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「本当は感謝しているのに…」家族、友人に「ありがとう」とうまく言えないのはなぜ?背景にある“日本特有の価値観”とは

  • 2026.1.12
感謝の気持ちを伝えられる人、伝えられない人の違いとは?(画像はイメージ)
感謝の気持ちを伝えられる人、伝えられない人の違いとは?(画像はイメージ)

相手に感謝の気持ちを伝えることは、良好な対人関係を築く上で重要です。ただ、その重要性を認識していても、なぜか家族や友人などに「ありがとう」と感謝の気持ちをうまく伝えられない人もいるようです。SNS上では「本当は感謝しているのに、うまく言えない」「『ありがとう』の一言、大事。でも家族だと素直に言えないの、何でだろう…?」などの声が上がっています。

気軽に話し掛けやすいはずの家族や友人に感謝の気持ちをうまく伝えるのが難しい場合、どのような心理が働いている可能性があるのでしょうか。相手に感謝の気持ちを素直に伝えられる人と伝えられない人の違いのほか、感謝の気持ちを伝えられるようになるための方法について、心理カウンセラーのうるかすさんに聞きました。

「察してくれ」という心理が表れている可能性

Q.「恥ずかしい」と感じてしまい、家族や友人に感謝の気持ちをうまく伝えられない人がいます。この場合、どのような心理が働いているのでしょうか。

うるかすさん「家族や友人など、関係が近い相手に対しては、『言わなくても分かってほしい』という気持ちが生じることがあります。これは身内に対する甘えとも言えますが、同時に日本文化における“察し”の精神の表れとも捉えることができます。

例えば、思春期の子どもが恥ずかしがって親にあいさつしないといった行動も、身内に対する甘えの一例として考えられます。家族や友人という近しい関係性の中では、まだ自立し切れず、その関係性の中にとどまりたいという気持ちが存在することがあります。

また、その背景には『全部言わなくても通じ合う』という日本文化の価値観が大きく影響していることも考えられます。一つ一つの行動に感謝の気持ちをしっかりと伝えることは、『言わなくても通じ合う関係』を大切にする日本文化から外れる行為と捉えられることもあります。つまり、感謝の気持ちを言葉にすることに恥ずかしさを感じるのは、文化的な問題や、甘えや自立といった問題が背景に隠れている可能性があると思います」

Q.他人に素直に感謝の気持ちを伝えられる人、伝えられない人の違いについて、教えてください。

うるかすさん「傾向として言えることですが、素直に感謝の気持ちを伝えられる人は、自分で自分の面倒を見られるような『自立した人』と言えるのではないでしょうか。ある精神分析医の著作の中で、子どもが親に対して取る行動として、最も甘えた行動は家出をすることであり、最も自立した行動は親に感謝の気持ちを伝えることだと述べられていました。実際、私自身も子どもから感謝の言葉とともに誕生日プレゼントを贈られた際、一抹の寂しさを感じたことを思い出します。

ただし、先述のように、あるグループへの所属感や信頼の表れとして、感謝の気持ちを表現することに対して気恥ずかしさを感じるという心の動きも確かに存在します。そのため、感謝の気持ちを表現できない人を、すぐさま自立していない人だと極論することは、特に日本においては適切ではないと思います」

Q.家族や友人に感謝の気持ちを素直に伝えるには、どうしたらよいのでしょうか。対処法はありますか。

うるかすさん「感謝するという行為も、結局は一つの行動の一環ですので、繰り返し行うことで上達する部分があると思います。気持ちとしては『伝えなくても分かるだろう』と思っていても、自然と口に出せるくらい頻繁に言い慣れていくことで、家族や友人といったグループの中でも、甘えを超えて感謝の気持ちを表現できるようになるのではないでしょうか」

* * *

家族や友人など親しい関係においては、「察してほしい」という甘えたい気持ちと日本特有の文化的な側面が相まって、感謝の気持ちを伝えられないケースがあるようです。一方で、相手に感謝の気持ちを伝えることは自立していることを示すサインとも捉えられるため、素直に表現できるように訓練しておいて損はないでしょう。自分だけで習慣化することが難しいようなら、カウンセラーなどに相談してみてはいかがでしょうか。

オトナンサー編集部

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