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「途中から別作品のよう」「いつもと違う」“Xトレンド1位”『アンナチュラル』脚本家の“挑戦”に高い評価【テレ朝ドラマ】

  • 2026.5.14

現在、TBS系金曜ドラマ枠にて放送中の『田鎖ブラザーズ』で主演を務める岡田将生。同ドラマでは、31年前に両親を殺害された刑事の兄・田鎖真を演じ、染谷将太と兄弟コンビを組む本格クライムサスペンスとして注目を集めているが、そんな岡田が昨年秋に出演し、視聴者の心を鷲づかみにしたのが、テレビ朝日系ドラマ『ちょっとだけエスパー』だ。

2025年10月から12月まで、毎週火曜夜9時に放送された本作は、大泉洋が主演を務め、野木亜紀子が脚本を手掛けるジャパニーズ・ヒーロードラマ。 野木亜紀子といえば、『アンナチュラル』『MIU404』など社会派の傑作ドラマを生み出してきたヒットメーカーだ。テレビ朝日の連続ドラマで野木が脚本を担当するのは本作が初めてという点も、放送前から大きな注目を集めた理由のひとつだった。

岡田将生も参加、豪華キャストと"信頼の脚本家"が生んだ注目作

主人公の文太(大泉洋)は、会社をクビになったどん底サラリーマン。妻と離婚し、財産分与と慰謝料で貯金は底をつき、ネットカフェを泊まり歩く日々を過ごしている。そんなある日、『ノナマーレ』という謎の会社の最終面接に合格し、社長から「君には今日から、ちょっとだけエスパーになって、世界を救ってもらいます」と告げられる。そして用意された社宅で出迎えるのが、記憶喪失ながら文太を“本当の夫”だと信じ込んでいる謎めいた女性・四季(宮崎あおい)だ。こうして、SFラブロマンスの幕が開ける。

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宮崎あおい(C)SANKEI

謎多き『ノナマーレ』の社長・兆を演じた岡田将生の存在感も、作品の深みを一段と高めた。実体は30年後の未来に存在するという衝撃の設定で、文太と四季の物語に深く絡んでいくそのキャラクターは、SFとロマンスの融合という本作の世界観を体現するものだった。宮崎あおいの民放連続ドラマ13年ぶりの出演、ディーン・フジオカ、高畑淳子、北村匠海ら実力派が揃ったキャスト陣も、放送前からファンの期待を大いに高めた。

"ちょっとだけ"の不完全さが生む共感と、野木節の炸裂

ドラマの最大の魅力は、登場人物たちの設定にある。Eカプセルを服用し“触れた相手の心の声を聞ける”エスパー能力が発現する文太のほか、花咲かエスパー・桜介(ディーン・フジオカ)、レンチンエスパー・円寂(高畑淳子)、アニマルお願いエスパー・半蔵(宇野祥平)と、いずれも「ちょっとだけ」という不完全な力しか持たない。会社をクビになった者、人生に迷った者。いわば社会からはみ出した人々が、互いの弱さを補い合いながら寄り添い、支え合うことで、ヒーローへと変わっていく。

その人間的な温かさが視聴者の心を動かした。序盤はコメディタッチで軽やかに進む一方、物語が中盤に差し掛かると様相は一変。SNS上では「途中から別作品のように空気感が変わるの最高」という声が広がり、先の読めない展開への期待感がいやが上にも高まった。

笑いと切なさが絶妙に混ざり合う唯一無二の世界観は、社会派ドラマとは一線を画す野木亜紀子の新たな挑戦によって生まれたものだ。視聴者からは「いつもと違うところから、野木さん味が炸裂」という声も上がり、異なるアプローチから放たれた野木節が高く評価された。最終回放送後にはXでトレンド1位を獲得するほどの反響を呼んだ。はみ出し者たちが互いを救い合い、"ちょっとだけ"の力で世界に立ち向かう。そんな物語が、多くの人の胸に響いた理由は、きっとそこにある。


ライター:山田あゆみ
Web媒体を中心に映画コラム、インタビュー記事執筆やオフィシャルライターとして活動。X:@AyumiSand

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