1. トップ
  2. 放送前から“すでに話題”のゲスト「ドキドキ」「オファーありがとう」地雷感たっぷりな元カレを演じる“キーパーソン”【水曜ドラマ】

放送前から“すでに話題”のゲスト「ドキドキ」「オファーありがとう」地雷感たっぷりな元カレを演じる“キーパーソン”【水曜ドラマ】

  • 2026.2.25
undefined
『冬のなんかさ、春のなんかね』第4話(C)日本テレビ

杉咲花主演、今泉力哉監督によるドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』第6話に、松島聡が出演する。杉咲演じる主人公・文菜が“本気で好きになった”元カレ・田端亮介役だ。特定の恋人をつくらない音楽関係の男……というなんとも地雷感たっぷりな田端。案の定、その恋は成就しなかった。しかし、これまで出演した元カレたち同様、文菜の恋愛観を決定づけた一人でもある。SNS上でも「放送前からすでにドキドキ」「オファーありがとう」と話題を呼んでおり、松島の繊細な演技が、この物語の転換点をどう浮き彫りにするのか。

※以下本文には放送内容が含まれます。

文菜が本気で好きになった人

『冬のなんかさ、春のなんかね』は、相手のことをまっすぐに“好き”だと思えたのは、いつまでだったのか……そんな問いを、静かに掘り下げていく物語である。主人公・土田文菜が、現在の恋人・ゆきお(成田凌)と向き合うために、自らの過去の恋を振り返っていく構成だ。

第5話では、細田佳央太演じる“優しすぎる元カレ”・佃との物語が回想された。そして来たる第6話で登場するのが、文菜が2年前に本気で好きになった田端亮介である。

亮介は音楽関係の仕事をしており、特定の恋人をつくらない主義の男。最初は“自分のことを本気で好きにならなそうなところ”に惹かれた文菜だったが、気づけば自分のほうが深くのめり込んでいた。

成就しなかった恋。しかしそれは、文菜の恋愛観を決定づけた大きな出来事だったはず。好きになりすぎたからこそ、怖くなる。大切だからこそ、失うことが怖い。その痛みの記憶が、いまの文菜を形作っている。亮介は、その核心に触れる人物なのかもしれない。

松島聡という“揺らぎ”の俳優

松島聡の演技の魅力は、派手さではなく“揺らぎ”にある。

アイドルとしての華やかなイメージとは対照的に、ドラマのなかで彼が見せるのは、どこか放っておけない繊細さだ。セリフのない時間の視線の動き、言葉を選ぶまでの間、小さな戸惑い。それらが人物の内面を静かに浮かび上がらせる。

今泉力哉監督の作品は、日常における何気ない会話のリアリティが何より重要。説明しすぎず、感情を押し付けすぎない。曖昧さを曖昧なまま、わからないものをわからないまま抱える世界。その空気感に、松島の柔らかな佇まいは驚くほどなじむ。

亮介は悪人ではない。ただ、自分のスタンスを崩さない人間なだけ。特定の誰かに縛られない選択をしている理由を、どんな言葉で語るのか。あるいは、語りきれない部分をどう残すのか。

松島の芝居は、きっとその“言葉の外側”を演じるだろう。

長回しの本音と音楽|転換点としての第6話

undefined
『冬のなんかさ、春のなんかね』第4話(C)日本テレビ

第6話の見どころのひとつは、亮介が自らの恋愛観や本音を語る長丁場のシーンだという。

今泉作品特有の、言葉が続き、沈黙が挟まり、また言葉がこぼれる時間。そのなかで、松島がどんなトーンで亮介の本音を響かせるのか。そこに、このエピソードの核心があるように思えてならない。

さらに、音楽関係の仕事という役柄ゆえに、亮介が奏でる音楽も重要な要素になるだろう。音は、ときに言葉よりも正直だ。亮介の本質が、旋律に滲むかもしれない。

これまでの元恋人たちが文菜に与えたものが、安心や優しさだったとすれば、亮介は渇望と不安の象徴。本気で好きになったからこそ、傷ついた。その痛みと向き合うことなくして、春には進めない。

第6話は、文菜の止まっていた時間が動き出す回になるはずだ。亮介は、答えをくれる人物ではない。しかし、文菜自身が自分の本音に向き合うための鏡にはなる。冬の空気に揺れる恋。その境界線に立つ男を、松島聡はどんな体温で演じるのか。


日本テレビ系 水曜ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』毎週水曜よる10時~

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_