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「なんで今頃!?」連載終了から14年後に“アニメ化”された『傑作漫画』…今なお語り継がれる“圧巻の完成度”

  • 2026.1.26

1995年から1997年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された、冨樫義博先生によるSFコメディ漫画『レベルE』。本作は、連載終了から14年の時を経た2011年にアニメ化され、当時大きな話題を呼んだ。本稿では、今なお語り継がれる『レベルE』の魅力を深掘りしたい。

冨樫義博先生による異色の傑作『レベルE』

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

アニメ『レベルE』は、2011年1月10日から2011年4月4日まで放送された。原作となっているのは、『HUNTER×HUNTER』『幽☆遊☆白書』を代表作とする冨樫義博先生が手がけたSFコメディ漫画だ。宇宙一の頭脳と最悪の性格を持つドグラ星の第一王子・バカ王子(CV:浪川大輔)が、地球人や宇宙人を巻き込み、騒動を引き起こしていく。

「宇宙人が地球にいたら?」という設定を使いながら、人間の考え方や行動のズレをコミカルに描いている点が魅力の『レベルE』。バカ王子は、気まぐれで人を振り回すトラブルメーカーだ。彼の行動は迷惑そのものでありながら、不思議と憎めず、いつの間にか目が離せなくなる。

また、エピソードごとに雰囲気が変わるオムニバス形式も本作の特徴となっている。笑えるコメディからすこし怖い話、皮肉の効いたブラックな展開まで幅広い。全体的にテンポがよく、深く考えなくても楽しめる一方で、あとから人間のおかしさに気づかされるような軽さと鋭さを持った作品だ。

現在連載中の『HUNTER×HUNTER』にて、休載を繰り返しながらもファンの関心を集め続けている冨樫先生は、『レベルE』でも『週刊少年ジャンプ』ではめったにない月1連載という形をとっていた。そのため、『レベルE』の単行本は全3巻で、一気読みしやすい長さとなっている。

加藤敏幸監督のこだわり

連載終了から14年経った2011年にアニメ化された『レベルE』についてSNSでは「マジ?」「全然知らなかった」「なんで今頃!?」と、驚きの声があがった。本作の監督を担当する加藤敏幸氏は、実は1999年10月16日より放送がスタートした『HUNTER×HUNTER』にて監督補を務めており、冨樫作品と縁の深い存在となっている。

ニュースサイト“MANTANWEB”のインタビューにて、加藤監督は『レベルE』をアニメ化するうえでこだわった点を以下のように語っている。

一番心がけたことは、作品のイメージを損なわないことです。原作のままということではなく、いい意味で原作の良さをアニメで出したかったんです。完成してみて、原作の持つ力を制作陣と役者で引き出せたのではないか、と思っています。
出典:『アニメ質問状:「レベルE」 一筋縄でいかぬ登場人物 予測できない楽しさ』MANTANWEB 2011年2月5日

「王子だったらこれぐらい作るだろう」と考え、作られた挿入歌『原色戦隊カラーレンジャーのうた』は、なんと加藤監督が作詞を担当した。また、『レベルE』のメインキャストには、浪川大輔さん、子安武人さん、細谷佳正さんといった現在も活躍中の実力派声優が名を連ねている。彼らをはじめとした声優陣が、本作のギャグ要素を成立させたと言えるだろう。

『レベルE』は、肩の力を抜いて笑いながら見たい人にちょうどいい。気分転換にも、すこし変わった刺激がほしい時にも、今あらためて見てほしいアニメだ。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari