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洋食器、新時代|憧れブランドの進化形、“いま欲しい”お茶の器

  • 2026.2.2
撮影=川上輝明

陶磁器、クリスタル、銀器……食卓を彩ってきた洋食器の歴史を担う名窯は、現代のライフスタイルに合わせたデザインやユニークなアイテムを、絶えず生み出しています。“いま欲しい”フレッシュなお茶の器を取り揃えました。

since 1710

マイセン|MEISSEN

撮影=川上輝明

「波の戯れ ホワイト」ティーポット[約W13.5×D23.5×H16cm/1,050ml]77,000円、同ティークリーマー[約W9×H10cm/120ml]16,500円、同ケーキプレート[約⌀19cm]各11,000円
「ブルーミーライン」長角皿[約W27×D14cm]60,500円、同カップ&ソーサー[カップ約⌀9.5×H5.5cm/250ml、ソーサー約⌀16.5cm]各38,500円
(すべてマイセン/ジーケージャパンエージェンシー)

300年の歴史が育んだ磁器名窯の美意識

ザクセン選帝侯アウグスト強王の命によりドイツで誕生した、ヨーロッパ最古の硬質磁器窯、マイセン。中国磁器に匹敵する硬質白磁の製法を確立して以来、繊細な絵付けと造形美で、ヨーロッパ磁器文化を牽引してきました。

「波の戯れ」は、さざ波のようなレリーフが特徴で、光の陰影が器に豊かな表情を与える、現代のマイセンを代表する白一色のシリーズ。

一方、17世紀の中国磁器に着想した代表柄「ブルーオニオン」を現代的に表現したのが日本オリジナルの新作「ブルーミーライン」。青の線描を基調に可憐な植物模様をあしらい、より軽やかで親しみやすい印象に。

since 1735

ジノリ 1735|GINORI 1735

撮影=川上輝明

「ディーヴァ」ティーカップ[⌀9.9×H5.4cm/245ml]各22,000円、ティーソーサー[⌀17×H1.7cm]各12,100円、クリーマー[⌀8.5×H7cm/305ml]各44,000円、ティーポット[⌀13×H11.2cm/770ml]各82,500円、プレート[⌀20×H2.4cm]各13,200円
(すべてジノリ1735)

イタリアの美学が息づくシャープな造形、優美な色使い

フィレンツェ近郊のドッチャ村でカルロ・ジノリ侯爵により創設された、イタリアを代表する名窯。ルネサンス彫刻の伝統が息づく土地柄から、造形美を重んじ、白磁の端正さと装飾性を兼ね備えた作品で知られてきました。古典美術への深い造詣は、神話や自然を題材とする意匠にも色濃く表れています。

現在はミラノを拠点とし、よりモードでシャープなデザインへと進化。2024年に発表された「ディーヴァ」は、ローザ(ピンク)、ジャッロ(黄色)、セレステ(水色)、ヴェルデ(緑色)の4種類のパステルカラーに繊細なゴールドの縁取りが美しく、スタッキングができる使い勝手のよさも特徴です。

since 1759

ウェッジウッド|WEDGWOOD

撮影=川上輝明

「フロレンティーン」ティーボウル&ソーサー6色セット[ボウル各⌀8.5×H5cm/150ml、ソーサー各⌀12.5cn]110,000円※写真のほかターコイズ、フューシャもあり。 同スモールティーポット ターコイズ[W17.5×⌀11×H9.5cm/460ml]38,500円、同スクエアトレイ シトロン、ターコイズ[W14.5×D14.5×H1.7cm]各13,750円、同プチトレイ マリン、フューシャ[⌀12.3×H1.5cm]各11,000円
(すべてウェッジウッド)

英国磁器の粋を映す、伝統柄の新たな色彩表現

英国陶工の父と称されるジョサイア・ウェッジウッドによる創設以来、英国のクラフトマンシップを象徴する工房として世界中で愛されるウェッジウッド。

代表作のひとつ「フロレンティーン」は、ギリシャ神話の想像上の生き物グリフィンなどをあしらった華やかな装飾文様で、19世紀後半からの長い歴史を経て多くの人々に親しまれてきた名品です。

2024年には誕生150周年を迎え、伝統色のターコイズに、ポップな新色(フューシャ、ヴェルデ、シトロン、マリン、サーモン)が加わり全6色のカラーバリエーションに。より自由なスタイルでテーブルコーディネートを楽しめるようになりました。

since 1764

バカラ|Baccarat

撮影=川上輝明

〈右から〉「オクトゴン」トレイs(レッド)[W33×D23×H3cm]55,000円
「ファウナクリストポリス アルクール」ティーセット[タンブラー各⌀9.3×H9.1cm/250ml、ティーポットW18×D12×H17cm/370ml]
「ミルニュイ」ペストリースタンド[上段⌀16×中段⌀21×下段⌀26×H30.7cm]ともに165,000円(すべてバカラショップ 丸の内)

素材を超え、多彩に展開する“アール・ドゥ・ヴィーヴル”

フランス・ロレーヌ地方で生まれ、卓越した透明度と重厚感あるカッティングで食卓を芸術の域に高めてきたクリスタルの名門。1841年誕生の「アルクール」は、六角形のフットに、直線的なカットと安定感のあるフォルムを特徴としたバカラの代名詞。その造形思想を広げた「オクトゴン」シリーズは、トレイや花瓶などのアイテム展開でモダンな表情を見せます。

「ファウナクリストポリス アルクール」ティーセットでは空想上の生き物を象ったクリスタルの蓋とリヤドロ社製の陶器を組み合わせたポットで、素材の枠を超えた物語を表現。“千の夜”を意味する「ミルニュイ」は、星空を思わせる繊細なカットで、お茶の時間に詩的な余韻を添えます。

since 1775

ロイヤル コペンハーゲン|Royal Copenhagen

撮影=川上輝明

「コーラルフルーテッド ハーフレース」ティーポット[W21×D12×H14cm/700ml]58,300円、同ボンボニエール[W13×D9×H9.5cm]※参考商品、 同ティーカップ&ソーサー[カップ⌀10×H5cm/220ml、ソーサー⌀14.5cm]各30,800円、同オーバルディッシュ[W23.5×D15cm]26,400円、同リーフディッシュ[W23×D18cm]41,800円
「コーラルレース」デザートスタンド2段[上段⌀17×下段⌀22×H24cm]41,800円
(すべてロイヤル コペンハーゲン 新丸ビル店)

優しい色彩とレースの表情。軽やかで温かみあるテーブルに

デンマーク王室の庇護のもと育まれてきた北欧磁器は、手描きによるブルーの絵付けと、器の表面に縦に刻まれた溝「フルーテッド」による端正な造形で世界的に知られています。

近年は色彩の表現を広げ、多彩な色展開に。「コーラル」はそのひとつで、2023年に登場。クラシックな造形に温かみのある色調を重ねた現代的な解釈です。

「コーラル フルーテッド ハーフレース」は、柔らかな珊瑚色で描かれた装飾の華やかな表情が魅力。繊細な縁取りがティアラのように美しいシリーズ「コーラル レース」は、北欧らしい洗練された模様でティータイムをフレッシュに彩ります。

since 1826

ヘレンド|HEREND

撮影=川上輝明

〈上段〉「アポニー・グリーン」オリエンタルカップ&ソーサー[カップ⌀8.5×H5.5cm/120ml、ソーサー⌀13×H2.5cm]各27,500円、「上海」マルボンボン[W7.5×D7.5×H7.5cm]、「トゥッピーニの薔薇」アシツキボックス[W7×D7×H7.5cm]各110,000円
〈下段〉「ミラマーレ」マルボンボン(⌀7.5×H5.5cm)80,300円、「東方の宝」オブロングトレー ナカノゾキ[W8×D8.5×H3cm]26,400円
(すべてクラブ ヘレンド ジャパン本店)

西洋磁器の技術に東洋的装飾を掛け合わせて

薄く軽やかな白磁に、熟練の職人が手描きで施す繊細な絵付け。東西文化の交差点に位置するハンガリーの地で生まれ、東洋趣味を巧みに取り入れた意匠は、やがてハプスブルク家などの王侯貴族に愛され名声を高めてきました。

碗形のカップ&ソーサーは、簡潔な構図と深みのある緑色が印象的な代表柄「アポニー・グリーン」を東洋風にアレンジしたもの。シノワズリ系のシリーズを合わせれば、異国情緒が重なり合い、オリエンタルなしつらえに。マルボンボン(ボンボニエール)やトレイを愛嬌たっぷりに飾るのは、中国の役人をモチーフにした「マンダリン」というキャラクター。

since 1830

クリストフル|Christofle

撮影=川上輝明

「ムード コーヒー」エスプレッソスプーン6本セット シルバーコーティング[⌀8.7×H13cm、スプーンW10cm]72,600円、トレイ ステンレス[⌀32×H3cm、ハンドル込み]128,700円、エスプレッソカップ2個セット[各⌀5×H5cm]12,100円
(すべてクリストフル 青山本店)

老舗銀器メゾンが描くミニマルなコーヒーの時間

フランスで育まれた銀器文化を基本に、デザイン性と実用性を高い次元で融合させてきたメゾン。19世紀には産業技術を取り入れ、銀器を暮らしに広めた存在としても知られます。伝統的なカトラリーの分野で培われた技と美意識は、現代のテーブルウェアやライフスタイル提案にも息づいています。

「ムード コーヒー セット」は、その象徴ともいえるコレクション。艶やかなカプセル形のケースに収められたカトラリーを中心に、カップやトレイを含め毎日のコーヒーの時間をひとつの情景として演出します。銀の輝きとミニマルな造形が調和し、日常に洗練されたひとときを与えてくれます。

since 1863

ベルナルド|BERNARDAUD

撮影=川上輝明

「マグノマド(タンブラー)」[各D9.1×H15.5cm/475ml]1.アルベルティーヌ33,000円、2.エキュム ローズ35,200円、3.エキュム プラティーヌ60,500円、4.キンツギ34,100円、5.ルーブル24,200円
(すべてベルナルド 表参道)

伝統白磁に彩りと遊び心を。カラフルな新感覚マグ

フランス・リモージュの工房からスタートした磁器ブランドは、手仕事による磁器作りと色彩表現にこだわり、エレガントでありながら日常に寄り添う器を提案してきました。伝統的な白磁に、鮮やかな釉薬やパターンを施す技術は、食卓に華やぎと遊び心を添えます。

「マグ ノマド」は、それを体現するコレクションで、シンプルなフォルムに温かみのあるカラーや模様を組み合わせ、バリエーション豊かに展開。日々のティー&コーヒータイムを心地よく彩り、スタッキングや組み合わせで、自由なコーディネートを楽しめます。在宅ワークのデスクにも華やぎを与えてくれるに違いありません。

since 1953

リヤドロ|LLADRÓ

撮影=川上輝明

「カフキ」シュガーボウル[W14×D17×H21cm]69,300円、同コーヒーポット[W15×D10×H29cm]92,400円、同ミルクジャグ[W10×D8×H13cm]48,400円、同カップ&ソーサー 2客セット[カップ各⌀7.5×H6.5cm/160ml、ソーサー各⌀12.5×H1cm]73,700円
「こけしランプ」ブルー[W13×D13×H29cm]78,100円
(すべてリヤドロ銀座サテライトブティック)

フィギュリン由来の造形力。愛しさで満たされるお茶時間

スペイン東部、陶磁器の産地バレンシアで、3兄弟によって創設されたリヤドロ。豊かな地中海文化と卓越した職人技を背景に、なめらかで薄手の白磁に緻密な造形と手描きの彩色を施すフィギュリン(磁器人形)で世界的に知られる名工房です。人形制作で培った立体表現や繊細な色彩感覚は、洋食器や照明、ホームアクセサリーの分野にも幅広く応用されています。

「カフキ」は、独創的なフォルムと遊び心溢れる色彩で魅了するデザイナーズコレクション。スラブ民話をテーマにした鳥のモチーフはなんともユニークで、思わず表情が緩んでしまう可愛らしさです。

撮影=川上輝明 スタイリング=水嶋千恵 編集・文=柏木敦子(婦人画報編集部)

『婦人画報』2026年3月号より

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