霊現象が起きた場所を訪れ、酒を飲みながら霊と向き合う危険な行為です。カルト芸人(チャンス大城)の恐怖体験を語ったアパート、怪談マニアの間で知られる猫塚、事故物件住みます芸人(松原タニシ)が勧める孤独死した男性の霊が彷徨う事故物件、怪談好きミュージシャン(R-指定)に聞いた封鎖されたフロアを持つ曰くつきのホテルなど、杉野は怪談の語り手たちに導かれ、次々と恐怖の現場へ足を踏み入れていきます。

やがて怪奇酒に慣れ始めた杉野は、恐怖を恐怖で上書きするように刺激を求め、仲間(岡山天音)を巻き込み、さらには事故物件サイトの管理人(大島てる)に紹介された事故物件の聖地と呼ばれるアパートへ辿り着くことに。怖がりだった男は、怪奇酒を通して恐怖に魅せられ、その先に待つとんでもない光景へと引き寄せられていきます。

開始5分ですでに面白い予感

ドラマ『東京怪奇酒』の最大の魅力は、始まってすぐに作品世界へ引き込む力にあります。ポイントはホラーとコメディの融合、杉野遥亮さんの等身大の演技、清野とおるさん原作の異色な世界観です。

冒頭、チャンス大城さんら怪談マスターから心霊体験を聞くシーンから始まりますが、恐怖話の後にその現場で酒を飲むという常軌を逸した怪奇酒のルールが提示されます。恐怖心を高揚感に変えて酒を飲むという不謹慎さが、逆に新鮮でコミカルなドラマの雰囲気を決定づけます。

ホラーが苦手な杉野遥亮さんが本人役で主演しているため、彼が怪談オールスターズ(怪談師)から恐ろしい実体験を聞かされるシーンでは、リアルな反応が見られます。回を重ねるにつれて杉野さんの心境が変化していく点も注目ポイントです。

『東京都北区赤羽』などで知られる清野とおるさんの原作通り、実在の心霊スポットや実話怪談をベースにしているため、リアリティとフィクションの境界線が曖昧なスリルがあります。清野さんは原作の制作にあたって、KADOKAWA文庫WEBマガジン『カドブン』のインタビューで、

今まで誰もやったことがない変なジャンルを作り出したいといつも思っているので、今回もどうせやるなら変な形でやろうかなと。出典:『怪談現場で飲酒すると…奇妙な出来事が!? 清野とおるさん『東京怪奇酒』インタビュー』カドブン 2020年05月18日

とコメントしていました。

開始5分で、ホラーファンだけでなく、シュールな笑いや一人の時間を好む層を虜にする、独特な雰囲気が漂っています。SNS上でも「開始5分で面白い」「テレ東の本気を感じる」などの声が見られました。

ホラー×コメディ×グルメの異色コンセプト

ドラマ『東京怪奇酒』は、いわゆる王道ドラマとは一線を画す作品です。ホラーでもあり、コメディでもあり、グルメドラマでもあり、その曖昧さこそが本作の個性かつ強みでしょう。

放送当時、深夜帯の放送ながら「かなり面白いな」「釘付けになった」「めっちゃお酒美味しそうに見える」「来週もたのしみ」といった声がSNSを中心に広がり、見逃し配信で改めて注目する視聴者も少なくなかったようです。

また、本作のオープニングを飾るのは、10〜20代から絶大な人気を誇るシンガーソングライター・故・酸欠少女さユりさんが制作し書き下ろした楽曲『かみさま』です。鋭く切り込むロックサウンドに乗せ、危険と知りながらも欲望に身を委ねてしまう人間の内面を描き出しています。酸欠少女ならではの挑発的な感性と尽きない好奇心が凝縮された、欲望をテーマにした一曲です。

確実に刺さる人に深く刺さる作品として、ドラマ『東京怪奇酒』は存在感を放ち続けています。怪談の余韻と酒の温度を同時に味わう、そんな唯一無二の体験を提示したこと自体がこのドラマの大きな功績です。

開始早々虜になるドラマは数あれど、ここまで静かに、そして確実に心を掴んでくる作品はそう多くありません。ドラマ『東京怪奇酒』は、夜に一人で観てこそ真価を発揮する大人のための名ドラマです。


※記事は執筆時点の情報です。



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