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あなたは何を伝えて、どんな気持ちを受け取りたいですか?【天海祐希・高橋文哉インタビュー】映画『クスノキの番人』1月30日公開

  • 2026.1.24

東野圭吾原作の小説『クスノキの番人』が、アニメーション映画として1月30日(金)に公開されます。『ある閉ざされた雪の山荘で』『マスカレード・ナイト』など、これまで多くの東野圭吾作品が実写映画化されてきましたが、アニメーション映画は今回が初。累計発行部数100万部を超える同作は、無数の祈りを受け止めてきたクスノキと、その番人となった青年のもとで紡がれていく人間ドラマが描かれています。

『クスノキの番人』
2026年1月30日(金)全国公開
配給:アニプレックス
113分
©東野圭吾/アニメ「クスノキの番人」製作委員会

物語の主人公である青年・直井玲斗の声を演じたのは、本作が長編アニメーション映画の初主演となる俳優・高橋文哉さん。玲斗は職を失って追い詰められた末の過ちで逮捕されてしまいますが、そんな彼に、運命を変える出会いが訪れます。それが女優・天海祐希さんが演じた、大企業・柳澤グループの発展に大いに貢献してきた柳澤千舟。じつは玲斗の亡き母の腹違いの姉でもあり、物語のカギを握る人物です。そんな千舟に、月郷神社にたたずむ”クスノキの番人”になることを命じられた玲斗。「その木に祈れば願いが叶う」と伝えられるクスノキを通して出会った人たちによって、玲斗の世界観や人生が変わっていきます。そもそもクスノキの番人とは、何のための仕事なのか。そしてクスノキが持つ本当の力とは……?
 
今回は、主演の高橋文哉さんと天海祐希さんに貴重な時間をいただき、お二人のこの作品に対する想い、おたがいの声の印象などをうかがいました。

――原作を読んだときにどう感じたか教えてください。
 
天海祐希さん(以下天海) 私は千舟さんとして読んでしまったのですが、千舟さんの背景にぐっとくるものがありました。ずっと後悔しながら生きてこられた方だけど、表向きは凛としなければいけない。そんな千舟さんが人生の終焉に向かっているときに、最後に見つけた希望というのが玲斗くんで。なかなか自分の弱みを見せられなかった千舟さんが、彼にだけ心情を吐露するのがとても切なかったです。
 
東野先生の文章って、人に対する温かさというか、情にあふれていると思うんです。一見すると冷たいと感じる言葉でも、その裏に隠された何かを探り取れるというか。『クスノキの番人』は、立場や状況などによって受け取り方は違うかもしれないですが、少し時間をおいて読み返してみると新しい発見があるんですよね。そこが本当に素敵だな、って。
 
高橋文哉さん(以下高橋) 1冊に集約されているパワーが、本当に大きい本だと思いました。読み手に想像させてくれて、その想像もすごくしやすくて。なので今回、アニメーション映画化ということで台本をいただいたときに、この作品に関わる方々のいろいろな愛が集約されていると感じました。
 
天海 アニメーションでは、この作品の根底に流れているクスノキへの想いがずっと描かれていて、絵になることで受け取れた情報がさらにありました。心温まるだけでは済まない映画にもなっている。痛いし、切ないし、苦しいんだけど、そのなかにも深い優しさがあるんですよね。原作も、なんだか……わー、ってなりながら読みました(笑)。
 
――当初、『クスノキの番人』はファンタジー作品かと思っていました。でも物語が進んでいくとぜんぜん違って、現代の日本が抱える社会問題なども組み込まれていたからか、いろいろと考えさせられました。同時に温かい気持ちにもなって……。
 
天海 東野先生のミステリーもそうですけど、犯人に対しても救いや優しさがあるんですよね。この本も読み終わった後に、大きな温かさに包まれた感覚になりました。言葉にできない何かを、この作品を通して受け取り手に伝えてくれている。どう受け取るかは人それぞれで幅広く自由。そこが素晴らしく、面白いところですよね。
 
高橋 東野先生の作品に出てくる登場人物は、一人ひとりにちゃんと人としての魂が宿っていると感じます。それぞれのキャラクターに人間らしさも感じられ、演じる上でもなんのフィルターもなしに投影できるのはすごく素敵だなと思います。

――ところで、おたがいの声の印象はいかがでしたか?
 
天海 こんな言い方は失礼かもしれませんが、声を合わせてみて、すごくお上手だと思いました。台本を読んで私がイメージしていた玲斗くんにもぴったりでしたし、玲斗くんならではのヌケ感もあり、ぎっちぎちに固まった千舟さんをまろやかにしていってくれました。そして私もがんばらなきゃ! ってなりましたね。
 
――確かに高橋さんの声と玲斗くんのイメージに相違がなく、全ての言葉がすーっと入ってきました。
 
高橋 ありがとうございます。じつは前回、アニメの劇場版をやらせていただいたときに、すごく悔しかったんです。自分の声って、こんなにも自分の思っている声と違うんだと思いました。お芝居のときは表情などで誤魔化せる部分もありますが、声だけだとそうはいかない。自分の思い通りにできないのが、もどかしくて悔しくて……。
 
今回は自分が抱いた玲斗のイメージというより、等身大の自分でやらせていただきました。同世代なので理解できるところがたくさんありましたし、すごく感情移入もしやすかったです。天海さんが初めてお会いしたときに、「上手だね」っておっしゃってくださり、それが一気に自信になりましたし、とにかくうれしかったです。

――劇中に玲斗くんが放った「運任せの人生だった」という言葉が自分と重なって、何だかグッときました。お二人は気に入った、もしくは印象に残ったセリフはありましたか?
 
天海 たくさんあるんですけど、私は「変わろうと思えばいつでも変われます。少なくとも、自分自身の心は」ですかね。これは車中で千舟さんが放ったセリフなのですが、たぶん玲斗くんにも自分にも言っていると思うんです。それを玲斗くんの前でちゃんと口にした。そんな千舟さんの変化も感じられて、すごくいいシーンでした。
 
高橋 僕は大場壮貴(玲斗が以前働いていた老舗和菓子メーカーの跡取り息子)に放った「地位があって、金があって、親がいて、まだ足りないんですか⁉」です。このセリフは、すごくわかる自分と、わかりたくない自分が混在しているような感覚になりました。劣等感とか嫉妬心とかって誰にもあると思うのですが、それを言葉にして相手にぶつけることができるのは玲斗の強さ。でも自分と置き換えたときに、言葉にしたくない自分もいて。僕はまだまだ未熟だと感じましたし、自分を振り返るきっかけにもなったセリフです。

――この作品でなくてはならないのがクスノキだと思います。クスノキはどんな存在だと感じましたか?
 
天海 『クスノキの番人』はクスノキを中心にいろいろな人の心情が描かれているんですけど、映像に出ていなくてもクスノキの存在がずっとあるんですよね。それが存在としてあるかないかというだけのことで、心のなかにも必ずあるもの。千舟さんにとってクスノキは玲斗くんで、自分の想いを伝えて、それを受け取ってもらえる存在だと思いました。
 
そして誰にでもクスノキのような存在があって、自分も誰かのクスノキでもある。こういう想いを伝えていきたいとか、こういう想いを受け取ったっていう経験は、誰もが必ずあるような気がしていて。「あなたは何を伝えて、どんな気持ちを受け取りたいですか? 」というのを、振り返ることができる作品でもあると思います。

――この作品は、観終わった後の余韻もすごかったです。何だか大切な人に会いたくなりましたし、自分の想いを素直に伝えたいと思いました。最後に、小誌読者に向けて見どころやメッセージをいただきたいです。
 
高橋 天海さんもおっしゃっていましたが、『クスノキの番人』は本当に幅が広い。いろいろな面がある「丸」のような作品だと思っています。観る人・観る角度・観るタイミングによって、受け取り方が変わります。観終わった後に何を感じて何を想い、どういうふうに自分に重ねるか。自分と向き合うことはたくさんあると思いますが、改めて見つめ直して振り返られる。みなさんにとって、そんな作品になったらうれしいです。
 
天海 言えること・言えないこと、吐き出せる場所・吐き出せない場所、吐き出せる人・吐き出せない人。言えなかったことが自分の心のなかでどんどん積み重なっていき、それをどこかで出したいけどなかなか出せない。そんな想いは誰もがしていると思うんですよね。映画の中では、それを言葉にしなくても想いを伝えてくれる存在としてクスノキがあります。誰かが想いを受け取ってくれた、誰かの想いを受け取った。そういったいいことの循環という大きな優しさに包まれるような気がするんですよね。自分もきっと誰かの想いを受け取ってきたし、この想いを誰かに伝えなければっていう気持ちにもさせてもらえる。そのずっと繋がっていく感じが、ひとつの救いにもなってくれる気がして。そんな大きな大きな優しさと温かさに包まれに、ぜひ映画館に足を運んでいただければと思います。

原作:東野圭吾「クスノキの番人」(実業之日本社文庫刊)
キャスト:高橋文哉/天海祐希
齋藤飛鳥 宮世琉弥/大沢たかお
監督:伊藤智彦
脚本:岸本 卓
キャラクターデザイン:山口つばさ 板垣彰子
音楽:菅野祐悟
美術監督:滝口比呂志
美術設定:末武康光
色彩設計:橋本 賢
衣装デザイン:高橋 毅
CG ディレクター:塚本倫基
撮影監督:佐藤哲平
編集:西山 茂
スーパーヴァイジングサウンドエディター:勝俣まさとし
リレコーディングミキサー:藤島敬弘
制作:A-1 Pictures / Psyde KLick Studio
配給:アニプレックス
公式HP:kusunoki-movie.com
公式 X:@movie_kusunoki#クスノキの番人
公式Instagram:movie_kusunoki

Interview & Text_KYOKO CHIKAMA
Photograph_KAZUYUKI EBISAWA[MAKIURA OFFICE]
Styling_TOKITA(高橋さん)、CHIYOKO AZUMA(天海さん)
Hair & Make-up_ TOSHIYASU OKI(高橋さん)、FUMI TAKESHITA[TAKESHITA HONPO](天海さん)

衣装クレジット(天海さん)
シャツワンピース¥52,800(レキップ)、パンツ¥50,600(アドーア/アドーア六本木ヒルズ店)、重ね付けしたイヤーカフ大¥280,500、イヤーカフ中 各¥225,500、リング¥277,200、ダブルフィンガーリング¥88,000、ブレスレット¥239,800(全てヒロタカ/ヒロタカ 表参道ヒルズ)

お問い合わせ先
レキップ TEL:03-6861-7698
アドーア六本木ヒルズ店 TEL:03-3475-5915
モーダ・クレア TEL:03-3875-7050
ヒロタカ 表参道ヒルズ TEL:03-3478-1830

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