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ティモシー・シャラメ主演の『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』は実話?

  • 2026.1.9
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』は3月13日より日本公開。
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』は3月13日より日本公開。

第31回クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)で、ティモシー・シャラメが主演男優賞を最年少受賞するなど、アワードシーズンを席巻しそうな映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』。ジョシュ・サフディ監督による同作は、卓球人気の低い1950年代のアメリカで世界一を夢見る全米チャンピオン、マーティ・マウザーの物語を描く。2012年に亡くなった実在の卓球選手マーティ・ライスマンをモデルにしているが、どこまで事実で、何かフィクションなのか、『Variety』が検証している。

米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』から「卓球界で最も名高いペテン師」と称されたライスマンだが、サフディ監督は古書店で手にした彼の著作『The Money Player』から、物語のアイデアを思いついたそうだ。「卓球が得意なのは、ほかに居場所を見つけられない人が多かった」とサフディは説明する。「卓球は格下に見られていたから、自然と変人や純粋主義者、偏執狂を引き寄せた。このスポーツが英国やヨーロッパのスタジアムを満杯にしたと読んだ1952年の少年が、栄華を極めることができると思っても仕方ないと思った」

実在の卓球選手、マーティ・マウザー。
National Junior Table Tennis Champion Marty Reisman実在の卓球選手、マーティ・マウザー。

本作の主人公マウザーとライスマンには、確かに共通点があると指摘するのは、卓球誌『Table Tennis History』の発行人であるスティーヴ・グラントだ。「彼は自分を売り込むのがとても上手でした。それが彼にとって最大のスキルでした。もちろん、非常に優れたプレイヤーでしたけれど」。そして『The Money Player』は「50年代の彼のキャリアを綴った素晴らしい本です」と評価しながらも、「しかし、書かれたすべてを真実だと受け取ってはいけない。彼は物事を誇張するのが好きでした」と警告する。

映画で描かれる彼の卓球選手としての活動は、現在のアスリートのそれと比べると信じがたいほど猥雑だが、あながちフィクションとも言い切れない。華奢な体格と素早いスイングから“針”の異名を取ったライスマンは、そのショーマンシップとハッスル精神で知られ、卓球台の向こうに置かれたたばこを打球で半分に折ることも出来たそうだ。

また、劇中に登場したように、バスケットボールのエキシビションチームであるハーレム・グローブトロッターズのツアーに同行し、フライパンやスニーカーをラケット替わりに試合をする興行を実施。実際に軍用輸送機で移動し、短期間ながら靴屋で働いていたこともある。さらに『Sports Illustrated』によれば、世界中を旅しながら、ナイロンストッキングから高級クリスタルまで、さまざまな品物を密輸・売買し、国家元首らを相手に高額の賭けゲームを挑んでいたそうだ。

なお、ライスマンは著書の権利が映画会社に買われ、ロバート・デ・ニーロに役を依頼したと語っているが、『Variety』の1974年の報道によれば、出版後にオプション契約が結ばれたものの実際に企画が始動することはなかったようだ。

Text: Tae Terai

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