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放送終了から6年「永遠に待ち続けます」「NHKさん、どうか…」絶え間なく続く“切実な訴え”…異彩を放つ至高ドラマ

  • 2026.2.19

映画やドラマの中でも続編制作が期待されている作品があります。今回はその中でも“続編が熱望されている作品”を5選セレクトしました。

 本記事では、第1弾としてドラマ『そろばん侍 風の市兵衛』(NHK総合)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想のもとに作品選定・制作された記事です。
※一部ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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NINJA WARSの制作発表会で撮影に応じる山本千尋(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):『そろばん侍 風の市兵衛』(NHK総合)
  • 放送期間:2018年5月19日~7月21日(全9回)※2020年 スペシャル版放送

主人公は、武家や商家の家計を預かる唐木市兵衛(向井理)。穏やかで物腰が柔らかく、争いごととは無縁に見える市井の男ですが、実は剣の達人でもあります。過去の出来事から武士としての生き方に疑問を抱き、現在は渡りの用人として生きる道を選んでいます。市兵衛は計算力と商いの知識に長け、金銭トラブルや商人同士の争い、人々の生活に直結する問題を冷静に見抜いていきます。

物語の舞台は江戸の町。奉行所や武家社会の権力争いではなく、商人、職人、長屋の住人といった庶民の視点から物語が展開されます。高利貸しによる搾取、不正な取引、裏に潜む悪徳役人など、現代にも通じる社会問題が描かれ、市兵衛は剣を振るうよりも、そろばんで数字を突きつけ、論理と人情によって解決策を導き出していきます。

しかし、すべてがそろばんだけで解決するわけではありません。守るべき人の命や尊厳が脅かされたとき、市兵衛は封印していた剣を手に取り、最小限の戦いで悪を止めます。凄腕の剣術使いでもある市兵衛が、そろばんと刀で悪を成敗していきます。 

NHK時代劇だけど知恵と算術で戦う斬新なヒーロー

ドラマ『そろばん侍 風の市兵衛』の最大の見どころとして、知恵とそろばんで戦う斬新なヒーロー像が挙げられます。本格的な時代劇アクションと“経済”という現代的テーマを融合させた、NHK時代劇の中でも特に完成度の高い異彩を放つ作品です。従来の時代劇のように剣だけで悪を倒すのではなく、まず経済的に追い詰めるという点が、非常に現代的で説得力のある設定となっています。

悪徳商人や不正役人に対し、証拠と数字を突きつけて責任を取らせ、それでも弱者の命や尊厳が脅かされた時のみ“風の剣”を抜くという構成です。この静と動の切り替えが、物語に緊張感と爽快感の両方を生み出しています。さらに向井理さん、原田泰造さんをはじめとする実力派キャストの重厚な演技や、江戸の町並みを丁寧に再現した映像美も、作品の質を支えています。

2018年の連続ドラマと2020年の正月時代劇SP以降、続編の公式発表はありません。しかし原作小説は現在、『風の市兵衛 弐』シリーズとして刊行が続いており、映像化可能なエピソードは豊富です。SNSでは「永遠に待ち続けます」「NHKさん、どうか…」など続編を切望する声も根強く、“知恵で戦う時代劇”として再始動が強く期待されている作品と言えるでしょう。

謎の女剣士・青の完成度に注目

ドラマ『そろばん侍 風の市兵衛』の見どころの一つとして、謎の女剣士・青(セイ)の完成度の高さが挙げられます。青を演じる山本千尋さんの好演は本作を単なる人情時代劇ではなく、本格アクション時代劇として成立させた最大の功績の一つと言えます。

青は清国から来た剣士で、市兵衛の前に立ちはだかる宿敵として登場します。単なる敵役ではなく、過去や背景に影を抱えた人物として描かれ、市兵衛と同じく“生き方”に葛藤する存在である点が物語に深みを与えています。

注目すべきは、山本千尋さんのアクションシーンです。山本さんは3歳から中国武術を学び、世界大会で複数回金メダルを獲得してきた本格派アスリートでもあります。そのため、青の殺陣はスタントに頼らず、スピード・柔軟性・重心移動すべてがリアルで、従来の時代劇とは一線を画す迫力を生み出しました。市兵衛の“風の剣”が静と間を重視した剣術であるのに対し、青の動きは流れるような連続攻撃型で、異文化の武術として明確に差別化されています。この対比が、両者の対決シーンをシリーズ屈指の名場面へと押し上げました。

続編が熱望される名作

ドラマ『そろばん侍 風の市兵衛』は、剣ではなく知恵とそろばんで悪を追い詰める斬新なヒーロー像が最大の魅力です。経済的視点から問題を解決し、最後の手段としてのみ“風の剣”を抜く構成は、従来の時代劇にない現代的リアリティを生み出しています。

さらに、謎の女剣士・青を演じた山本千尋さんの本格アクションが作品の完成度を大きく引き上げ、市兵衛との対決シーンはシリーズ屈指の名場面として高く評価されています。今なお続編を望む声が多い名作時代劇です。


※記事内の情報は執筆時点の内容です。