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「出てきた、出てきた~」北海道民なら歌えるあのCMソングが絵本になった!愛があふれる物語に

  • 2025.12.28

子どもだけでなく大人も楽しめる絵本を、絵本セラピスト協会認定「大人に絵本ひろめ隊員」、そして2児の母でもある、HBCアナウンサーの堰八紗也佳(せきはち・さやか)がご紹介します。

北海道愛あふれる絵本が誕生!

『でてきたでてきた やまおやじ~♪』

道産子なら誰もが歌えると言われるほど長年親しまれている千秋庵の山親爺のCMソング。

この歌がその世界観を大切に、絵本になって登場しました。

「なぜ今?」
「どうして絵本?」

作者のきくちちきさんに制作秘話を伺うと、想像以上の“北海道愛”が詰まっていることがわかりました。

北海道の北海道民による北海道のための絵本がまさにここに誕生です!

出てきた出てきた山親爺の絵本~♪

Sitakke

札幌にある老舗製菓会社・千秋庵の山親爺は1930年に販売が始まり、テレビCMは1960年から流れ始めました。

「道産子ならだれもが歌える」と言われるほど長年親しまれているCM。
もはや北海道民の生活の一部!?札幌で生まれ育った私も、もちろん歌えます。

このCMは2024年に26年ぶりに復活し、函館出身のYUKIさんが歌唱を、札幌出身の蔦谷好位置さんが編曲を担当したリニューアルバージョンが再び注目を集めました。

Sitakke

そんな山親爺のCMが絵本になった!ということで札幌市手稲区新発寒にある『ちいさなえほんや ひだまり』で開催された出版記念トークイベントに出席し、作者のきくちちきさんにお話を聞いてきました!

きくちちきさんは、『ちいさなえほんや ひだまり店主』の青田さんが世界で一番好きな絵本作家なのです。

きくちちきさんは本別町の出身。幼少期は釧路・帯広・札幌でも暮らしました。現在は神奈川県在住です。
やはり千秋庵の山親爺のCMは懐かしいもので、出版社から今回の絵本製作についてオファーが来たときには、光栄な気持ちと同時に、 「自分が描いていいのだろうか?」 と迷う気持ちもあったそうです。

Sitakke
ひだまりの中には「やまおやじ」の習作原画も展示されました

しかし 「道産子たちに愛され続ける山親父のCMを、CMを知らない日本中の子どもたちにも伝えていきたい」 という編集者の熱量を受け、製作を決断。
CMの世界観を守りつつ、きくちちきさんらしい表現にこだわり、結果的にとても良いものに仕上がったということです。## こだわりポイントは紙!

Sitakke

北海道での暮らしや思い出が、今の絵本創作に間違いなく活きているというきくちさん。

きくちさんらしい大胆な構図と線が、北海道の雄大な景色と、動物たちの躍動感を見事に表現しています。

表紙と背表紙を広げてみると、まるで一枚の絵画!額に入れて飾っておきたいほどの芸術品です。

Sitakke

特にこだわったのは、絵本に使用する紙選び!他の絵本では感じたことのないような、ふんわりとした手触りで、上質なものだということは素人の私でも触った瞬間にわかるほど!

まるで、ついさっき描いたのではと思わせるようなインク乗り。発色が良く、特に雪のきらめきが美しいこと!

きくちさんは、 「紙や色にこだわることで、絵本の“モノ”としての魅力も出したい」 と話します。

Sitakke
見返しは山親爺の包装紙を模したこだわりの装丁

見返しには「紅鮭」という品番名のサーモンピンク色の紙を使用し、とことん北海道らしさにこだわりました。

ラストシーンに込めた想い

Sitakke

この絵本では北海道の魅力のほか、普遍的な『家族愛』や『仲間との絆』も大切なテーマとなっています。

例えばラストシーン。うさぎはこぐまからプレゼントされた鮭を嬉しそうに持って帰ります。

しかし、実際にはうさぎは鮭を食べませんよね?(笑)

これは、“大切にしているものを大切な人へ贈る”というこぐまの優しい気持ちを、うさぎが大切に受け取る…という行動や繋がりを大事にしたシーンです。

うさぎはその後、鮭をどうしたのでしょうか…?
もしかすると、料理人として多くの人に鮭料理をふるまったかもしれませんし、誰か大切な人にプレゼントしたかもしれませんよね。

Sitakke

絵本に描かれていない部分の物語も、読み手が想像して広げていくことで、より素晴らしい絵本になっていきそうです。

新たな北海道の宝『やまおやじ』を、ぜひ手に取ってみてください。

【取材協力】
ちいさなえほんや ひだまり
住所:北海道札幌市手稲区新発寒6条5丁目14-3
電話:011-695-2120
営業日:金・土・日・月・祝 午前10時~午後6時

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「連載コラム・今月の絵本通信」

文|HBCアナウンサー 堰八紗也佳
HBCラジオ「清かなる朗読」(月曜あさ4時30分~)、Instagramも更新中!

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年12月)の情報に基づきます。

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