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調剤薬局員が「ルールだからわかって」と訴える『あること』を会計で確認する理由と努力が涙ぐましい

  • 2025.12.24

調剤薬局で働く、私の元同僚・山崎さん(仮名)。山崎さんが勤務しているのは、日用品やお菓子などもたくさん売っているような大型店舗です。会計の際のあるお決まりの確認で、まさかのクレームが……!?

会計での確認作業

調剤薬局で働いている私は、レジ袋が有料化されてから、会計のたびに「袋はご利用になりますか?」と必ず確認するようにしています。勝手に袋をつけてしまうとクレームにつながるので、どれだけ必要そうに見えても確認は必須です。

ほとんどのお客さんは普通に答えてくれますが、中には少し反応が強めの方もいて、日によってはヒヤッとすることがあります。

両手いっぱいの商品を抱えた男性客

ある日、両手いっぱいに日用品やお菓子を抱えた年配の男性がレジに並びました。バッグを持っている様子はなく、袋なしでは持ち帰れない量でした。でも、だからといって勝手に袋をつけるわけにはいきません。普段通り、「袋はご利用になりますか?」と確認しました。

すると、男性が急に不機嫌な表情になって、「この量で? 袋なしでいけるわけないでしょ?」「見てわからないの?」と。周囲に気まずい雰囲気が流れるのを感じながら、私は(いや、そうだけど……聞かずにつけるわけにはいかないのよ……)と、心の中でそっとつぶやいていました。

まさかの嫌味が続いて

男性はさらに「確認する意味ある?」「いちいち聞かなくても普通わかるでしょ?」と続けてきます。私は丁寧に謝りながら袋を用意して商品を入れていきましたが、こういう場面では本当にメンタルが削られます。会計が終わると男性はぶつぶつ言い続けたまま店を出て行き、レジ周りの空気はしばらく気まずいままでした。

様子を見ていた同僚が「確認して怒られ、しなかったらもっと怒られるし……どうしようもない日ってあるよね」と笑いながら声をかけてくれて、私の気持ちも少し軽くなりました。(確かに、あのお客さんはどんな言い方をしても怒ったかもしれない……)と、自分に言い聞かせて切り替えることにしました。

“正解のフレーズ”を探し、研究の日々

それからというもの、「袋はご利用になりますか?」の言い方を、ちょっとずつ変えながら試しています。「レジ袋おつけできますよ」「袋、有料ですがご用意しましょうか?」「お荷物多いですが、袋どうされますか?」など……。

どれが正解なのかは分かりませんが、お互い気持ちよくやり取りできる言い方を模索中です。いつか「これだ!」と思えるフレーズが見つかればいいなと考えながら、店頭に立っています。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

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