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今までの会社で“60歳以降”も働くことに→しかし「稼ぎすぎると年金がカットされる」と言われ…これって本当?【お金のプロが解説】

  • 2026.2.24
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出典元:phootAC(※画像はイメージです)

最近、実家の親や職場の先輩から、「年金をもらいながら働くと損するらしいよ」という話を聞いたことはありませんか?

しかし、「在職老齢年金制度(収入に応じて年金受給額が減額される仕組み)」の見直しにより、いわゆる「働き損」が起こりにくくなる見込みです。今回は、2026年4月から施行される新ルールについて解説します。

定年後も働きたい!でも「年金が減る」と悩むAさんのお話

長年勤め上げた会社で、60歳以降も再雇用で働くことになったAさん(仮名)。

やりがいのある仕事を続けながら、給料と年金の両方をもらえると喜んでいました。しかし、友人から「稼ぎすぎると年金がカットされるよ」と聞き、青ざめます。

「えっ、働くほど損するの?」と、Aさんの働く意欲を削ぎそうになったのが、在職老齢年金制度による年金の支給停止です。

これまでは「給料+年金」が月51万円(2025年度基準)を超えると、超えた分の半額が年金から差し引かれる仕組みでした。

2026年4月から制度改正!「月65万円の壁」で働き損が起こりにくくなる?

しかし2026年4月から、在職老齢年金制度による年金を調整する基準額が「月51万円」から「月65万円」へと大幅に引き上げられます。

つまり、毎月の給与(直近1年間の賞与を含めた月額換算)と老齢厚生年金(会社員などが加入する年金)の合計が65万円以下であれば、全額を受け取れるようになります。一般的な再雇用の給与水準であれば、65万円の壁を気にする必要はほぼないでしょう。

万が一月収が65万円を超えた場合でも、調整の対象になるのは超えた分の全額ではなく1/2のみであるため、完全に働き損となるわけではありません。

これでAさんも安心して働き続けられますね。

パートや65歳未満も対象なの?

では、パートやアルバイトの方はどうでしょうか?

週3日だけパートで働く63歳の主婦のBさんは「私も厚生年金に入っているけど、年金が減っちゃうの?」と心配していました。

結論、パート収入も在職老齢年金制度の対象であるものの、実際には老齢厚生年金の合計が65万円を超えるケースは極めて稀です。年金が調整される可能性はほぼないため、無理に仕事を減らす必要はありません。

また、2026年2月現在は、受給者の年齢に関係なく一律で65万円の基準が適用されます。年齢や働き方を問わず、シニア世代が働きやすい環境が整いつつあるといえます。

親世代に教えたい!「働き続けて老後をより豊かに」という選択肢

在職老齢年金制度の改正は、親世代はもちろん、将来の年金が不安な私たち現役世代にとってもポジティブなニュースです。

改正内容を正しく理解し、長く働き続けることで、金銭的にも精神的にも豊かな老後を手に入れられる可能性があります。

逆に、今回の制度改正について知らないと、好きな仕事を続けて収入を増やせるチャンスを逃してしまうかもしれません。ましてや人手不足の現代では、シニア世代の豊かな経験やスキルを求める企業側も人材を確保できず、労使双方が大損するおそれがあります。

まずは親御さんに「2026年4月からは、これだけ稼いでも年金は減らないらしいよ」と、実家に帰った際やLINEでの会話のネタとして伝えてあげてください。

参考:
在職老齢年金の計算方法(日本年金機構)
在職老齢年金制度の見直しについて(厚生労働省)


ライター:鈴木翔馬

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士の資格を活かし、現在は金融・不動産ジャンルを中心にライター・監修者・AIプロンプトエンジニアとして活動中。制作記事数は1,000本(うち監修・記名記事)は100本以上。「ユーザーファースト」を徹底し、読者様の頭に疑問点を残さず、具体的な行動変容につながる記事コンテンツの制作に取り組んでいる。