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「この仕事よろしく」と新人に出した指示→「ピロン!」新人から返ってきたのはパンダのスタンプ【短編小説】

  • 2026.2.10

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

新人の思わぬ返信

入社10年目、中堅社員として後輩の指導にも熱が入る今日この頃。

私には最近、価値観がガラガラと音を立てて崩れるような出来事がありました。

それは、締め切りが迫ったある忙しい夕方のこと。

上司から急ぎのデータ集計を頼まれた私は、自分の手持ちの仕事も山積みだったため、最近配属されたばかりの男性新入社員に手伝ってもらうことにしました。

新人にスマホから、丁寧に、少しラフに文章を送りました。

「急で申し訳ないけれど、この資料入力お願いできるかな?君ならできると思うから、この仕事よろしく!」

送信ボタンを押して、わずか数秒後。

私のスマホが「ピロン!」と軽快な通知音を立てました。

あまりの反応の速さに、「え、もう読んだの?」と驚きつつ画面に目を落とすと、そこには信じられないものが表示されていました。

スーツ姿のパンダが、敬礼しながら「了解」言っているスタンプ。

……たった、一つ。

「は?」 思わず声が出そうになりました。

「承知いたしました」とか「確認します」とか、まずは言葉があるべきでしょう?

百歩譲ってスタンプだとしても、上司や先輩に対してパンダ?

これは教育係として、ガツンと言ってやらなければなりません。

社会人の常識というものを、しっかりと教え込む必要があります。

私は「スタンプだけで返すのは失礼よ」と入力しようと、スマホを強く握りしめました。

その時です。再び「ピロン!」と通知音が鳴りました。

「終わりました!データ送りますね」

求められてるのは…

えっ!? 時計を見ると、依頼してからまだ15分も経っていません。

「まさか、適当にやったんじゃ……」 疑いながら、恐る恐る送られてきたファイルを開きました。

すると、そこには完璧なフォーマットで、ミス一つないデータが完成していたのです。

しかも、私が以前「こうすると見やすいよ」と教えた細かい工夫まで、完璧に反映されています。

彼の方をちらりと見ると、涼しい顔で、もう次の仕事に取り掛かっていました。

私は入力しかけたお説教メッセージを、そっと消去しました。

仕事が遅くて丁寧な言葉だけ並べる人と、一瞬で完璧に仕事をこなすけれど返信はパンダの新人。

会社にとってありがたいのは、悔しいけれど後者なのかもしれません。時代は変わったのです。

「……ありがとう、助かったわ」

私は少しだけ敗北感を感じながら、感謝の言葉と共に、自分のお気に入りの「猫が全力で土下座して感謝しているスタンプ」をそっと送信しました。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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