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「みんな貯金できている」は間違いだった。20,30代の貯金額「平均値と中央値」に絶句…元銀行員が明かす、“格差の実態”

  • 2026.2.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

周りは豊かになっているように見えるのに、自分の生活はそれほど変わっていない。そんな違和感を覚える人もいるかもしれません。

この記事では、富裕層が増えているとされる背景や統計を整理しながら「なぜニュースと生活実感に差が生まれるのか」を読み解いていきます。

富裕層は増えている。でも、“みんなが豊かになった”わけではない

ある推計によると、2023年の日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯。純金融資産の総額は約469兆円にのぼるとされています。株価や不動産価格の上昇を背景に、資産額が押し上げられていることが理由のひとつです。

資産1億円以上の世帯は近年増加傾向にありますが、社会全体の中ではごく一部です。

多くの人が急に“お金持ち側”に移動したわけではありません。

株式や不動産を保有している一部の層が価格上昇の恩恵を受けやすい構造があり、その結果が数字に表れているのです。

同世代の貯金額はいくら?平均より「中央値」を見るべき理由

お金持ちのニュースを見ると「もしかすると、私と同世代の人たちにも多いのかな?」と気になるかもしれません。

金融経済教育推進機構の調査によると、20代・30代における単身世帯の金融資産は以下のとおりです。

  平均 中央値
20代 255万円 37万円
30代 501万円 100万円

ここで注目したいのは「中央値」です。平均は一部の高額な資産を保有している人たちによって押し上げられるため、実態よりも多く見えがちです。中央値を見ると、現実的な水準が見えてきます。

SNSで見かける「〇〇万円貯めました」といった投稿は印象に残るでしょうが、それは一部の目立つ例にすぎません。

実際には、多くの人が堅実にやりくりをしている状況です。

資金格差は広がっている?数字の見え方に差が生まれる理由

資産の増え方には差があります。株価が上昇傾向にあれば、資産を持っている人ほど伸びやすい傾向があります。

一方で、現金や預金中心の世帯は資産が大きく増えにくいのも現実です。

あくまでも、資産形成の違いが数字に反映されているだけと考えられます。ニュースは強い言葉で伝えられますが、実態はもっと分布があると考えてよいでしょう。

投資していないと不利?焦る前に知っておきたいお金の考え方

「投資をしていない自分は不利なのでは」と感じる人もいるでしょう。しかし、投資をしていないからといって、すぐに不利になるわけではありません。

投資を始めるうえでの前提は、資金余力があることとリスク許容度を把握していることです。基礎知識を身につけ、仕組みを理解したうえで始めないと失敗に終わります

私たちが本当に比べてしまっているもの

富裕層のニュースにモヤモヤする理由は、数字そのものよりも「比較」にあるのかもしれません。

ニュースは大きな変化を切り取り、SNSは成功した人の声ほど目に入りやすくなります。気づかないうちに、私たちはごく一部の誰かを基準に、自分の現在地を測ってしまっています。

豊かさは資産額だけで決まるものではありません。日々の生活が回っていること、急な出費にも落ち着いて対応できること、安心して毎日を過ごせること。それも立派な豊かさです。

富裕層のニュースやSNSの情報に振り回されすぎず、自分のペースで暮らしとお金を整えていくことが、無理のない資産形成につながっていくでしょう。


参考:家計の金融行動に関する世論調査2025 単身世帯(金融経済教育推進機構)

ライター:円城美由紀

ファイナンシャルプランナー(AFP)・金融ライター
元メガバンク行員。女性の資産形成をテーマに、資産運用や保険を中心に350記事以上を執筆。難しいお金の話を、暮らしに引き寄せてわかりやすく伝えている。