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人間「上位10%」の創造性スコアはAIを大きく上回る

  • 2026.2.2
10万人の人間とAIの創造性テストを実施。結果は? / Credit:Canva

今では多くの作業をAIが一瞬で行ってくれます。

文章の作成や要約、アイデア出しまでこなす姿を見ると、「では人間の創造性は、AIにどこまで迫られているのだろうか」と疑問に思う人も多いでしょう。

こうした問いに答えるため、カナダのモントリオール大学(University of Montreal)の研究チームは、10万人の人間と複数の最新AIを同じ創造性テストで比較する大規模研究を行いました。

AIは人間の創造性を超えたのか、それとも別の位置にいるのかを、統計的に検証したのです。

この研究成果は、2026年1月21日付の『Scientific Reports』に掲載されました。

目次

  • 10万人の人間とAIで創造性を比較
  • 人間のトップ層の創造性はAIを大きく上回る

10万人の人間とAIで創造性を比較

創造性は日常的によく使われる言葉ですが、科学的に測定するのは簡単ではありません。

絵画や音楽、物語のような創作活動は評価が主観的になりやすく、客観的な比較が難しいためです。

そこで研究者たちは、創造性を一つのまとまりとしてではなく、いくつかの要素に分けて捉えることにしました。

今回注目されたのは、「拡散的思考」と呼ばれる側面です。

これは、一つの正解に収束するのではなく、意味的に離れた方向へ思考を広げていく力を指します。

心理学の分野では、創造的なアイデア出しを支える重要な要素の一つとして、以前から研究されてきました。

この拡散的思考を測るために用いられたのが、「拡散連想課題」と呼ばれるテストです。

課題自体はとてもシンプルで、「意味的にできるだけ異なる単語を10個挙げてください」と指示されます。

挙げられた単語どうしが互いに遠い意味領域に広がっているほど、高いスコアとなります。

この研究の大きな特徴は、同じ課題と同じ評価方法を、人間とAIの双方に適用した点にあります。

人間側のデータは10万人分という非常に大規模なもので、年齢や性別の偏りも統計的に調整されています。

一方、AI側にはChatGPTを含む複数の最新の大規模言語モデルが参加しました。

その結果、AIの中には、人間参加者全体の平均スコアと同等、あるいはそれを上回る成績を示すモデルがあることが分かりました。

ただし同時に、人間の中にはAIを大きく上回る成績を示す層が存在することも明らかになっています。

こうした結果の詳細を次項で確認しましょう。

人間のトップ層の創造性はAIを大きく上回る

研究チームはまず、拡散連想課題のスコアを用いて、人間とAIの創造性を分布として比較しました。

人間10万人のスコアをならべてみると、その幅は非常に広く、低いスコアの人から非常に高いスコアの人まで、ばらつきが大きいことが分かりました。

一方で、GPT-4など一部の大規模言語モデルは、人間全体の平均スコアと同等、あるいはそれを上回る値を示しました。

これは、AIが拡散的思考を必要とする言語課題において、一定水準の創造的パフォーマンスを安定して発揮できる段階に到達していることを意味します。

しかし、人間のスコアを詳しく見ると、別の姿も浮かび上がってきます。

研究者たちは参加者をスコア順に並べ、上位50パーセント、上位25パーセント、上位10パーセントといった層ごとに平均スコアを計算しました。

その結果、上位層に進むにつれて人間のスコアは一貫して高くなり、AIとの間に明確な差が生じることが確認されました。

とくに上位10パーセントの人間参加者は、すべてのAIモデルを大きく上回るスコアを示していました。

ここで測られているのは、「どれだけ遠く離れた意味の単語を組み合わせられるか」という拡散的思考の一側面です。

今回の結果は、AIもこの点ではかなり健闘している一方で、「非常に大きく意味を飛ばした連想」を生み出すような、きわめて高い水準の創造性が、現時点では人間の上位層に集中していることを示しています。

研究チームはさらに、拡散連想課題だけでなく、俳句の作成、映画のあらすじ、短編小説といった、より実践的な創作課題についても比較を行いました。

これらの課題においても、一部のAIは平均的な人間と同程度、あるいは条件によってはそれ以上のスコアを示す場面がありました。

しかし人間の文章全体の平均スコアや、特に創造性の高い人たちを集めたグループと比べると、AIは依然として一段下の水準にとどまっていました。

拡散連想課題で見られた「トップ層の人間の優位性」は、文章創作という別の文脈でも再確認された形です。

また、AIの創造性は固定されたものではなく、生成時の設定や指示の与え方によって変化することも示されました。

生成時のパラメータを調整すると、AIはより多様で大胆な連想を示し、拡散連想課題のスコアははっきりと上昇しました。

映画のあらすじや短編小説のような創作課題でも、温度を上げることで創造性指標が高くなるケースが確認されています。

研究者たちは、今回の結果をもって「AIが人間の創造性を置き換える」と結論づけるべきではないと強調しています。

この研究で測定されたのは創造性の一側面であり、芸術的価値や社会的なインパクト、長期的な創作活動の持続力まで含めたものではありません。

むしろ今回の研究は、AIが創造的活動の一部を支える道具になりつつある一方で、人間の創造性が持つ幅と奥行きは依然として大きい、という二つの事実を同時に浮かび上がらせたと言えます。

人間はAIと勝ち負けの対決をするというより、それぞれの得意分野をどう組み合わせていくかを考えるべきなのです。

参考文献

AI and humans collide in world’s biggest creativity experiment
https://newatlas.com/ai-humanoids/human-creativity-ai/

Creative talent: has AI knocked humans out?
https://nouvelles.umontreal.ca/en/article/2026/01/20/creative-talent-has-ai-knocked-humans-out

元論文

Divergent creativity in humans and large language models
https://doi.org/10.1038/s41598-025-25157-3

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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