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家族の時間が“備えの時間”に変わる。<br>年末年始に子どもが作る「自分だけの防災ポーチ」

  • 2025.12.31

年末年始は、家族がゆっくり集まる貴重なタイミング。子どもたちやおじいちゃん、おばあちゃんとも長く一緒に過ごせるこの時期は、実は“家族全員で防災を話し合う”絶好のチャンスでもあります。

そこで今回は、セーフティグッズを扱う【Hariti】の「myおまもりポーチ」をベースに、小学5年生の次男と「オリジナルの防災ポーチ」を作ってみました。防災アイテムを詰めていく作業は、楽しみながら防災意識が自然と高まる取り組みです。

初めての備えにちょうどいい。「myおまもりポーチ」全部セットとは

今回使用したのは、子どもの安全を守る商品などを扱うオンラインショップ「。小学生を対象にした防災用品セットです。少しでも防災に関心を持って欲しくて、のひとつとして次男に渡しました。

様々なサイトで子ども向けの防災用品を探したのですが、自宅に置いておくリュック型の大きなタイプが多く、小学校高学年でも使いやすいものがなかなか見つけられませんでした。今回選んだ「は、どんなものを防災ポーチに入れたらいいのか考えられるよう、確認リストがセットになっています。これを活用することで、息子自身が防災について関心を持ってくれるのではないかと思い購入に至りました。

今回は、基本セット安心セットの両方がそろった「全部セット(ポーチあり2,480円税込)」を選びました。ポーチなし(1,980円税込)も販売されています。

基本セット(ポーチあり 1,980円税込/ポーチなし 1,480円税込)

  • 魅せるトイレ
  • 歯磨きナップ
  • マグネット入りLEDライト
  • ウェットティッシュ
  • BOS(におわない袋)

安心セット(ポーチあり1,980円税込/ポーチなし 880円税込)

  • 簡易ポンチョ
  • 紙石けん
  • 綿棒
  • 絆創膏
  • 長期保存用ボディタオル

「トイレ」「衛生」「明かり」「防寒」という災害時に欠かせないジャンルがコンパクトに収納されており、見た目以上に内容が充実しています。とくに魅せるトイレやポンチョなど、いざというときにすぐ取り出したいものがセット化されているのは心強いポイント。

また、ポーチには“自分仕様にカスタマイズできる余白”があり、今回はここを親子で話し合いながら埋めていくことにしました。

小学5年生の息子が初めて防災ポーチ作りに挑戦

作業を始める前に、ポーチに同封されている「確認リスト」を見ながら、息子と一緒に必要なものを話し合いました。すると、思いがけない質問が飛んできました。

「どうしてこのセットだけじゃ足りないの?」

「どんな時にこのポーチを持っていくの?」

大人にとっては“当たり前の前提”でも、子どもにとっては未知のことばかり。そこで、実際に災害が起きたときの状況や、どんな不便が生まれるかを一つずつ説明しました。

例えば、

  • 外出先で急に災害に遭うかもしれないこと
  • 避難中でもトイレやケガの処理が必要なこと
  • スマホが使えなかったり、家族と離れてしまったりする可能性があること

話しながら、真剣な表情に変わっていくのが分かりました。

「学校以外の場所で被災したらどうしたらいい?」という話題にも発展し、本人にとっても“自分ごと化”するきっかけになったようです。

実際に追加したアイテム

基本セットと安心セットだけでも十分な内容ですが、話し合いながら「わが家に必要なもの」を追加していきました。

●防災士さんからいただいたホイッスル

中に個人情報を書いて入れられるタイプ。ただ、よく見ると引越し前の住所のままでした……。これも、作業をして初めて気づいたこと。最新の情報に書き直してポーチに入れました。

●常備薬

息子が日常的に飲んでいる薬と頭痛薬を “最低限の救急セット”としてまとめました。

●マスク

避難所では感染症対策が必要になる場合も。個包装タイプのものを数枚入れました。

●カイロ

冬の外出時や停電時に欠かせない防寒アイテム。薄型のものを2つ入れておきました。

息子は「これがあると安心だよね!」と、追加するたびに納得している様子。“ものを入れる作業”という体験を通して、防災がぐっとリアルなものとして理解できたようでした。

親子で話すことで気づけた「防災のはじまり」

今回のポーチ作りは、単にアイテムをそろえただけではありませんでした。

実は私自身、東日本大震災や令和元年房総半島台風で被災した経験があります。そのため、日頃から防災には関心があり、備えもしている方だと思っていました。

しかし、「子どもと防災について深く話したのは初めてだった」ということに気付かされたのです。

被災したときの状況、怖かった経験、あって助かったもの、不便だったこと。当時の話を息子に伝えることで、息子の防災意識が一気に高まりました。

「もし遊びに行った先で地震が来たらどうすればいいの?」

「友達といるときに被災したら?」

学校の防災訓練では触れられない“現実的な困りごと”についても話すことができました。

また、話の流れで息子からはこんなひとことも。「おじいちゃん、おばあちゃんは防災用品ちゃんと準備してるかな?お正月に会ったときに聞いてみる!」防災意識が、ポーチ作りを通して広がっていくのを感じました。

年末年始こそ、家族みんなで「わが家の防災」を話し合う時間に

今回の取り組みで強く感じたのは、防災は“ひとりの努力”で終わるものではないということ。家族のだれがどこにいても、安心して過ごすためには、家族全員で共有できる防災が必要です。

年末年始のように、家族がゆっくり顔を合わせるタイミングは、まさに防災を始める絶好の機会。オリジナルの防災ポーチ作りは、その第一歩としてとてもおすすめです。

  • 必要なものを一緒に考える
  • 追加する理由を話しながら理解する
  • 家族の状況や健康状態を確認し合う

こうした時間こそが、大切な“防災力”を育ててくれます。

ぜひ今年の年末年始は、わが家だけの「おまもりポーチ」を家族で作ってみてはいかがでしょうか。

<執筆者プロフィル>
海老原葉月
ライター、整理収納アドバイザー1級
13歳、10歳、1歳の三兄弟を子育て中。東日本大震災、令和元年房総半島台風にて被災した経験から、防災に関する情報を発信。

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