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【冬の乾燥肌対策】知っておきたい基本知識&セルフケア5選[薬剤師監修]

  • 2025.12.23

いつも通り顔や体のスキンケアをしているのに、粉をふいたり、つっぱりを感じたり。それは、冬の気候や生活環境の変化によって肌の水分バランスが乱れているサインです。冬の乾燥を放置すると、肌荒れやかゆみなどの不調にもつながります。冬の間も健康的な肌を守るための乾燥対策を紹介します。

1.冬に肌が乾燥する原因は?

冬は気温と湿度の両方が低下し、肌にとって過酷な季節です。なぜ冬に肌が乾燥するのか、その原因を見てみましょう。

①気候の影響

肌の潤いは、セラミドなどの保湿成分を含む角質層と、皮脂によって保たれています。しかし、冬は空気中の水分量が少なく乾燥しているので、肌の角質層から水分が蒸発しやすくなります。
また、暖房も室内の湿度を下げ、空気を乾燥させる要因の一つ。角質層の水分保持力は年齢とともに低下するため、年齢を重ねるごとに空気の乾燥による影響を受けやすくなります。
加えて、気温の低下により皮脂の分泌量が減り、肌の保護膜が薄くなることも、肌の乾燥につながります。

②服装

乾燥を進めるのは気候だけではありません。肌に直接触れる衣服の素材も影響します。
例えば、化学繊維の服は静電気を起こしやすく、肌表面の水分を奪うことがあります。さらに、マフラーやハイネックなどが首元に擦れると、摩擦によって角質層がダメージを受け、乾燥を悪化させることも。
肌の乾燥だけではなく、かゆみにつながることもあるため注意が必要です。

2.肌の乾燥による影響は?

肌が乾燥した状態が続くと、バリア機能が低下し、外部刺激を受けやすくなります。紫外線や花粉、ホコリなどの刺激を受けやすくなり、粉ふきや赤み、かゆみなどが生じやすくなるのです。
例えば、ニキビやシワなどの他、肌がかさかさとしてかゆみを伴う皮脂欠乏性湿疹、指や手のひらにかゆみや湿疹が起きる手湿疹などの皮膚トラブルが起きやすくなります。

3.冬の肌の乾燥対策5選

冬の乾燥に負けない肌を作るためには、日々のスキンケアや生活習慣を見直すことが大切。ここでは、今日から実践できる5つの対策を紹介します。

①保湿ケアを見直す

冬の保湿ケアは「足りない水分を補う」だけでなく、「逃がさない工夫」が重要です。肌の状態や気候に合わせて、使用するアイテムを見直しましょう。
入浴後にはすぐに化粧水で潤いを与え、乳液やクリームで水分を閉じ込めましょう。目元や肘、膝などの乾燥しやすい部位は重点的に保湿することも大切。保湿クリームは、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分を含む保湿効果の高いものがおすすめです。

②室内を加湿する

空気が乾燥していると肌から水分が失われてしまうため、加湿器などを活用し、室内を適度に潤しましょう。加湿器がない場合は、濡れたタオルを掛けたり、洗濯物を室内に干したりするなどの方法でも効果的。
室内の湿度は40〜70%が良いとされています。湿度計を活用して適正な湿度を保つようにするとよいでしょう。

③肌に優しい素材の服を着る

肌に優しい素材の服を着ることは、体の乾燥対策につながります。肌が直接触れる下着や寝間着は、肌の乾燥を左右する大切なポイント。
吸湿性と通気性に優れた綿やシルクなどの天然素材を選ぶと、摩擦を抑えながら肌の潤いを守れます。特に、寝具やパジャマは長時間肌に触れるため、化学繊維よりも刺激の少ない素材を選びましょう。

④入浴方法を見直す

熱すぎるお湯や長風呂は、肌の潤いを守る皮脂膜を奪ってしまいます。38〜40℃程度のぬるめのお湯に10〜15分浸かることを意識しましょう。
また、ボディソープや石けんでゴシゴシ洗うと、必要な皮脂も落とし、角質層を傷つける原因に。石けんをよく泡立て、優しく洗いましょう。

⑤漢方薬を活用する

肌の乾燥対策には漢方薬を活用するのもおすすめ。漢方薬は心と体のバランスを整えることで不調の根本改善を目指します。
肌の乾燥には「水分の循環を整えて肌に潤いを与える」「血行を促進する」「体にこもった熱を冷まして炎症を鎮める」「胃腸の働きを良くして肌に必要な栄養を作る」などの働きがあるものがおすすめです。

<冬の肌の乾燥対策におすすめの漢方薬>

・温清飲 (うんせいいん)
血行を促進して栄養を届けるとともに、体にこもった熱を冷まして肌のかさつきや湿疹、皮膚炎などを改善する漢方薬です。

・当帰飲子(とうきいんし)
分泌物の少ない慢性湿疹やかゆみが気になる人に。血行を良くして肌に栄養と潤いを与え、乾燥によるかゆみを抑える漢方薬です。

漢方薬は自然由来の生薬でできており、西洋薬よりも副作用が少ないとされています。しかし、体質に合わないと思わぬ副作用が出ることも。自己判断での服用は避け、医師や薬剤師に相談の上セルフケアに取り入れましょう。

教えてくれたのは…あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子さん

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「」で情報発信を行っている。

編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか

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