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朝ドラで“衝撃の役作り”をした俳優「ガチだったの!?」「とんでもない」ドラマ毎に“強い余韻”を残す実力派【木曜ドラマ】

  • 2026.2.27
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『おコメの女ー国税局資料調査課・雑国室ー』第6話より(C)テレビ朝日

テレビ朝日系木曜ドラマ『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』で注目されているのが、佐野勇斗演じる笹野耕一だ。東大卒の財務省キャリアという華やかな肩書きを持ちながらも、どこか飄々とした雰囲気を漂わせる役どころである。多彩な役柄を巧みに演じ分ける佐野は、ドラマ毎に視聴者へ強い余韻を残している。

※以下本文には放送内容が含まれます。

東大卒キャリア官僚という“居場所の難しさ”

物語の舞台は、圧倒的な情報収集能力を誇る東京国税局・資料調査課。通称『コメ』と呼ばれるこの部署は、税務調査にとって“最後の砦”とも言える存在だ。その中でも、米田正子(松嶋菜々子)が率いる新部署の複雑国税事案処理室・通称『ザッコク』は、厄介な事案を中心に扱う。

その『ザッコク』に所属するのが佐野演じる笹野耕一だ。東大卒、財務省キャリアという経歴は申し分ない。しかしその肩書きゆえに、局内では一歩引いた扱いを受けている。期待と遠慮が同時に向けられ、重要案件は任されない。能力があるからこそ過度に気を遣われるという、なんとも皮肉な立場だ。

周囲の忖度に対し、笹野は露骨に不満を示すわけではない。むしろ自分の立場を理解し、ひょうひょうと振る舞う。そんな彼を『ザッコク』へ引き抜いたのが正子だ。エリートの存在が部署の発言力を高めるという現実的な判断。そして何より、笹野の能力を正当に評価した結果でもある。数字に強く、情報処理能力に長ける彼は、複雑な資金の流れを読み解くキーパーソンとして物語の中核を担っていく。

朝ドラとの対比で見える演技の深化

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『おコメの女ー国税局資料調査課・雑国室ー』第6話より(C)テレビ朝日

佐野勇斗といえば、朝ドラ『おむすび』で演じた四ツ木翔也役が記憶に新しい。高校球児として汗を流し、家庭を大切にする誠実な青年像は、多くの視聴者に好印象を残した。また、役作りのため実際に頭を剃ったことも話題となり、「ガチだったの!?」「とんでもない役作り」と作品への向き合い方も評価された。

その四ツ木が“明るい太陽”のような存在だとすれば、笹野は“静かな月”のような人物だ。感情を前面に出すのではなく、理性と分析で物事を判断する。まっすぐさを武器にしていた青年期の役柄から、知性と抑制を求められるエリート役へ。振れ幅の広さはもちろん、演技の質そのものが一段深まっていることを感じさせる。

アイドルと俳優、その両立が生む説得力

現在、佐野はアイドルグループ『M!LK』の最年長メンバーとしても活動している。ライブやメディア露出を重ねる中で培った表現力と存在感は、俳優業にも確実に生きている。アイドルとしての親しみやすさと、俳優としての落ち着き。その両面を併せ持つからこそ、笹野の“近寄りがたさ”にどこか人間味が宿る。単なる冷徹なエリートではなく、何か事情を抱えている人物として映るのだ。

最終章へと突入した『おコメの女』。物語が政治の闇へと踏み込む中で、笹野耕一はどのような選択を下すのか。知性の裏に隠された本心が明かされる瞬間を、佐野勇斗がどう演じるのか。その行方に注目したい。


テレビ朝日系 ドラマ『おコメの女ー国税局資料調査課・雑国室ー』毎週木曜よる9時
TVerで見逃し配信中
https://tver.jp/episodes/epaev42idh

ライター:柚原みり。シナリオライター、小説家、編集者として多岐にわたり活動中。ゲームと漫画は日々のライフワーク。ドラマ・アニメなどに関する執筆や、編集業務など、ジャンルを横断した形で“物語”に携わっている。(X:@Yuzuhara_Miri