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「気になっているんですけど…」NISAを後回しにする30代女性→元銀行員が見抜いた、女性が踏み切れない“真の理由”とは

  • 2026.2.23
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出典元:phootAC(※画像はイメージです)

「NISAは気になっているんですけど、まだ始めていなくて…」。そう話すのは、30代女性のAさん(仮名)。こうした言葉を口にしたことがある人もいるのではないでしょうか。

投資が怖いわけではない。制度をまったく知らないわけでもない。それでも、気づけば数年、何も変わらないまま時間だけが過ぎている。

今回は、「始める・始めない」ではなく、“決めないまま”にしているお金のことを整理します。

NISA口座は約2,696万件。それでも「始めていない人」が多い理由

金融庁によると、2025年6月末時点のNISA口座数は約2,696万口座。買付額は累計63兆円と、すでに政府が掲げた目標額(56兆円)を上回っています。

数字だけを見ると、多くの人が利用しているように見えますが、NISAの利用に踏み切っていない人も一定数います。

ある調査では、NISAを知っていて利用していない理由は次のような点でした。

  • 投資に回すお金がないから:45.2%
  • どの商品を選択してよいかわからないから:21.4%
  • 元本割れするかもしれないから:21.0%

いずれも合理的な理由です。

しかし、その理由が“自分で考え抜いた結果”なのか、“なんとなく止まっている状態”なのかは、分けて考える必要があります。

「そのうち」が続く理由。私たちはなぜ決めないのか

始めていない人の多くは、無関心ではありません。制度を調べ、仕組みを理解しています。

それでも動かないのは、生活に差し迫った不都合がないケースが考えられます。収入はある。暮らしは回っている。投資をしなくても日常は維持できる。その結果、「そのうち」「余裕ができたら」と、判断は後ろに置かれます。

先送りは静かに進み、「検討した」感覚だけが残ります。

もうひとつ見落とされがちなのが、「NISAを始めた人」が必ずしも「NISAで運用をし続けている人」ではない点です。

口座を開設しても、買付をしていない。最初の数か月で止まってしまう。NISAの口座数は増えているのに対し、実際に続けている人が多いとは言えないのが現状です。

多くの人が立ち止まっているのは、制度の難しさだけではなく、「自分で決めること」そのものに不安を感じている可能性があります。

お金の判断力は「知識の量」ではない

お金の判断力は、専門用語をどれだけ知っているかで決まるものではありません。大切なのは、目の前のお金の選択をどう扱っているかです。

たとえば、NISAが気になっていても「今は家計を整えるのが先」と考えて始めないのは、ひとつの選択です。一方で、漠然とした不安から先送りしている場合は、まだ判断を下していない段階に近いといえます。

考えたうえでやらないのと、考えないまま止まっているのとでは、自分の意志で決めているかという大きな違いがあります。

NISAに正解はない。必要なのは「自分の判断軸」

NISAで何を目指すのか。老後の備えなのか、将来の夢の実現なのか。目的が明確になれば、選択は自然と見えてきます。

そのうえで、始めると決めたら、いきなり商品選びに進む前に家計の土台を整えましょう。無理して始めたとしても、元本割れになったときに耐えられず、解約を選択せざるをえないことも考えられるためです。

固定費を見直し、毎月の収支バランスを把握して、「無理なく続けられる金額」を知ってから始めても、遅くはありません。


参考:
NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について(金融庁)
NISAの効果検証(金融庁)

ライター:円城美由紀
ファイナンシャルプランナー(AFP)・金融ライター。元メガバンク行員。女性の資産形成をテーマに、資産運用や保険を中心に350記事以上を執筆。難しいお金の話を、暮らしに引き寄せて分かりやすく伝えている。