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【衝撃】【緊急】などの見出しは、読み手の心に「疑念→信頼」という時間的変化を及ぼす

  • 2026.1.6
【衝撃】【緊急】などで始まる見出しに対し、人々の信頼感は時間と共に変化する / Credit:Canva

ネットニュースには、私たちの目を引くさまざまなタイトルが掲げられます。

【衝撃】【警告】【緊急】といった強い言葉で始まる見出しを見て、ついクリックしてしまった経験がある人も多いでしょう。

一方で、そうした見出しに対して「大げさでは?」「なんだか怪しい」と、疑いの気持ちを抱く人も少なくありません。

では、それらの影響はどれほど続くのでしょうか。

中国の北京師範大学の研究チームは、感情を強く刺激する言葉で始まる見出しが、読んだ直後と時間がたった後とで、人々が感じる信頼性にどのような違いを生むのかを、複数の実験で調べました。

この研究成果は、2025年5月31日付で『Communication Research』に掲載されました。

目次

  • 【衝撃】【警告】などの派手な見出しが及ぼす長期的な影響とは?
  • 派手な見出しを「あとから信じてしまう」理由

【衝撃】【警告】などの派手な見出しが及ぼす長期的な影響とは?

感情的な言葉がニュースの受け止め方に影響することは、以前から指摘されてきました。

怒りや不安、恐怖といった感情をかき立てる表現は、人々の注意を引きつけ、SNSで拡散されやすいことが分かっています。

しかし、それらが「人々のニュースの内容に対する感じ方」に与える影響、とくに時間がたった後の影響は、あまりよく分かっていませんでした。

そこで研究チームが焦点を当てたのが、見出しの冒頭に置かれる HASS(High-arousal Sentence Starters)です。

HASSとは、「Shocking」「Warning」のように、短くて強烈な言葉で読者の感情を一気に引き上げる文頭表現のことです。

日本語で言うなら「衝撃」「警告」といった表現が該当するでしょう。

研究者たちは、HASSが含まれる見出しを見た瞬間、人々は「釣りっぽい」「質の低いニュースかもしれない」と感じ、内容を信じる度合いが下がるのではないかと考えました。

同時に、その「怪しい」という印象が時間と共にどのように変化するのかも調査することにしました。

これらを検証するために、研究チームは健康ニュースを題材にした5つの縦断実験を行いました。

そして全体として明らかになったのは、読んだ直後では、HASSつきニュースは、「大げさでは?」「怪しい」と感じやすくなるという結果でした。

しかし時間がたった後は、その感覚が弱まり、HASSつきだったニュースでも「もっともらしい」と受け取られるようになる、というパターンが見られました。

つまり、【衝撃】などの言葉で始まる見出しは、その場では警戒されるものの、時間が経つと、内容を信じる度合いが高まっていく可能性があるのです。

では、この不思議な変化は、どのような実験によって確かめられたのでしょうか。詳しい中身を見てみましょう。

派手な見出しを「あとから信じてしまう」理由

実験では、健康に関する実際に正しいニュースを使い、HASSの有無だけを変えた見出しや記事を、時間をおいて複数回読んでもらいました。

まず、見出しだけを提示する実験では、「衝撃!喫煙は腰痛を引き起こす可能性がある」といったHASSつき見出しと、HASSなし見出しを別々のグループに見せ、その場で「どれくらい本当だと思うか」を評価してもらいました。

結果として、HASSつき見出しのほうが「本当とは思えない」と判断されやすく、HASSが一種の“怪しいサイン”として働いていることが確認されました。

その後、同じ参加者に対して、2週間後からおよそ2か月後に再び内容を評価してもらうと、傾向が変わります。

参加者たちは一貫して、初回の閲覧時よりも情報を「正しい」「納得できる」と感じやすくなっていたのです。

さらに、見出しだけでなく短い記事本文まで読ませた実験でも、同じ流れが確認されました。

なぜ、こうした影響が生じるのでしょうか。

研究チームによると、HASSは、最初は「釣りっぽい」「信用できないかもしれない」というブレーキとして働きますが、時間がたつにつれてそのブレーキだけが弱まり、内容そのものが記憶に残りやすくなると考えています。

ただし、この研究には限界もあります。実験対象は健康ニュースに限られており、その内容もすべて事実に基づくものでした。

他の分野や偽ニュースでHASSの効果がどうなるかは分かりません。

また、参加者も中国の人々に限られているため、文化による違いが影響する可能性も残されています。

それでもこの研究は、【衝撃】などの派手な見出しの影響を明らかにしました。

当初は「怪しい」と警戒されますが、その印象は時間とともに薄れ、内容だけが「本当の話」として記憶に残る可能性があるのです。

参考文献

Shocking headlines spark initial doubt but eventually build belief
https://www.psypost.org/shocking-headlines-spark-initial-doubt-but-eventually-build-belief/

元論文

The Immediate and Delayed Beliefs in Headlines With High-arousal Sentence Starters
https://doi.org/10.1177/00936502251343979

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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