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老けないうどんの食べ方。正解は素うどん、サラダうどん、温玉うどん、どれ?【老けない食べ方の新常識#2】

  • 2025.12.23

老けないうどんの食べ方。正解は素うどん、サラダうどん、温玉うどん、どれ?【老けない食べ方の新常識#2】

「かけうどん」を食べるよりも、「温玉うどん」を食べたほうが、血糖値の上昇が抑えられた……!? 驚きの研究結果を、話題の新刊『最新科学でわかった 老けない食べ方の新常識』(三笠書房)から、一部抜粋してお届けします。最新の研究により、老化を引き起こす真の原因が明らかになりました。老化の真犯人とは……。

「はなまるうどんさん」と共同で行なった研究成果

私たちは、讃岐うどんチェーンはなまるうどんさんとも共同研究を行ないました。きっかけは、2011年頃、讃岐うどん発祥の地である香川県では糖尿病患者が多く、うどんの食習慣との関連性が問われていたからでした。香川県は1人当たりのうどん消費量は全国平均の約2倍。「糖尿病の発症にも糖化が深くかかわっているかもしれない」とエビデンスのない推定があったからです。

そこで、「うどんは本当に血糖値を上げやすいのか」、そして「血糖値上昇を防ぐ、うどんの食べ方はないか」と調査することになりました。

私たちが注目したのは、すでにメニュー化されていた「10種野菜のサラダうどん」です。「半日分の野菜がとれる」というキャッチフレーズのこのメニューなら、血糖値の上昇を恐れることなく、うどんを楽しめそうなイメージがあります。

被験者は、20代から40代の健康な男女13名。「かけうどん(糖質57.7g、うどん)」「温玉うどん(糖質59.4g、うどん+温泉卵)」「サラダうどん(糖質67.1g、うどん+サラダ)」を食べたときの血糖値の上がり方を調べました。

血糖値の変化量の結果は、かけうどんは最高で約75mg/dL、サラダうどんは約55mg/dL。サラダうどんはかけうどんより、20mg/dLも低かったのです。これはその分、老化物質であるアルデヒド(※1)の発生量を抑えられる、ということです。

<用語解説>
※1「アルデヒド」
糖が体のタンパク質と結びついて劣化させてしまう現象のことを「糖化」といいます。糖化を促進する原因が、体内毒素「アルデヒド」です。アルデヒドはまさに「有毒ガス」。糖化反応を糖の何倍も速く、あっという間に進めてしまう性質があります。血糖値の上昇をゆるやかに抑えることができれば、アルデヒドの生成も抑えられることが明らかになりました。

この結果だけを見ると、「野菜に含まれる食物繊維にこそ、血糖値を抑える作用がある」と考えたくなるところです。ところが、温玉うどんでも、サラダうどんと同等の効果が見られました。温玉うどんの血糖値の変化量は最高で約60mg/dLで、サラダうどんとはわずか約5mg/dLという差だったのです。

ベストな選択は「ゴマドレッシング」だった!

これはどういうことでしょうか。サラダうどんの血糖値の上昇を抑えたのは、野菜の食物繊維ではないのか―。この疑問を検証すべく、次にかけうどんに「難消化性デキストリン」という食物繊維を加えて、血糖値の変化を調査しました。

結果、血糖値のピークが、難消化性デキストリンを添加したうどんは、約62mg/dL。温玉うどんのほうが、難消化性デキストリンを添加したうどんより、血糖値の上昇を抑える作用がやや強いことがわかったのです。

じつは、サラダうどんの効果は、食物繊維の作用と考えていましたが、その後の研究で、タレのゴマドレッシングの影響も大きい、と私は考えるようになりました。ゴマドレには、黄金トリオの要素すべてが含まれています。

老化予防に大事なのは、アルデヒドの発生を抑えて、AGEs(※2)をつくり出さないこと。それが糖尿病などの生活習慣病や不調を予防し、健康と若々しさを守るには必要です。そのためには、何としてもアルデヒドスパーク(※3)を防がなければいけません。

<用語解説>
※2「AGEs」
エージーイー。「終末糖化産物」。糖化反応の最終段階でつくられるさまざまな化合物の総称で、最終的に老化を促進する物質。

※3「アルデヒドスパーク」
体内でアルデヒドが急速に発生し、糖化を加速させること。アルデヒドスパークを防ぐうえで、第一に重要なのは「食べ過ぎない」こと。第二に重要なのが、アルデヒドスパークを防ぐ=老化を防ぐ「食べ方公式」です。
【老化を防ぐ食べ方公式】タンパク質×脂質×酸=黄金トリオ

その対策としては、うどん単体(かけうどん)ではなく、黄金トリオをそろえて食べること。これができれば、サラダうどんでも、温玉うどんでもいいのです。

なお、酸が不足してしまうときには、あらかじめクエン酸のサプリメントや、クエン酸を含む柑橘を摂取しておくか、酸を緑茶に置き換えてもよいでしょう。

では、天ぷらうどんはどうでしょうか。讃岐うどんでは、天ぷらを添えて食べるのが定番スタイル。海老天やかしわ天(鶏肉の天ぷら)など、タンパク質の豊富な天ぷらならば、血糖値の上昇が抑えられ、アルデヒドスパークを防げると考えられます。

ただし、天ぷらはエネルギー量が大きくなりますから、食べ過ぎには注意です。

※この記事は『最新科学でわかった 老けない食べ方の新常識』八木雅之著(三笠書房)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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